雷は積乱雲以外では発生しないの?

積乱雲以外での雷発生

基本的に雷は積乱雲で起こるが、火山噴火や雪嵐などの中でも類似の電荷分離が起これば雷が発生することがある。これらは「火山雷」や「雪雷」と呼ばれる特殊な現象である。強い対流や粒子の衝突が共通の要因となっている。

雷は積乱雲以外では発生しないの?

雷と聞くと、夏の空にモクモクと立ち上がる積乱雲(せきらんうん)から、ドカーン!と落ちる稲妻──
そんな王道イメージ、ありますよね。


実際、多くの人が思い浮かべる「雷=夏の夕立」は、この積乱雲が主役になっています。


でも、ここでふと湧いてくる疑問。


「じゃあ、積乱雲じゃない雲から雷が鳴ることって、本当にないの?」


という点です。
ちょっと気になりますよね。


結論から言うと、 雷はほぼ例外なく、積乱雲で発生します。
この点は、気象学的にもかなりハッキリしています。


ただし。
「ほぼ」と言った以上、例外はあるということ。


自然現象って、いつも教科書どおりに振る舞ってくれるわけじゃないんですよね。
条件が特殊にそろうと、 積乱雲っぽく見えない状況でも雷が確認されるケースが、ごくまれにあります。


つまり、 雷は基本的に積乱雲専用の現象だけれど、自然はたまに想定外の一手を打ってくるというわけです。


このページでは、なぜ雷がここまで積乱雲とセットなのかという理由と、それでもなお起こり得る例外的な雷について、順を追ってわかりやすく紹介していきます。


「雷って、そんなに雲を選り好みするの?」
そんな軽い疑問を持った方にこそ、ぜひ読んでほしい内容です。



「雷=積乱雲のしわざ」は基本ルール

積乱雲の電荷分布と放電を示す模式図

積乱雲の電荷分布と放電を示す模式図
積乱雲の内部では、プラスとマイナスの電荷がはっきり分かれて分布している。上部には主にプラス、下部にはマイナスがたまり、その差が大きくなりすぎると、均衡を取ろうとして放電が発生する。

出典:『Distribuicao de cargas em cumulonimbus 01』-Photo by WOtP/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


まずは基本から、ゆっくりおさらいしていきましょう。
雷の話をするとき、いちばん大事なポイントはここです。


雷のエネルギー源は「激しい上昇気流」


空気が下から上へ、しかも一気に持ち上げられることで、雲の中にとてつもないエネルギーがたまっていきます。


そして、その強烈な上昇気流を安定してバリバリ生み出せる存在。
やっぱり主役は積乱雲なんですね。


積乱雲の中では、見た目のふわふわ感とは裏腹に、かなりハードな出来事が同時進行しています。


  • 氷の粒が上へ下へと運ばれ、ぶつかりまくる
  • その衝突で静電気がどんどんたまる
  • プラスとマイナスの電気がはっきり分離する


この一連の流れが成立して、はじめて「雷を起こせる状態」になるわけです。


逆に言えば、 この条件がそろわない雲では、雷はほぼ発生しません。
上昇気流が弱かったり、氷の粒が十分に動けなかったりすると、電気はたまらないまま終わってしまいます。


つまり、 雷が発生するためには、積乱雲レベルの激しい環境がどうしても必要
ということなんです。


だからこそ、「雷=積乱雲」というイメージが、ここまで定番になっているんですね。


例外的に「積乱雲じゃない」ケースも!

ここまで読んでいただくと、「雷=積乱雲」という関係が、かなりガッチリしているのが分かってきたと思います。


ただし。
自然界には、たまに想定外の条件がそろうこともあります。


ごくごく例外的にですが、 積乱雲が関与していないのに、雷っぽい放電が起きるケースも存在します。


代表例として挙げられるのが、こちら。


  • 火山雷(火山噴煙)
  • 砂嵐・雪嵐の放電(かなり稀)
  • 核実験や大規模爆発(自然界ではない)


いずれも、日常で見る雷とは性格がかなり違う、いわば「特別ルール枠」の現象です。


以下、それぞれどんな仕組みなのかを見ていきましょう。


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火山雷:噴煙が積乱雲みたいな役割をする

噴煙内で放電する火山雷

噴煙内で放電する火山雷
火山灰の粒子が衝突して帯電し、電荷が上下に分かれる。
乾燥摩擦や破砕帯電に加え、氷晶の生成も放電を強める。

出典:『Taal Lightning Strike During Eruption (retouched)』-Photo by Etrhamjr (retouch Hike395)/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


火山の大噴火の映像で、モクモクの噴煙の中を稲妻が走るシーン、見たことありませんか?


あれが火山雷です。


火山噴煙の中では、火山灰や岩の粒子が激しくぶつかり合い、結果として大量の静電気が発生します。


さらに、上昇流も非常に強烈。
このため、条件だけを見ると 「積乱雲の中身だけ再現した状態」になっているんですね。


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砂嵐・雪嵐の放電:粒子衝突が極端な場合

オンタリオ上空で観測された雷雪(サンダースノー)の衛星画像

オンタリオ上空で観測された雷雪(サンダースノー)
雪雲内で雪結晶・霰が衝突して帯電し、電荷分離が進むと放電が起きる。
強い上昇気流と氷粒子の成長が、冬の雷を引き起こす。

出典:『Lake Effect Thundersnow Over Ontario (CIRA 2025-11-17)』-Photo by CSU/CIRA & NOAA/Wikimedia Commons Public domain


 


砂嵐や猛吹雪の中でも、理論上は放電が起こり得ます。


砂粒や雪の結晶が激しく舞い、ぶつかり合い続けることで、静電気が蓄積されるからです。


ただし、上昇気流の規模や持続時間が足りないことが多く、 実際に観測される例はかなりレア
「あるにはあるけど、ほとんど見ない」タイプですね。


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核実験や大規模爆発:自然現象ではない雷


核実験や巨大爆発の直後にも、雷のような放電が観測されることがあります。


これは、爆発によって一瞬で超強力な上昇流と粒子衝突が発生するため。


ただし、これは明確に人工的な現象
気象としての雷とは、扱いが別になります。


 


つまり、 積乱雲以外の雷は「例外中の例外」で、条件を無理やりそろえた特殊ケース
という位置づけになります。


だからこそ、私たちが日常で遭遇する雷については、 「ほぼ積乱雲由来」と考えてまったく問題ないんですね。


雷は「雲の種類」ではなく条件の問題で起きる

まとめに入りましょう。
ここまでの話を整理すると、ポイントはこのあたりです。


  • 自然界で観測される雷の99%以上は、積乱雲が発生源
  • 雷が生まれるには、巨大な立体構造激しい粒子運動が欠かせない
  • 積乱雲以外で起きる雷は、その条件を無理やり満たした例外的な現象


こうして並べてみると、「なぜ雷=積乱雲なのか」が、かなりハッキリしてきますよね。


大事なのは、雷が特定の雲の“名前”にくっついている現象ではない、という点。


「雲の種類」そのものではなく、「条件がそろったかどうか」で起きる現象


なんです。


積乱雲は、その条件を自然界でもっとも安定して満たせる存在
だから結果として、雷のほとんどが積乱雲から発生する、というわけですね。


この大前提を押さえておくと、雷の仕組みや例外ケースの話も、ぐっと理解しやすくなりますよ。


フッ…オレ様が本気出すのは、やっぱり積乱雲の中よ!アイツん中は、まさに電気の修羅場よォ!けどな、火山とか雪雲とか…たま〜に他の舞台でも現れることはあるぜ?でもまぁ、主戦場はモクモクの積乱雲!そこがオレのホームグラウンドよッ!