二次電池の内部抵抗:等価回路とSOCの考え方も整理

二次電池の内部抵抗

内部抵抗とは電池内部で電流の流れを妨げる抵抗成分をまとめた概念だ。電池は理想的な電圧源ではなく、内部抵抗を含む等価回路として考えることで挙動を理解しやすくなる。SOCなどの状態指標とあわせて評価することで電池性能を把握できるといえる。

二次電池の内部抵抗:等価回路とSOCの考え方も整理

スマホの電池残量がまだ50%あるのに、急に電源が落ちた──そんな経験はありませんか。
この背景にあるのが二次電池の内部抵抗です。電池は理想的な電圧源ではなく、内部に“抵抗成分”を持っています。


しかも、この内部抵抗はSOC(State of Charge:充電状態)とも深く関係しています。今回は、等価回路の考え方も含めて整理していきましょう。



内部抵抗とは何か

内部抵抗とは、電池内部で電流の流れを妨げる要素のことです。正極・負極・電解質・集電体など、すべての材料がわずかな抵抗を持っています。


電圧降下の正体

電流が流れると、オームの法則により


  • V=I×Rの電圧降下が生じる。
  • 端子電圧が低下する。
  • 発熱が発生する。


──こうした現象が起こります。


つまり、内部抵抗が大きいほど、同じ電流でも電圧が下がりやすくなるのです。


内部抵抗は、電流による電圧降下と発熱の原因になります!


等価回路で考えるとどうなる?

電池を解析するとき、よく使われるのが等価回路の考え方です。


基本のモデル

もっとも単純なモデルでは、


  • 理想電圧源(起電力)。
  • 直列に入った内部抵抗。


──この2つで表現します。


つまり、「理想的な電圧を出す電源+内部抵抗」という形です。


実際にはさらに、


  • 電極反応を表す抵抗成分。
  • 拡散遅れを表すRC回路。


などを組み合わせたモデルが使われます。これをRC等価回路モデルと呼びます。


電池は「理想電圧源+内部抵抗」で表せます!


内部抵抗の内訳:3つの成分

内部抵抗は1種類ではありません。主に次の3つに分けられます。


  • オーム抵抗(材料そのものの抵抗)。
  • 電荷移動抵抗(電極反応の抵抗)。
  • 拡散抵抗(イオン移動の遅れ)。


──これらが合わさって、総内部抵抗になります。


電流が大きいほど、これらの影響が強く表れます。


内部抵抗は、材料・反応・拡散の3要素から成ります!


SOC(充電状態)との関係

ここが重要です。内部抵抗は一定ではなく、SOCによって変化します。


SOCとは?

SOC(State of Charge)は、電池にどれだけエネルギーが残っているかを示す指標です。0%は空、100%は満充電という意味です。


  • SOCが高いと内部抵抗は低め。
  • SOCが低くなると内部抵抗が増加。
  • 極端な低SOCでは急激に上昇。


──この変化が、残量があるのに電圧が急に落ちる原因になります。


なぜSOCで変わるのか

SOCが低いと、電極材料中の反応物が減少します。イオン移動や電荷移動がスムーズに進まなくなり、抵抗成分が増えるのです。


その結果、


  • 同じ電流でも電圧降下が大きくなる。
  • 端子電圧が急低下する。
  • 機器が停止する。


──こうした現象が起こります。


SOCが低下すると、内部抵抗は増加します!


劣化との関係

さらに、充放電の繰り返しや時間経過によっても内部抵抗は増加します。


  • 電極表面の劣化。
  • 電解質の分解。
  • SEI膜の厚み増加。


──これらが原因で内部抵抗が高まり、出力性能が低下します。


劣化が進むと、内部抵抗は徐々に大きくなります!


 


ここまで、二次電池の内部抵抗と等価回路、SOCとの関係を整理してきました。


まとめると──


  1. 電池は理想電圧源+内部抵抗で表せる。
  2. 内部抵抗は材料・反応・拡散の成分で構成される。
  3. SOCや劣化によって内部抵抗は変化する。


──以上3点が理解の軸です。


そして大切なのは、電池は“理想的な電圧源ではない”ということです。 内部抵抗の存在とSOC依存性を理解すると、電圧低下や出力制限の理由が見えてきます。
電池のふるまいを回路として考えることが、性能理解への近道なのですね。