磁場はなぜできるの?正体と仕組みを知っておこう

磁場の仕組み

磁場は磁石や電流の流れによって発生し、空間にベクトルとして分布する。電流の周囲に磁場が生じることはエルステッドの実験で発見された。磁力線は磁場の向きと強さを視覚的に表現する手段である。

磁場はなぜできるの?正体と仕組みを知っておこう

磁石が鉄を「ピタッ」と引き寄せたり、方位磁針が迷わず北を指し示したり。
私たちの身の回りには、磁場(じば)という不思議な力が、当たり前のように存在していますよね。


でも少し立ち止まって考えてみると


  • 「そもそも、どうしてそんな力が生まれるの?」
  • 「何も見えないのに、なぜ引っ張られるの?」


と、意外と説明できない人も多いかもしれません。


実は磁場の正体は、とてもシンプル。 電気が動くことで生まれる、目には見えない力の広がりなんです。


磁場は、特別な物質だけが持つ魔法ではなく、「電気の動き」によって自然に生まれる現象です。


  • 電線に電気を流すと、まわりに磁場ができる。
  • 電子がぐるぐる動いている場所には、必ず磁場が生まれる。


磁石も地球も、その延長線上にある存在なんですね。


このページでは、 磁場はなぜ生じるのかその正体は何なのか、そして私たちの生活とどう結びついているのかを、できるだけ身近な例を使いながら、噛み砕いて解説していきます。


「なんとなく不思議」だった磁場が、「ああ、そういうことか」と腑に落ちる。
そんな感覚を目指して、一緒に見ていきましょう。



そもそも磁場ってなんなの?

Magnetic field of horseshoe magnet

馬蹄形磁石と鉄粉
鉄粉が磁場の方向に沿って整列し、磁場の働く空間が可視化されている。

出典:Photo by Frank Eugene Austin / Public domainより


 


磁場という言葉、ちょっと難しそうに聞こえますが、考え方はとてもシンプルです。


磁場とは、ひとことで言えば 「磁石や電気のまわりに広がる、磁力が影響を及ぼす空間」のこと。


磁場は“力そのもの”ではなく、「力が作用できる範囲」を表す考え方なんです。


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「磁力が働く空間」が磁場!

たとえば磁石を机の上に置いて、そこに鉄をそっと近づけてみると──
触れる前なのに、スッと引き寄せられますよね。


これは、磁石の周囲に目には見えない磁場が広がっていて、鉄がその空間の中に入った瞬間、磁力の影響を受けるから。


つまり、磁石が急に力を出しているわけでも、鉄が自分から飛びついているわけでもありません。


ただ、そこに 磁力が働く“フィールド”が最初から存在している。
その中に入ったから、引っぱられる。
それだけのことなんですね。


見えないけれど、確かにそこにある。
それが、磁場という存在です!


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磁場ができる正体は「電流」だった!

Electromagnetism.svg

電流が作る磁場の模式図
直線導線に電流が流れると、その周囲に円形の磁場が形成される様子を示す図。右ねじの法則により磁場の方向が決定される。

出典:Title『Electromagnetism』-Image by Stannered / GNU Free Documentation License,Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より


 


磁場が生まれる理由を、思いきって一言で言ってしまいましょう。
答えはとてもシンプルで、「電気が動くこと」=電流があるからです。


電気がじっと止まっているだけなら、磁場は生まれません。
でも、電気が流れはじめた瞬間──
なぜかそのまわりに、磁力がふわっと広がる。


これは偶然でも気まぐれでもなく、物理の世界では揺るがない大前提
「電流があれば、必ず磁場ができる」という、絶対ルールなんです。


磁場の正体は、電気が動いた結果として自然に生まれる“力の広がり”なんですね。


ここで、身近な例をいくつか見てみましょう。


  • 電線に電流が流れると、その周囲に磁場が生じる
    ──これが電磁石の基本的な仕組みです
  • 地球に磁場がある理由は、地球内部で溶けた金属がグルグル動いているから
    ──その動きが巨大な電流を生み出しています
  • 太陽の磁場も同じ
    ──高温のプラズマが激しく動き、強力な電流が発生しています


スケールは違っても、やっていることは同じ。
電線も、地球も、太陽も、 「電気が動く → 磁場ができる」という流れから逃れられません。


こうして考えると、磁場は特別な存在ではなく、電気が動く場所なら、どこにでも現れるごく自然な現象。


目には見えないけれど、確かにそこに広がっている“力の空間”。
それが、磁場なんです。


原子レベルで見る磁場の仕組み

棒磁石がつくる磁場(磁力線)の可視化

棒磁石がつくる磁場(磁力線)の可視化
永久磁石は電流なしでも磁場を保ち、N極とS極を持つ。
周囲に広がる磁力線が、方位磁針の向きで見える形に表されている。

出典:『Bar magnet on compass board with field lines』-Photo by Chetvorno/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


では、永久磁石は電池も電線も使っていないのに、どうして最初から磁場を持っているのでしょうか?


答えは意外とシンプル。
これもやっぱり、原子の中で電子が動いているからなんです。


磁石になる物質の内部を、ぐっと小さくのぞいてみると──
そこでは電子たちが、じっと止まっているわけではありません。


  • 電子が原子の周りをぐるっと回る(公転)
  • 電子自身がコマのように回転する(スピン)


この二つの動き、実はどちらも電気が動いている状態
つまり原子の中では、目に見えないほど小さなミクロな電流が常に発生しているんです。


永久磁石の正体は、原子の中で生まれた小さな電流が、きれいに足並みをそろえている状態なんですね。


普通の物質では、電子の向きがバラバラで、磁力はお互いに打ち消し合います。


でも磁石になる物質では、このミクロな電流の向きが、同じ方向にそろいやすい。
すると、弱い磁力が足し合わさって、どんどん強くなっていきます


その結果──
物質全体として、しっかりした磁場を持つ。
これが、永久磁石です。


だから永久磁石も、決して「何もしていない存在」ではありません。 原子レベルでは、小さな電流が絶えず流れ続けている
その積み重ねが、あの「ピタッ」とくっつく力を生み出しているんですね。


磁場が作り出す不思議な力の世界

磁場が存在することで、私たちの暮らしの中では、じつにいろんな「便利」や「なるほど」が生まれています。
ふだんは意識しませんが、気づかないところで、磁場はしっかり働いているんですね。


まずは、代表的な例をまとめて見てみましょう。


  • 方位磁針がいつも北を指すのは、地球そのものが巨大な磁石だから
  • モーターや発電機が動くのは、磁場と電流が影響し合う性質を利用しているから
  • スマホやパソコンの記録装置(ハードディスク)は、磁場の向きで情報を保存している


こうして並べてみると、磁場が関わっていない日常のほうが、むしろ少ないくらいです。


磁場は見えないけれど、私たちの生活を根っこから支えている“縁の下の力持ち”なんです。


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方位磁針:地球そのものが巨大な磁石

方位磁針(磁気コンパス)の指針と目盛

方位磁針(磁気コンパス)
磁化した針が地球磁場にそろい、北の方向を指し示す。
見えない磁場を、針の回転という動きで読み取る道具。

出典:『Kompas Sofia』-Photo by Bios~commonswiki/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


方位磁針がいつも北を向くのは、偶然でも不思議パワーでもありません。
理由はとてもシンプルで、地球の内部で生まれている地球磁場に、針が素直に引っ張られているだけなんです。


地球の中心付近では、溶けた金属がゆっくり動き続けています。
その動きによって大きな電流が生まれ、結果として地球全体を包み込む磁場が形成されているんですね。


方位磁針は、その地球規模の磁場の流れを正直に示しているだけの存在です。


だから特別な操作をしなくても、置いただけでクルッと向きをそろえてくれる。
人間が何もしなくても、ちゃんと北を教えてくれるわけです。


つまり私たちは、気づかないうちに「地球サイズの巨大な磁石の上」で暮らしている、ということ。
そう思うと、いつもの方位磁針も、ちょっとスケールの大きな存在に見えてきますね。


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モーターと発電機:動きと電気をつなぐ仕掛け

分解された小型コアレスDCモーター

分解された小型コアレスDCモーター
コイルやシャフトが露出した状態で、磁場と電流で回転力を生む構造が見える。
磁場の作用を回転運動へ変換する仕組みの実物例。

出典:『Miniature Coreless DC Motor』-Photo by Avsararas/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


モーターの中で起きていることは、意外とシンプル。
ポイントは、電流 × 磁場という組み合わせです。


磁場のある空間に電流を流すと、電線やコイルが「ぐいっ」と押されるような力を受けます。
この力をうまく使って、くるくる回転させているのがモーターなんですね。


モーターは、電気の流れを回転という“動き”に変換する装置です。


だから、扇風機が回り、洗濯機が動き、エアコンや掃除機も元気に働いてくれる。
私たちの身近な家電の多くは、ここに支えられています。


一方で、発電機はその逆。
考え方をひっくり返すだけです。


磁場の中でコイルを動かすと、今度は動きが電気の流れに変わる
これが発電の基本的な仕組みです。


つまり──

  • モーターは「電気 → 動き」
  • 発電機は「動き → 電気」


動きと電気を行ったり来たりさせる、まさに縁結び役のような存在。
磁場がなければ、どちらも成り立たない重要な仕掛けなんですね。


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記録装置:情報を磁場で覚え込ませる

Magnetic stripe card - hotel key card

磁気ストライプ付きホテルキーカード
ホテルの客室キーとして使用される磁気ストライプカード。磁場を利用した情報の保存と読み取りの代表的な応用例で、裏面の黒い磁気ストライプに宿泊者の情報が記録されている。

出典:Title『Magnetic stripe card - hotel key card』-Photo by Jackie / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より


 


ハードディスクの中では、磁場の向きの違いを使って、情報を記録しています。


「向きがこちらなら0、反対なら1」
そんな感じで、磁場の状態をルール化して、データに変えているんですね。


ハードディスクは、磁場の向きを使って情報を“覚え込ませる”装置です。


中身をイメージすると、ものすごく小さな磁石が、気が遠くなるほど大量に並んでいる状態。
そこへ、決められた向きで磁力を書き込んでいきます。


しかもその一つ一つは、肉眼では見えないレベルの小ささ。
それでも向きはしっかり保たれ、電源を切っても情報が消えない。


目には見えない磁場が、写真も動画も文章も、ぜんぶ静かに抱え込んでいる
そう考えると、記録装置の中は、なかなかロマンのある世界ですね。


磁場は派手に主張しない存在ですが、方位磁針から電気製品まで、私たちの生活を静かに支え続けています。見えないからこそ、その働きを知ると世界の見え方が少し変わってきますね。


磁場ができる正体っつったらよ、「電気(電流)の動き」が作り出す“見えねぇ力の空間”だったんだぜ!電子の動きから地球の中の電流まで、磁場がこんなに身近なもんだなんて驚きだろ?これからはちょっとした磁石やモーターにも、磁場の不思議をビシッと感じてみろよ!