電気の起源は宇宙の始まり?

電気の起源と宇宙の始まり

電気の根源は電荷という基本的な物理量にあり、宇宙の始まりとともに存在していた。ビッグバン直後の高エネルギー状態では、電磁力も重要な役割を果たしていたと考えられる。電気は宇宙を構成する基本的な力の一つである。

電気の起源は宇宙の始まり?

雷が空を裂き、静電気がパチッと指をはじく。
そんな「電気」は、現代の便利な道具の中だけでなく、自然界のあちこちに当たり前のように存在しています。


でも、ここでちょっと立ち止まって考えてみてください。
そもそも電気って、いつからあったのでしょうか。


人間が発見したから生まれたもの?
それとも、もっとずっと昔から存在していたもの?


この問い、実はかなり核心を突いています。
というのも、電気の正体をたどっていくと、話は一気にスケールアップ。
宇宙の誕生、物質の成り立ち、そして自然界の基本ルールへとつながっていくからです。


つまり電気の起源を考えることは、「この世界(宇宙)がどうやって形づくられたのか」を考えることでもあります。


このページでは、そんな「電気の起源」と「宇宙誕生との関係」を、順を追って、できるだけかみ砕いて解説していきます。
読み終わるころには、雷や静電気の見え方が、きっと少し変わっているはずですよ。



そもそも「電気」って何のこと?

原子の最初の3つの電子殻を示す図

電子殻(原子核を取り巻く電子軌道の集まり)を示した図
原子核のまわりに配置された電子が外側の殻ほど動きやすく、他の原子へ移動したり流れたりすることで電気現象が生じる。

出典:MrScienceGuy / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より


 


まず最初に、ここだけはしっかり押さえておきましょう。
電気というと、発電所やコンセントを思い浮かべがちですが、本質はそこではありません。


電気=物質に含まれる電荷の働き


ここが出発点です。


もう少しかみ砕くと、こんな整理になります。


  • 電子陽子といった粒子が生まれつき持っている性質のひとつが「電気」
  • 電子が動くことで電流が生まれ、電荷がたまることで静電気が現れる


つまり電気は、あとから人間が付け足した仕組みではありません。 電気とは、モノの内部に最初から組み込まれている、きわめて基本的な性質なのです。


そう考えると、自然と次の疑問が浮かんできますよね。
電子や陽子があるから電気がある。


じゃあ、その電子や陽子って、いったいいつから存在しているんでしょうか。


ここから話は、一気にスケールアップします。
今回のテーマはまさにそこ。
電気の正体を突き詰めて、「宇宙のはじまり」との関係までさかのぼっていきます。


宇宙誕生と同時に「電気のもと」も誕生!

ビッグバンから現在までの宇宙進化タイムライン図

ビッグバンから現在までの宇宙進化タイムライン図
初期宇宙の高温期に電子が生まれ、対消滅を経て物質が残る流れを含む。
その後、電子が原子核と結びつくことで宇宙が透明化していく段階も示される。

出典:『History of the Universe EN』-Photo by Woudloper/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


実は、電気の起源を本気でたどっていくと、話は人類史どころか、 ビッグバン=宇宙の始まりにまで一気にさかのぼります。


スケール、いきなり最大級です。


整理すると、流れはこんな感じになります。


  1. 約138億年前、ビッグバンによって宇宙が誕生
  2. 直後の宇宙は、超高温・超高エネルギー状態となり、素粒子(クォークや電子など)が次々と生まれる
  3. その時点ですでに、電子はマイナスの電荷を、陽子はプラスの電荷を持って存在していた


ここが、とても重要なポイントです。


電気は、あとから宇宙に付け足された性質ではありません。電気の「性質」そのものが、宇宙の誕生と同時に生まれていたのです。


つまり、電気は発明されたものでも、途中で獲得された能力でもない。
電子という粒子そのものが、最初から電気を帯びた存在として登場しています。


言い換えるなら、電子は
「たまたま電気を持つようになった粒」ではなく、 電気を持つことを前提に生まれてきた粒子だった、というわけです。


雷も、静電気も、コンセントの電気も。
その根っこをたどっていくと、すべては宇宙が始まった瞬間につながっている。
そう考えると、「電気」という身近な存在が、急にとんでもなく壮大なものに見えてきませんか?


電気のふるまいが宇宙の構造をつくった!?

4つの基本的な力のうち電磁力を担う粒子も示した相互作用図

自然界の四つの力と粒子の対応関係
重力・電磁力・弱い力・強い力を、やり取りする粒子(ゲージ粒子)と一緒に整理した図。て電磁力とは、光子(γ)を媒介として、電荷をもつクォークや電子などの粒子同士を結びつけている相互作用である。

出典:『Fundamental Interactions』-Photo by ParticlesAndMath/Wikimedia Commons CC BY 4.0


 


そしてビッグバンのあと、 電気的な力(電磁力)は、宇宙の姿そのものを形づくる重要な役割を担っていきます。


宇宙が冷えていく過程で起こったのは、単なる粒子の集合ではありません。
「引き合う」「結びつく」という、はっきりとした力の働きでした。


  • 電子陽子が電気的に引き合い、水素原子が生まれる(電気の引力=クーロン力
  • その電磁力が、星や惑星の内部構造磁場、さらにはオーロラ現象にも深く関わっていく
  • つまり電気は、宇宙のルールそのものに組み込まれている力


ここで重要なのは、電磁力が「後から便利だから使われた力」ではないという点です。
原子ができる、物質が形を持つ、光が放たれる。
そのすべての段階で、電気的な力が当たり前のように働いています。


電気は、宇宙の中で物質が存在するための前提条件とも言える存在なのです。


実際、自然界に存在する4つの基本的な力のひとつが、この電磁力です。
重力・強い力・弱い力、そして電磁力。
この中で、私たちの日常と最も密接に関わっているのが、電磁力だとも言えるでしょう。


  • スイッチを入れて電気が流れる。
  • 磁石がくっつく。
  • 空にオーロラが揺れる。


それらはすべて、同じ電磁力の現れです。
電気は単なる道具やエネルギー源ではなく、 宇宙を動かし、形づくる根本的な力でもあるわけですね。


電気の起源ってのはよ、ビッグバンと同時に生まれた「宇宙の基本ルール」みてぇなもんだったんだぜ!スマホの充電だって、実は138億年の歴史の上に成り立ってると思うと、ちょっとロマン感じちまわねぇか?