「圧電効果」から超音波が生まれるワケ

圧電効果と超音波

超音波機器では、圧電素子に電圧を加えて振動させ、空気中に音波を発生させる。反射して戻ってきた音波は再び素子で電気信号に変換される。これにより距離測定や画像診断が可能になる。

「圧電効果」から超音波が生まれるワケ

「超音波」と聞くと、医療の検査や、ちょっと不思議なハイテク技術を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。


でも実はその正体、とても小さな「ふるえ」から生まれています。


そのカギを握っているのが、 「圧電効果」という現象。


電気を流すと、ものすごく細かく動く。
その動きが積み重なって、人の耳では聞こえない音──
超音波へと変わっていくんです。


ここでは、もう少し詳しく圧電効果がどうやって超音波を生み出すのか。
順を追って、見ていきましょう。



電気を流すととても細かくふるえる

圧電素子が振動して超音波を生む仕組み図

圧電素子が振動して超音波を生む仕組み図
圧電素子に電圧 𝑉 を加えると、内部の分極 𝑃が変化し、材料が伸び縮みする(逆圧電効果)ことを示している。 その伸縮が矢印で示された機械的振動(M)となって外部に伝わり、結果として超音波(周期的な波)が発生する仕組み。

出典:『P-M omzetter』-Photo by Paulus 2/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


圧電効果のいちばんの特徴。
それは、電気を流すだけで、材料そのものが動き出すという点です。


見た目には、ほとんど変化がありません。
目を凝らしても、まず気づけないレベル。


でも実際には、ほんのわずかに、たしかに動いています。
「気づかれない動き」。
それでも、この動きが重要なのです。


この小さな変化こそが、あとで登場する
超音波のスタート地点。
すべては、ここから始まります。


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圧電素子は電気で動く

圧電素子と呼ばれる材料は、電気が流れると、ギュッと縮んだり、スッと伸びたりします。


ポイントは、外から力を加えていないこと。 電気だけで形が変わる
これが、圧電効果の基本です。


なんだか魔法みたいですが、れっきとした物理現象。
しかも反応はとても正直で、電気が強くなれば、動きも少し大きくなる。


「電気の指示に、きちんと従う材料」。
そんなイメージを持つと、理解しやすいかもしれません。


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目に見えない速さで伸び縮みする

この伸び縮み、動きそのものは小さいですが、スピードが桁違いです。


人の目で追えるような、ゆっくりした動きではありません。 目に見えないほど高速で、伸びて、縮んで、また伸びて。


これを、一度や二度ではなく、何度も何度も繰り返します。
止まらない往復運動。
まさに、ミクロな世界の大忙しです。


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このふるえが音のもとになる

物がふるえると、その周りにある空気も、いっしょに押されたり、引き戻されたりします。


その押し引きが、波のように伝わっていく。
これが、音の正体です。


圧電素子の細かなふるえが、空気を揺らし、音を生み出している
ここは、ぜひ押さえておきたいポイント。


目に見えない動きでも、空気を揺らせば、ちゃんと音になる。
超音波も、この延長線上にあるのです。


電気で生まれた小さなふるえが、すべての音の出発点になっているのです!


ふるえの速さが超音波になる

音になるかどうか。
その分かれ道は、ふるえの「速さ」にあります。


ゆっくりしたふるえなら、低い音。
テンポが上がるほど、音はだんだん高くなっていきます。


この関係、実はとてもシンプル。
そして、圧電素子の場合は──
その速さが、とにかくケタ違いなんです。


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人には聞こえないほど高い音

人の耳には、聞き取れる範囲があります。


一般的には、 約2万ヘルツまで。
それより高くなると、音は鳴っていても、もう聞こえません。


圧電素子が生み出すふるえは、この「聞こえる上限」を、あっさり超えてきます。


つまり、音はある。
でも、人の耳ではキャッチできない。
ここが、超音波の入口です。


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1秒に何万回もふるえる

圧電素子の動きは、とても忙しい。


なんと、 1秒間に数万回というペースで、

  1. 伸びて、
  2. 縮んで、
  3. また伸びる。


この超高速な往復運動が、そのまま音の高さに直結します。


ふるえが速い。
だから、音も高い。
その結果として生まれるのが、超音波なのです。


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速すぎて音として感じられない

ここで大事なのは、超音波は「音がない」のではない、という点。


音自体は、ちゃんと出ています。
ただ、 人の感覚が追いつかないだけです。


聞こえないだけで、超音波も立派な「音」
この考え方を押さえておくと、なぜ超音波が役に立つのか。
その理由が、ぐっと見えやすくなります。


ふるえの速さが限界を超えると、音は超音波へと姿を変えるのです!


超音波はさまざまな場面で使われる

超音波エコー検査の実施風景(プローブで患部を走査)

超音波エコー検査の実施風景
探触子(プローブ)内部の圧電素子が電気を超音波に変換して体内へ送る。
戻ってきた反射波を再び電気信号へ変えて、断層画像として表示する。
電気↔振動の往復変換が、医療・測定機器の中核になっている。

出典:『Medical ultrasound examination』-Photo by Christopher Hubenthal/Wikimedia Commons Public domain


 


人には聞こえない音。
でも、「聞こえない=役に立たない」
というわけではありません。


むしろ逆。
超音波は、その見えない性質を武器にして、さまざまな分野で活躍しています。


静かだけれど、しっかり働く。
そんな縁の下の力持ちです。


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医療の検査で使われる

もっとも身近なのが、超音波検査でしょう。


体の中に向けて音を送り、返ってくる反射を読み取ることで、内臓の状態や、お腹の中の赤ちゃんの様子を確認できます。


ここで重要なのが、 放射線を使わないという点。
体への負担が少なく、繰り返し検査できる。
この安心感が、医療現場で重宝される理由です。


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距離や形を調べられる

超音波は、「どれくらい離れているか」を測るのも得意です。


音を出して、戻ってくるまでの時間を測る。
そのわずかな差から、距離や形を割り出します。


この仕組みは、工場のセンサーや、 水深の測定などでも活躍中。
目で見えない場所でも、超音波なら、ちゃんと情報を持ち帰ってくれるのです。


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洗浄や加工にも役立つ

もうひとつ、見逃せないのが、超音波洗浄


液体の中で超音波を発生させると、目に見えないほど小さな泡が生まれます。
その泡がはじけるときの力で、細かな汚れを、やさしく、でも確実にはがしてくれます。


精密部品の洗浄や、加工のサポート。
人の手では難しい作業も、超音波なら、黙々とこなしてくれるんです。


超音波は「聞こえない」からこそ、活躍の場が広がっている
この視点を持つと、技術の見え方が、少し変わってきます。


超音波は静かでも、医療から工業まで幅広い現場で力を発揮しています!


 


圧電効果は、電気を「ふるえ」に変える仕組み。


そのふるえが、とても速くなることで、人には聞こえない超音波が生まれます。


超音波の正体は、圧電効果が生み出す超高速のふるえ
この基本を知っておくだけで、医療や工業の技術が、ぐっと身近に見えてきますよ。


圧電効果から超音波が生まれるのはよ、「電気を流して振動させると、その揺れが空気を伝わって音になる」からなんだぜ!しかもその音が超高速の超音波になるから、医療や日常生活で大活躍してるってわけだ、よく覚えとけよ!