電気の基礎知識

電気って、一見すると「目に見えない不思議な力」ですよね。でも実はちゃんとしたルールや特徴があって、身のまわりのいろんなものに関わっているんです!電気の学びは「電気って何?」「どんなふうに流れるの?」「どんな単位で表すの?」という基本のキを知ることから始まります。このページでは、そんな電気の基礎を「理科がちょっと苦手…」って人にもわかりやすく、かみ砕いて紹介していきます。

 

 

電気ってそもそも何なの?

まず最初に「電気」って言葉、何を指していると思いますか?実はすごく小さな粒(電子)が動くことで起こるエネルギーのことなんです。

 

電子っていうのは、原子の中をグルグル回っているマイナスの電気をもった粒のこと。これがプラスとマイナスで引っ張り合ったり、反発したりすることでいろんな力を生み出してるんですね。

 

そしてこの電子たちがまとまって移動すること。それが「電流」と呼ばれていて、いわば電気の流れそのものなんです。これがコンセントから流れてきて、スマホを充電したり、電気ストーブをあたためたりしてくれてるんですよ。

 

電気はどうやって流れるの?

電圧計と電流計を備えた電気回路の写真

電圧計と電流計を備えた電気回路

出典:Photo by Meganbeckett27 / CC BY-SA 3.0より

 

電気が流れるには、いくつかの条件があります。その中でも一番大事なのが電気を通すモノ=導体を使うこと。

 

たとえば銅やアルミニウムなどの金属は、電子がスイスイ通れるから電気が流れやすい!逆に、ゴムやプラスチックは電子が通れないので、電気をシャットアウトするんです。

 

この電子の流れを作るためには、もうひとつ必要なものがあります。それが「電圧」です!

 

電圧があると電気が流れ出す

電圧っていうのは、簡単に言うと電気を動かそうとする力のこと。たとえば水でいうと「高い場所にある水が低い場所に流れようとする力」みたいなイメージですね。

 

この電圧があるから、電子たちは「こっちに行こう!」と動き出すわけです。そして電気が流れ出す。まるで水道の蛇口をひねるみたいな感じですね。

 

回路がつながっていないとダメ

でもいくら電圧があっても、回路(=道すじ)がつながっていないと、電気は流れません。スイッチをオフにすると電気が止まるのも、回路が途中で切れるからなんです。

 

乾電池+導線+豆電球で作る簡単な回路でも、このルールはちゃんと同じ!回路がちゃんと「ぐるっと一周」つながっていることが大事なんですね。

 

基本的な電気回路の回路図

バッテリーと抵抗器で構成された基本的な電気回路の回路図

出典:Photo by Andreas B Mundt / CC BY-SA 3.0より

 

電気の単位ってどんなもの?

電気の世界には、いくつかの「単位」があって、それぞれ別の意味を持っているんです。「ボルト」「アンペア」「ワット」など、聞いたことありますよね?

 

電圧の単位は「ボルト(V)」

ボルトは、さっき出てきた「電気を押し出す力=電圧」の強さを表す単位。数字が大きいほど、電気を流そうとする力が強くなります。

 

たとえば家庭のコンセントは100ボルト、海外では220〜240ボルトの国もあるんですよ!

 

ジョセフソン接合を用いたNISTの1ボルト電圧標準チップ

ジョセフソン接合を用いたNISTの1ボルト電圧標準チップ

出典:Photo by NIST / Public domainより

 

この画像は、米国国立標準技術研究所(NIST)が開発した1ボルトの電圧標準チップです。このチップは、3020個の超伝導ジョセフソン接合を直列に配置し、液体ヘリウム温度で動作。左側の導波路構造にマイクロ波エネルギーを供給することで、右側の4つの接合チェーンに電圧が発生する仕組みです。

 

この技術は、電圧の高精度な標準として、計量学や電気計測の分野で広く利用されているんですよ。

 

電流の単位は「アンペア(A)」

アンペアは、「どれだけの電気が流れているか」の量を表します。たくさん電気が流れているとアンペアの値も大きくなります。

 

電車や工場の機械なんかは何百アンペアもの電流が流れてることもあるんです!

 

アンペアの定義を示す図

アンペアの定義を示す図

出典:Photo by Danmichaelo / Public domainより

 

この画像は、「1アンペアとは、真空中で1メートル離れた2本の無限に長い直線導体に、1メートルあたり2×10⁻⁷ニュートンの力を生じさせるような電流の強さ」というアンペア(電流のSI単位)の定義を視覚的に示したものです。

 

ちょっとややこしいですが、電流は目に見えないし、直接測りにくいです。なので電流が生み出す「磁場による力(アンペールの力)」という物理的に測れる現象を基準にして定義されているわけですね。

 

ただしこれは2019年以前の旧定義であることに注意!

 

この旧定義には

 

  • 実現困難:無限に長い導体や完全な真空を実現することは不可能
  • 力の測定:微小な力(2×10⁻⁷ N/m)を正確に測定するのは技術的に難しい

 

といった問題があったことから、2019年にアンペアの定義は以下のように変更されました。

 

「1アンペアは、1秒間に1クーロンの電荷が流れる電流」

 

この新定義では、基本物理定数である素電荷(e)を基準としています。

 

消費電力は「ワット(W)」

ワットは、「どれだけ電気を使ってるか=電力」の単位です。

 

たとえば1000ワットの電子レンジなら、1時間で1000ワット×1時間=1000Wh(ワットアワー)の電気を使ったことになります。

 

なので電気製品を選ぶときは、ワット数を見てどれだけ電気を使うかチェックするのが大事というわけなのです。

 

AUTO

420WのPC用電源ユニット

出典: Photo by Gzen92 / CC BY-SA 4.0より

 

例えばこういう420Wの電源ユニットは、オフィス用途や軽量なゲーミングPCなど、比較的消費電力の低いシステムに適しています。

 

電気の基本ってのはよォ、「電子がビュンビュン動いて、それがそのまんまエネルギーになる」っつう仕組みを腹に叩き込むことからスタートなんだよ!見えねぇクセして、生活のあっちこっちでゴリゴリ働いてんだからよ、これ知っときゃ電気との付き合い方がバチッと広がんだよなァ!