雷の種類一覧

雷の種類

雷には雲と地表の間で起こる「対地雷」、雲の中で起こる「雲内雷」、雲同士の間の「雲間雷」がある。さらに、成層圏まで届く「スプライト」など特殊な放電も存在する。雷の発生場所や経路によって分類されている。

雷の種類一覧

空でバリバリッと光る
ひと目見ると全部同じに見えがちですが、実はこれ、かなり個性派ぞろいなんです。


発生する場所が違ったり、電気が走る向きが違ったり、そもそもの生まれ方が違ったり。
条件が変わるだけで、呼び名も性質もガラッと変わる。
雷の世界、思っている以上に奥が深いんですよ。


ようするに、 雷は「場所」「向き」「発生の仕方」といった視点で分類できて、知られざるバリエーションが山ほど存在する、というわけです。


このページでは、 雷の種類を一覧でスッと整理しながら、「どこで起きる雷なのか」「どう見えるのか」「何が特徴なのか」を、できるだけ噛み砕いて解説していきます。


空を見上げたときの「今の雷、どのタイプ?」が、ちょっとわかるようになる。
そんな読み物として、気軽に付き合ってもらえたら嬉しいです。



まずは「どこで起こるか」で分けてみよう!

雷の種類は、放電が起きる場所や相手に注目すると、ぐっと整理しやすくなります。
大きく分けると、基本は3タイプ
まずは全体像を、ざっくり押さえておきましょう。


  • 雲の中の雷(雲内放電):雷の中でいちばん多い。雲の中だけでバチバチしているタイプ
  • 雲から地面への雷(対地放電):いわゆる「落雷」。人や建物に被害が出やすい
  • 雲と雲の間の雷(雲間放電):雲どうしが電気をやりとりしているタイプ


見た目はどれも「ピカッ!」と光るので、つい同じ雷に見えてしまいがち。
でも、起きている場所は意外とバラバラなんです。


ここからは、それぞれの雷をもう少しだけ掘り下げて見ていきましょう。


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雲内放電:雲の中で完結する雷

雲を内側から照らす雲内放電の光

雲を内側から照らす雲内放電の光
放電路が雲の内部に隠れ、雲全体が一瞬だけ面発光のように明るくなる。
外に伸びる稲妻が見えなくても、雷雲内で電気が動いているサインになる。

出典:『Intra cloud lightning June 2021』-Photo by Couch-scratching-cats/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


雲内放電は、その名のとおり雷雲の内部だけで起こる放電です。
実はこれ、雷全体の中でもっとも発生回数が多いタイプ。


雲の中で、プラスとマイナスに帯電した領域が入れ替わるように放電するため、外から見ると、雲全体がぼんやり光ったり、内部で光が走っているように見えたりします。


音が小さい、あるいはまったく聞こえないことも多く、「光ったけど雷鳴がしないな?」
そんなときは、この雲内放電の可能性が高めです。


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対地放電:いわゆる「落雷」

タンパの街並みを背に走る稲妻

フロリダ州タンパの落雷
都市の夜景の上空を貫く、鋭い落雷の瞬間。
フロリダは湿った空気と強い対流が重なり、雷雨が起きやすい。

出典:『Lightning strike in Tampa Florida』-Photo by Christopher Hollis/Wikimedia Commons Public domain


 


もっともインパクトが強いのが、この対地放電
雲から地面へ向かって電気が流れ落ちる、いわゆる「落雷」です。


高い建物、木、鉄塔、人。
地面から突き出たものが狙われやすく、 感電・火災・停電などの被害につながりやすいのが特徴。


ニュースや防災情報で話題になる雷の多くは、この対地放電を指しています。
私たちの生活に直接影響する雷、と言っても過言ではありません。


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雲間放電:雲どうしがやりとりする雷

雲間放電で空を横切る枝分かれした稲妻

雲間放電で空を横切る枝分かれした稲妻
雲と雲の間で電荷が移動し、地面に届かないまま光の筋だけが走る。
寒冷前線の前面などで発達した雷雲同士が近づくと起きやすい。

出典:『Cloud-to-Cloud Lightning』-Photo by Griffinstorm/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


雲間放電は、雷雲と別の雲との間で起こる放電です。


空の高いところで、雲から雲へと電気が走るため、横に長く伸びる稲妻として見えることもあります。


地面には直接届かないので、被害が出ることは少なめ。
ただし、雷雲が発達しているサインでもあるため、「これから対地放電が起きる前触れ」
として観測されることもあります。


 


まとめると、 見た目が似ていても、地上に大きな影響を与えるのは主に「対地放電」であり、他の雷は空の中で完結していることが多い、という整理になります。


雷を見るときは、「今のは雲の中か、地面まで来たのか」
そんな視点で空を眺めてみると、ちょっとだけ見え方が変わってきますよ。


次は「どっち向きに進むか」でも分類!

雷と聞くと、「雲から地面にドーン!」
そんなイメージが真っ先に浮かびますよね。


でも実はそれ、雷全体から見るとほんの一部
雷は進む向きによっても、しっかりタイプ分けできるんです。


代表的なのは、次の3つ。


  • 下降雷:雲から地面に向かって進む。いわゆる「落雷」はこれ
  • 上昇雷:地上の高い物体から、空に向かって伸びるレアタイプ
  • 水平雷:空の中を横方向に長〜く走る雷。ときには100km超


向きが変わるだけで、見え方も、危険ポイントも、かなり変わってくる。
ここが雷のおもしろいところです。


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下降雷:いちばんイメージ通りの雷

初めて撮影された雷の写真

下降雷(落雷)の瞬間
1882年9月2日、ウィリアム・N・ジェニングスによってフィラデルフィアで撮影された。

出典: Igoe 3-Jennings-First-Photograph-of-Lightning.jpgより


 


下降雷は、雷雲から地面へ向かって電気が流れるタイプ
ニュースや天気予報で言う「落雷」は、ほぼこれを指しています。


雲の中から先に電気の通り道が伸び、それに地面側が応答する形で、一気に放電。
結果として、人、建物、木、鉄塔などが被害を受けやすくなります。


雷対策や避難が重要になるのも、ほとんどがこの下降雷。 もっとも身近で、もっとも危険になりやすい雷と言えます。


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上昇雷:地面から空へ向かう逆走タイプ

上向き雷放電の瞬間(地上から空へ伸びる稲妻)

上昇雷(上向き雷放電)の瞬間
雷雲との電場が強まると、塔や建物の先端から上向きリーダーが立ち上がる。
雲側のリーダーと結合した瞬間に大電流の本放電へ移り、強い発光として見える。

出典:Upward Lightning - Photo by ELECTROPHORUS / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


ちょっとレアなのが、この上昇雷──専門的には「上向き雷放電」と呼ばれる雷です。


名前のとおり、 高い建物や山、鉄塔などから空に向かって雷が伸びるタイプです。
雷が「落ちる」というより、地面側から「撃ち上がる」イメージ。


発生しやすいのは、強い雷雲が近づいているとき。
特に、避雷針や送電鉄塔のような突き出た構造物がある場所で多く見られます。


ざっくり言えば、 上向き雷放電は「高い物体が雷を呼び込む」という現象が、はっきり形になった雷、といえるでしょう。


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水平雷:空を横断するロングタイプ

水平雷(雲間放電)の瞬間
ベネズエラ・マラカイボ湖に注ぐカタトゥンボ川の河口付近

出典:Title『Catatumbo Lightning - Rayo del Catatumbo』-Photo by Fernando Flores / Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0より


 


水平雷は、雲の中や雲どうしの間を、横方向に長く走る雷です。


正式には最初に紹介した「雲間放電」もしくは「雲内放電」と呼ばれます。


このタイプ、とにかくスケールが大きい。
条件がそろうと、100km以上も伸びることがあります。


夜空で見ると、空の端から端まで光が走るように見えて、かなり迫力あり。
ただし、地面には直接届かないことが多いため、被害は比較的少なめです。


とはいえ、 雷雲がかなり発達しているサインでもあるので、油断は禁物です。


 


まとめると、 雷は「下に落ちる」だけでなく、「上に伸びる」「横に走る」など、進む向きによって性格が大きく変わる、ということ。


空を見上げて稲妻が走ったら、「今のは下? 上? それとも横?」
そんな視点で眺めてみると、雷の見え方が一段おもしろくなりますよ。


まだある!ちょっと特殊な雷の種類

最近は観測技術がどんどん進んで、「えっ、雷ってそこまでやるの!?」みたいな現象も、ちゃんと見つかるようになってきました。
ふつうの落雷だけじゃなく、空のもっと上で起きるものもあるんです。


ここでは、ちょっと変わった種類をまとめて紹介しますね。
どれもロマン強め。空の上の電気ショーです。


  • スプライト:雷のあとに中間圏で発生する、赤っぽい発光現象
  • ブルージェット:雲頂から成層圏方向に向かって伸びる、青い放電
  • エルフ:雷に伴って上空に現れる、リング状に広がる発光
  • シートライトニング:雷の光だけが空全体を照らすけど、稲妻の筋が見えにくいタイプ


「名前は聞いたことあるけど、実際なにが起きてるの?」
そんな気持ちになりやすいので、ここから先は一個ずつ、かみ砕いていきます。


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スプライト:雷の“あと”に、ずっと上で光る

ISSから捉えたスプライト(青赤の縦光柱)

ISSから捉えたスプライト(青赤の縦光柱)
雷雲の上空(中間圏)で数ミリ秒だけ発光する放電現象。
上部の赤い輝きと、下向きに伸びる青い筋が層状に現れる。

出典:『Sprite over Southeast Asia from ISS』-Photo by Matthew Dominick / Wikimedia Commons Public domain


 


スプライトは、地上に落ちる雷そのものというより、落雷など強い放電が起きた“あと”に、上空で発生する赤い発光現象です。


発生する高さは中間圏
雲よりずっと上で、赤っぽく一瞬だけ光るので、肉眼で見るのはなかなか難しめ。
でも撮影できると、クラゲみたいな形に見えることもあって、めちゃくちゃ印象的です。


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ブルージェット:雲のてっぺんから、上に噴き上がる

ブルージェット(雲頂から成層圏へ伸びる青い放電)

ブルージェット(雲頂から成層圏へ伸びる青い放電)
雷雲の上部で電場が急激に強まると、雲頂から上向きの放電が立ち上がる。
希薄な大気でプラズマが青く発光し、成層圏方向へ細長く伸びていく。

出典:『Gigantic jet NOIRLab』-Photo by International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/A. Smith / Wikimedia Commons CC BY 4.0


 


ブルージェットは、雲の上端(雲頂)から、成層圏方向へ向かって伸びる青い放電です。


「雷=下に落ちる」イメージを、真正面からひっくり返す存在。
しかも色が青い。
なんかもう、必殺技みたいですよね。


ただしこれも、いつでも見られるわけではなく、 強く発達した雷雲で、特定の条件がそろったときに起きやすいタイプです。


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エルフ:上空に広がる、光のリング

エルフ(ELVES)のリング状発光を示す図解

エルフ(ELVES)も含めた超高層雷放電の図解
エルフは雷が生む電磁パルスが上空に届き、円盤状の光が一瞬で外側へ広がる現象。

出典:『Lightning sprites』-Photo by National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain


 


エルフは、雷にともなって上空に現れる、リング状(円盤状)に広がる発光です。


特徴は、「伸びる」というより「広がる」。
しかもすごく一瞬。
そのため、動画や特殊な撮影で捉えられることが多い現象ですね。


空の高いところで、雷のエネルギーがドンッと伝わって、光の輪がパッと広がるイメージ。
見られたらかなりレアです。


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シートライトニング:光るのに、稲妻が見えない

シートライトニング(雲が面で光る稲光、稲妻が見えない)

シートライトニング(雲が面で光る稲光)
雲の内部や雲同士で起きた放電が、雲全体をフラッシュのように照らして見える。
稲妻の通り道は雲の中に隠れるため、光だけが広がり「稲妻が見えない」印象になる。

出典:『Sheet Lightning over Mt Wellington』-Photo by JJ Harrison/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


シートライトニングは、雷の光だけが空全体を照らしているように見える現象です。


「ピカピカしてるのに、稲妻の線が見えない」
これ、雲の中や雲の向こう側で放電していて、稲妻そのものが雲に隠れているケースが多いんですね。


遠くの雷でも起きやすく、音が聞こえないこともあるので、つい油断しがち。
でも、雷雲が近づいてくる途中でこう見えることもあるので、空の様子は要チェックです。


 


まとめると、 雷は地面に落ちるだけじゃなく、雲の上やさらに上空でも多彩な発光・放電現象を起こしていて、その世界は想像以上に広い、ということです。


どれも地球の空を舞台にした電気のショーみたいで、正直カッコいい。
ただ「きれいだな〜」で終わらせず、「今、雷雲が活発なんだな」というサインとしても、ちょっと覚えておくと安心ですよ。


雷ってのはよォ、ただのバチバチじゃねぇ!雲の中で暴れてるヤツもいりゃ、地面にドカンと落ちるヤツ、さらには空に向かって突き上げるヤツまでいる!オレ様ら雷神のバリエーション、ナメんなよゴラァ!