電磁波が横波なのはなぜ?

電磁波が横波な理由

電磁波は電場と磁場が互いに直角な方向に変化しながら進行方向に対して垂直に波動するため、横波となる。媒質を必要とせず、空間そのものを伝わるのが特徴である。この構造が電磁波の安定した伝播を支えている。

電磁波が横波なのはなぜ?

光、電波、X線…すべて電磁波の仲間。でも物理の授業などでよく出てくるこのフレーズ──
「電磁波は横波である」


…って、いったいどういう意味なんでしょう?そして、なんで“横波”なのか、ちょっと気になりませんか?


そこには、電気と磁気が直角にふるえるという、電磁波特有の美しい構造が関係してるんです。


このページでは、「電磁波が横波になる理由」を、わかりやすくかみ砕いて解説していきます!



まず「横波」ってどういうこと?

電磁波の横波構造(電場Eと磁場Bが進行方向に直交)

電磁波の横波構造(電場Eと磁場Bが進行方向に直交)
電場Eと磁場Bが互いに直角で、波の進行方向にも直交して振動する。
「横波」として空間を伝わる基本形を模式的に示した図。

出典:『Electromagnetic wave EN』-Photo by Piotr Fita / Wikimedia Commons CC0 1.0


 


まず押さえておきたいのは、波には性質の違いがあるという点です。
ひと口に「波」と言っても、揺れ方にはちゃんと分類があります。


基本になるのが、次の2種類


  • 縦波(たてなみ):波の進む向きと、振動の向きが同じ(例:音波
  • 横波(よこなみ):波の進む向きと、振動の向きが垂直(例:水面の波


音の波を思い浮かべるとわかりやすいですね。
空気が前後に押される動きが、そのまま波として伝わっていく。
これが縦波。


一方で、水面の波。
波自体は前に進むのに、水は上下に揺れるだけ。
進行方向と振動方向が直角。
これが横波です。


では、電磁波の場合はどうなるのか。


たとえば、電磁波が右方向へ進んでいるとします。


このとき内部では、 電場(電気のふるえ)は上下方向に、 磁場(磁気のふるえ)は前後方向に揺れています。


つまり──

  • 進行方向
  • 電気のふるえ
  • 磁気のふるえ


この3つすべてが互いに直角(90度)進む向きに対して、振動が横方向にしか起こらない──これが「横波」の正体です。


だから電磁波は、迷いなく横波に分類されるわけですね。


電磁波は「電場と磁場の連携プレー」

電磁波の本質は、とてもきれいな連鎖構造にあります。


それが、 変化する電場が磁場を生み、変化する磁場がまた電場を生む
という循環。


このとき空間では、次のような役割分担が起こっています。


  • 電場は、ある方向にふるえる(たとえば上下)
  • その変化によって、直角方向の磁場が生まれる(たとえば左右)
  • このセットが連続して、前方へと伝わっていく


どちらか一方が主役というわけではありません。
電気と磁気が、互いを生み出しながら進んでいく。
まさに息ぴったりの連携です。


その結果どうなるかというと、電磁波では進行方向に沿った振動が許されない構造になります。


電場も磁場も、進行方向に対して横にしか揺れられない──だから電磁波は横波になるのです。


偶然そうなっているわけではなく、この配置こそが、電磁波として成立するための必然。
ここを押さえると、「横波」という言葉がぐっと腑に落ちてきます。


横波だからできることもある!

ここまで見てきたとおり、電磁波が横波であるという性質は、単なる分類ではありません。
実はこの特徴、私たちの身の回りの技術にしっかり活かされています。


代表的なのが、次の2つ


  • 偏光:電場のふるえる方向がそろった光だけを通す(サングラスなど)
  • アンテナの向き:電波の電場の向きに合わせて設計されている


どちらも共通しているのは、「電磁波が横方向にふるえる」という前提があること。
ここからは、それぞれをもう少しだけ詳しく見ていきましょう。


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偏光:光の「ふるえ方」を選別できる

PexelsによるPixabayからの画像


光は電磁波です。
つまり、その正体は電場のふるえ


ふつうの光では、電場はさまざまな向きにバラバラに揺れています。
でも偏光フィルターを通すと、 特定の方向にふるえている成分だけを選び出すことができます。


サングラスで反射光のギラつきが抑えられるのは、 まぶしさの原因になりやすい向きの電場をカットしているから。
横波であるがゆえに、「どの向きの光を通すか」をコントロールできるわけです。


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アンテナの向き:電波は向きを合わせて受信する

地上波テレビ用UHF八木アンテナ(素子の向き=偏波の向き)

地上波テレビ用UHF八木アンテナ(素子の向き=偏波の向き)
電磁波は横波なので「振動の向き(偏波)」があり、受信アンテナはそれに合わせて向きを揃える。
写真のように素子(横方向にずらっと並ぶ細い金属棒)を縦向きにすると、垂直偏波の電波を受けやすくなる。

出典:『Three UHF Yagi television antennas』-Photo by Serge Nueffer/Wikimedia Commons Public domain


 


電波を受信するアンテナも、実はかなり向きに敏感です。


アンテナは、 電波の電場がふるえる向きに合わせて設計されています。
そのため、電場の向きとアンテナの向きがズレると、信号をうまく拾えなくなってしまいます。


テレビのアンテナを縦にしたり横にしたりするのも、見た目の問題ではありません。 電波の電場の向きに合わせて、受信効率を高めているからなんです。


電磁波が横波だからこそ、「向き」を意識した受信や制御が可能になります。


偏光もアンテナも、横波という性質があってこそ成立しています。電磁波は、向きを選び、揺れ方を制御できる波だからこそ、光学や通信といった分野の基盤として使われ続けているのです。


電磁波ってのはよ、電場と磁場が直角にふるえて、波としては進行方向に対して横にふるえる=横波なんだぜ!縦じゃねぇのにもちゃんと理由があって、まさに「見えねぇのにきれいな構造」があるのがスゴイところなんだ!