電磁誘導

電磁誘導とは

電磁誘導とは、磁界の変化によってコイルなどの導体に電圧が生じる現象を指す。発電機や変圧器の原理として使われており、電力の供給や変換に欠かせない。エネルギーを効率よく扱うためにも、この原理の理解は非常に重要である。

電磁誘導を知る、それは「電気が生まれるしくみ」を知ること

電気というと、スイッチをパチッと入れて「流すもの」というイメージが強いですよね。
でも実はそれだけじゃありません。


なんと、 動かすだけで電気が生まれるケースもあるんです。
ちょっと不思議、でもちゃんと理屈あり。


それが、今回のテーマ──電磁誘導。


このページでは、 電磁誘導とは「磁石が動くことで電気が発生する現象」
というポイントを軸に、できるだけ噛み砕いてお話ししていきます。


「えっ、磁石で電気ができるの?」
「コンセントにつながってなくても電気って作れるの?」


そんな素朴な疑問、出てきますよね。


でも大丈夫です。
特別な知識がなくても、「あ、そういうことか」と腑に落ちるところまで、順を追って説明していきます。


しかもこの電磁誘導、実は発電機やモーターなど、身の回りの重要な機械で大活躍。
知らないうちに、毎日の生活をしっかり支えてくれている存在なんです。


「電気=スイッチ」という固定観念を、ここでいったん外してみましょう。
磁石が動くだけで電気が生まれる世界、意外と面白いですよ。



電磁誘導とは何か?

ファラデーの電磁誘導実験図

ファラデーの電磁誘導実験を示す図

出典:Photo by Eviatar Bach / CC0 1.0より


 


まずは、電磁誘導の正しい定義から確認しておきましょう。
ここを押さえておくと、後の話がぐっと楽になります。


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動く磁石で電気をつくる仕組み

電磁誘導(でんじゆうどう)とは、 磁石の動きによってコイルに電気が発生する現象のことです。


たとえば、理科の実験で見たことがある人も多いはず。
コイルに棒磁石を近づけたり、スッと遠ざけたりすると──
豆電球がチカッと光る、あの瞬間。


あれこそが、まさに電磁誘導です。


ここで大事なのは、 電線に電気を「流している」のではなく、磁石を「動かしているだけ」で電気が生まれている
という点。


スイッチも電池も使っていないのに、ちゃんと電気が発生している。
この不思議さが、電磁誘導の入り口なんです。


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磁界の変化で電流が発生すること

では、なぜそんなことが起きるのでしょうか。


カギになるのが、 磁界(じかい)──
つまり、磁石の力が及んでいる空間です。


磁石を動かすと、コイルの中を通る磁界の状態が変わります。
この磁界の変化に反応して、コイルの中に電流が生まれる


この関係をきちんとルールとしてまとめたものが、 ファラデーの法則です。


「磁石がある」だけでは電気は流れません。 磁界が変化すること
ここが、電磁誘導の本質なんですね。


電磁誘導とは、磁石そのものではなく「磁界の変化」によって電気が生まれる現象であり、動かすことがすべての出発点になります。


電磁誘導には身近にある!

蒸気タービン発電機セット

蒸気タービン発電機セット
多段式蒸気タービン(右)と円筒形交流発電機(左)からなる発電装置。タービンの回転により発電機内で電磁誘導が起こり、電気が生成される。

出典:Title『TMW_773_-_Steam_turbine_generator_set』-Photo by Sandstein / CC BY 3.0より


 


実はこの電磁誘導、「理科室の実験だけの話」ではありません。
私たちの生活のあちこちで、しれっと、でもかなり重要な役割を果たしています。


気づいていないだけで、 毎日の電気の裏側には、この仕組みがしっかり組み込まれているんです。


代表的な例を、まずはざっと見てみましょう。


  • 発電所の発電機:タービンを回してコイルを回転させ、電気を生み出している
  • 自転車のライト(ダイナモ):タイヤが回ると中の磁石が動いて発電
  • ICカードリーダー:読み取り時に、電磁誘導でカードへ一瞬だけ電気を供給


どれも、「動き」と「磁石」が関わっているのがポイント。
ここから、それぞれをもう少しだけ深掘りしてみましょう。


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発電所の発電機:社会を支える超ど真ん中

発電所では、水や蒸気、風などの力でタービンを回しています。


その回転が、内部のコイルと磁石を動かし、 大量の電気を生み出す


私たちが使っている電気のほとんどは、電磁誘導によって生み出されたもの
と言っても、実は言い過ぎではありません。


電磁誘導は、社会インフラのど真ん中を支えている存在なんです。


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自転車のライト(ダイナモ):走るだけで光る理由

自転車をこぐと、勝手にライトが点きますよね。


あれも仕組みはとてもシンプル。
タイヤの回転に合わせて、中の磁石がくるくる動く。
その結果、コイルの中に電気が生まれる。


こぐ=動かす=電気が生まれる
体を動かすエネルギーが、そのまま電気に変わっているわけです。


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ICカードリーダー:電池なしで動く秘密

交通系ICカードや社員証。
カード自体に電池は入っていませんよね。


それでも使えるのは、 読み取り機側が電磁誘導で電気を送っているから。


カードをかざした瞬間だけ、必要な分の電気を受け取って動作。
用が済めば、また休止状態。


無駄がなくて、とても賢い仕組みです。


電磁誘導は「動きと磁石」がそろうことで電気を生み出し、発電所から身近な機器まで、電池に頼らない電気の仕組みを支えています。


電磁誘導と電磁石の違い

自作の電磁石

自作の電磁石
9V電池、銅線、鉄釘を用いて作成された簡易な電磁石。電流を流すことで磁場が発生し、鉄釘が磁化される。

出典:Photo by Gina Clifford / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より


 


おもしろいことに、電磁誘導にはちょうど逆向きの仕組みも存在します。
それが、電流を流すことで磁界を生み出す──
いわゆる電磁石の働きです。


電気と磁石。
このふたつ、実は一方通行の関係ではありません。


まずは整理してみましょう。


  • 電磁石:電気を流す → 磁界が生まれる
  • 電磁誘導:磁界が変化する → 電気が生まれる


向きが、きれいに逆ですよね。


電気が磁気を生み、磁気の変化が電気を生む
この関係性こそが、電磁気の世界のいちばん面白いところです。


電磁石では、電線に電流を流すことで、その周囲に磁界が発生します。
スイッチを切れば磁力は消え、入れればまた生まれる。
オン・オフ自在な磁石、というわけです。


一方の電磁誘導は、磁界を変化させることで、結果として電気が生まれる現象。
こちらは「動き」が主役になります。


だからこの2つ、仕組みも役割も違うのに、根っこは同じ。


電気と磁気が行き来できる関係だからこそ、双子のように並べて語られるんですね。


このセットの理解があると、モーターや発電機の話も、ぐっと見通しが良くなります。


電磁誘導ってのはよ、難しく感じるかもしれねぇが、実は「磁石の動きで電気が生まれる」超便利な現象なんだぜ。発電所から自転車のライトまで、意外と身近な場所でバリバリ活躍してんだ、覚えとけよ!