電波はなぜ伝わるの?情報伝達の仕組み

電波の仕組み

電波は電場と磁場が交互に変化しながら空間を伝わる電磁波の一種である。発信機から空間中に放射され、受信機でその変化を捉えて情報として利用する。周波数や波長によって性質や用途が変わる。

電波はなぜ伝わるの?情報伝達の仕組み

スマホで友達にメッセージを送ると、少し待つだけで「ピロン♪」と返事が届く。
テレビをつければ、離れた場所で起きている出来事がリアルタイムで映し出される。


こうした体験、あまりにも日常すぎて意識しないかもしれませんが、よく考えると、ちょっと不思議ですよね。


空気中を、音も立てずに移動して、しかもちゃんと意味を持った情報として届く


この“当たり前”を支えているのが、 電波による情報伝達です。


でも、ここでふと疑問が浮かびます。 目に見えない電波が、どうやって文字や音や映像の情報を背負って、遠くまで正確に届いているのか


ただ飛んでいるだけでは、「意味のある情報」にはなりませんよね。
そこには、電波がもつ波としての性質と、それを巧みに扱うアンテナ・変調・復調といった仕組みが関わっています。


電波は、ただ飛んでいるのではなく、「情報をのせて運ぶ」ように設計されているのです。


このページでは、 電波がどうやって情報をのせ、どうやって相手に届けているのかを、できるだけ感覚的に、かみ砕いて解説していきます。


「なんとなく使っていた電波」が、少しだけ立体的に見えてくる。
そんなところを目指して、順番に見ていきましょう。



電波の正体ってなに?

ダイポールアンテナの放射アニメーション

電波放射のアニメーション
交流電流を受けたアンテナが電場のループを形成し、電波を放射する様子

出典: Photo by Chetvorno / CC0 1.0より


 


まずは、いちばん大事な基本から。
電波とは何者なのか、ここを押さえておきましょう。


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空間の波!

電波は、 電気と磁気のふるえが、空間を伝わっていく「波」です。
何か粒が飛んでいるわけではなく、ふるえそのものが、スーッと広がっていくイメージ。


海の波を思い浮かべてみてください。
水そのものが遠くまで移動するというより、 波の形が次々と伝わっていく感じですよね。
電波も、それとよく似た性質を持っています。


しかも電波は、 空気がなくても進めるのが大きな特徴。
真空の宇宙空間でも伝わるので、人工衛星や宇宙探査でも大活躍しています。


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電磁波の仲間!

そしてもうひとつ重要なのが、電波の正体は、 光やX線と同じ「電磁波」の仲間だということ。


電磁波には、波の細かさや速さを表す周波数という違いがあります。
その中で、 特定の周波数帯にあたるものを、私たちは「電波」と呼んでいるんですね。


 


まとめると電波は、波として空間を進みながら、エネルギーと情報を一緒に運べる存在です。


つまり、電波が遠くまで届くのは、「見えない何かが飛んでいる」からではなく、 波という性質そのものが、伝わる力を持っているから。


この波が空気中を飛び回りながら、音や文字、映像といった「データ」を背負って移動する。
それが、電波通信の出発点なんです。


次は、この波にどうやって情報を乗せているのか。
そこをもう一段、のぞいていきましょう。


どうやって情報を電波にのせるの?

データ信号と搬送波を重ねる変調の波形

データ信号と搬送波を重ねる変調の波形
低周波のデータ信号を、そのまま電波にすると飛びにくい。
そこで高周波の搬送波に「形の変化」として情報を載せる。
例では振幅を変えて、包絡線がデータ信号の形になる。

出典:『Amplitude-modulation』-Photo by MikeRun / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


電波は、そのままだと
ただの「規則正しく揺れている波」。
これだけでは、文字も音も伝えられません。


そこで登場するのが、 変調(へんちょう)という、ちょっとした工夫です。


変調とは、 音声や画像といったデータを、波の性質の変化として表現する技術。
言い換えると、「波の揺れ方に意味を持たせる」作業ですね。


具体的には、電波が持つ次のような要素を変化させます。


  • AM放送:波の高さ(振幅)を変えて音声をのせる
  • FM放送:波の速さ(周波数)を変えて音声をのせる
  • デジタル通信(スマホ・Wi-Fi):0と1を組み合わせ、より複雑な変調を行う


AMは、声が大きいほど波が高くなるイメージ。
FMは、声に合わせて波のピッチが細かく変わる感じです。


そしてスマホやWi-Fiのようなデジタル通信では、音や映像をいったん0と1の数字に変換し、それを波の変化として高速で送り出します。
ここが、一気に情報量を増やせるポイント。


電波は、ただ飛んでいるのではなく、「情報のパターンを刻み込まれた波」になっています。


だから受信側では、その揺れ方を読み取るだけで、元の音声や画像を再現できる。


電波通信の正体は、波を使った、超高速な「符号のやり取り」。
そう考えると、ぐっとイメージしやすくなりますね。


どうやって情報を受け取るの?

電波から音声を取り出す受信機ブロック図

電波から音声を取り出す受信機ブロック図
アンテナで受けた電波は、同調回路で狙いの周波数だけを選び出す。
次に検波(復調)で搬送波から音声の波形だけを取り出す。
最後に音声増幅で信号を大きくしてスピーカーへ送る。

出典:『Tuned radio frequency (TRF) receiver block diagram 2』-Photo by Chetvorno/Wikimedia Commons CC0


 


送り出された電波は、まず受信側のアンテナでキャッチされます。
ここまでは、「波をつかまえた」だけの状態。


この時点ではまだ、意味のある音や映像ではありません。
あくまで、 情報が刻み込まれた波の信号です。


そこで活躍するのが、 復調(ふくちょう)という工程。


復調とは、 変調によって波に埋め込まれた情報を、元の形に戻す作業のこと。
波の高さや速さ、あるいは0と1の並びを読み取り、「これは音」「これは映像」と解析していきます。


復調は、波の中に隠れている意味を、もう一度取り出す作業です。


たとえばスマホの場合。
アンテナで受け取った電波を、内部の回路が高速で解析し、データを音声や画像の情報へ変換。


その結果、画面には写真が表示され、スピーカーから声が聞こえてくる。
私たちはただ「届いた」と感じますが、裏側ではかなり高度な処理が行われています。


 


送信側で変調して、受信側で復調する。
このセットがあるからこそ、電波はただの波ではなく、 意味のある情報の運び手として機能しているんですね。


こうして見ると、電波通信は
「波に書いたメッセージを、遠くで読み解く仕組み」。
そう考えると、ちょっとロマンを感じませんか?


電波ってのはよ、波のカタチを工夫して情報をのせ、アンテナと機械でそれを読み取ってるんだぜ!ただの「空を飛ぶ電気の波」じゃねぇ、ちゃんと中身が詰まってるって思うと、スマホの通知ひとつでも感動モンだよな!