

風力発電って、風が吹く国ならどんどん増えそうに見えますよね。
ところが実際は、「思ったより普及していないな」と感じる人も多いはずです。なぜなら風力発電は、風さえあればOKという単純な話ではなく、場所・お金・送電など、いくつもの条件が同時にそろわないと成り立ちにくいからです。
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まず、風力発電は日本でも少しずつ増えています。
ただ、それでも「日本の電気の主役か?」と聞かれると、まだそこまでではありません。というのも、風は毎日同じ強さで吹くわけではなく、弱い日もあれば、強すぎる日もあります。しかも風が強すぎると、風車は壊れないように安全のため停止することもあるんです。
つまり、風力発電は「発電できる日」と「発電しにくい日」がはっきり分かれやすい。ようするに、発電量が天気に左右されやすいタイプの発電方法なんですね。
風力発電が増えにくい最大の理由は、「風の変化」をそのまま受けてしまう点にあります
次に大きいのが、「そもそもどこに建てるか」という問題です。
風車はとても大きな設備で、遠くから見ても目立つくらいの高さになります。だからこそ、住宅地のすぐ近くに建てるのは難しくなりがちです。音や影のちらつき(回転する羽の影が動く現象)を気にする人もいますし、工事の車が通れる道も必要になります。
しかも「広い土地ならどこでもいい」というわけでもありません。風が安定して吹く場所でないと発電量が伸びませんし、山が急で道路が作りにくいと工事が大変です。さらに自然の面でも、鳥が飛ぶルートや景観への配慮など、考えることが増えていきます。
風力発電が増えにくい“場所の条件”を整理すると、次のようになります。
──こんな具合に「風がある」だけでは足りず、いくつもの条件をクリアしてはじめて建てられるのです。
風車は大きい設備なので、「建てたい」気持ちだけで決めると、周りとのトラブルにつながることがあります
そして最後に、現実的にいちばん効いてくるのがコストと送電の問題です。
風車は巨大な機械なので、建てるだけでもお金がかかります。さらに海の上に建てる洋上風力になると、海底の土台づくりや船を使った工事が必要になり、陸上よりも費用が増えやすい。しかも、潮風で機械が傷みやすいので、点検や修理にも工夫が要ります。
そしてここが大切なところですが、電気は「作ったら終わり」ではありません。発電した電気を使う場所まで運ぶために、送電線や変電所が必要です。ところが、風が強い場所ほど人口が少ない地域だったりして、送電網が十分でないケースもあります。
つまり、「発電はできるけど、電気を運ぶ道が足りない」という状況が起きうるんです。逆に言えば、送電の整備が進めば、風力が活躍できる場面はもっと広がります。
風力発電の普及は、風そのものより「採算」と「送電のつなぎやすさ」で決まる場面が多いのです
風力発電が少ない理由は、風の変化に左右されやすいことに加えて、設置場所の条件が厳しく、さらにコストや送電の問題が重なるからです。
ただし逆に言えば、技術の進歩や送電網の強化、地域との上手な調整が進めば、風力発電はもっと大きく伸びる可能性があります。だからこそ「なぜ普及しないのか」を知ることが、次の一歩につながっていくのです。
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