

ナトリウムイオン電池は、ここ数年で一気に話題になりましたが、「じゃあ誰が発明したの?」と聞かれると、少し答えがややこしい電池でもあります。
というのも、ナトリウムイオン電池はある日突然ひとりの発明家が完成させた、というタイプの技術ではないからです。研究の積み重ねの中で、少しずつ形になってきた電池なのです。
ここでは、ナトリウムイオン電池の歴史と、どんな研究者たちが関わってきたのかを整理していきます。
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ナトリウムを使う電池の歴史は、実はかなり古いです。
19世紀後半には、ナトリウムを使った電気化学反応の研究が始まっていました。ただし、この時代はまだ実用的な充電式電池というより、基礎的な化学実験の段階でした。
その後、20世紀に入ると、ナトリウムを使ったナトリウム硫黄電池(NAS電池)などが研究されるようになります。これは高温で動作する別タイプの電池です。
──つまり、ナトリウムを使う電池そのものは、決して新しい発想ではないのです。
現在注目されているナトリウムイオン電池は、「イオンが行き来する充電式電池」という仕組みです。
この考え方は、リチウムイオン電池の成功をきっかけに発展しました。
ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池の発想を応用して生まれた技術なのです。
本格的なナトリウムイオン電池の研究が活発になったのは、1980年代以降です。
ちょうどリチウムイオン電池の研究が進んでいた時期で、「ナトリウムでも同じ仕組みが使えるのではないか」と考えられるようになりました。
ただし、ナトリウムはリチウムよりイオンが大きく、材料設計が難しいという課題がありました。そのため研究は進みつつも、長い間“影の存在”でした。
──この時期は、まだ「主役」にはなれなかったのです。
ナトリウムイオン電池には、特定の一人の発明者がいるわけではありません。
世界中の大学や研究機関の研究者が、正極材料や負極材料、電解質の改良を積み重ねてきました。
ナトリウムイオン電池は“ひとりの発明”ではなく、“共同研究の成果”なのです。
では、なぜ最近になって急に注目されたのでしょうか。
理由のひとつは、リチウム資源の価格高騰や供給不安です。電気自動車の普及により、リチウム需要が急増しました。
そこで「資源が豊富なナトリウムに目を向けよう」という動きが強まったのです。
──社会的な背景が、再びナトリウムに光を当てました。
2010年代後半から2020年代にかけて、材料技術が進歩し、実証や量産の動きが出てきました。
現在は、特定の国や企業が量産を始める段階に入っています。
歴史は長いが、実用化の波はまさに今なのです。
ここまで、ナトリウムイオン電池の歴史と発明者について整理してきました。
まとめると──
──以上3点が、歴史のポイントです。
ナトリウムイオン電池は、突然現れた新技術ではありません。長い研究の積み重ねの上に成り立つ電池なのです。そう考えると、今の注目も決して偶然ではないことが分かりますね。
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