デンキウナギ発電の仕組み

デンキウナギ発電の仕組み

デンキウナギは電気器官内の多数の発電細胞を直列につなげることで、高電圧を発生させる。脳からの指令でイオンの流れを制御し、瞬間的に600V以上の電気を出すことができる。これは主に獲物の捕獲や自己防衛に利用される。

デンキウナギ発電の仕組み

スマホも電車も、動くには「電気」が必要。でも、もしも自分の体の中で電気を生み出せたら…?実はそんな夢のようなことを、自然界で本当にやってのける生き物がいるんです。


それがデンキウナギ(電気鰻)


南米の川に住むこの生き物、見た目はただの長い魚。でもその体のほとんどが発電所みたいな器官でできてるって知ってましたか?このページでは、そんなデンキウナギがどうやって電気を発生させてるのか、その驚きの仕組みをわかりやすくかみ砕いて解説していきます!



デンキウナギの正体とは?

Electric eel (cropped)

デンキウナギ
電気を発する能力を持つ淡水魚で、南米のアマゾン川流域に生息

出典:Title『Electric-eel』-Photo by Steven G. Johnson /GNU Free Documentation License, Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より


デンキウナギは、名前に「ウナギ」とついてますが、実はナマズの仲間なんです。南米のアマゾン川流域などに生息し、体長は2メートル以上にもなる大型の淡水魚


そして最大の特徴は、体のほとんどが発電器官(電気を作る臓器)で占められているということ!なんと心臓や胃などはほんの少し、残りはほぼ電気を作るためのパーツなんです。


発電のカギは「電気板(エレクトロプレート)」

デンキウナギの発電器官の中には、電気板(エレクトロプレート)と呼ばれる細胞がずら〜っと並んでいます。


  • 1つ1つの電気板は、ナトリウムイオンカリウムイオンの移動によってわずかな電位差を作る
  • この電気板が約6000枚以上も直列に並んでいるため、電圧が合計で高くなる
  • 脳からの命令で一斉に放電されると、バチッ!と強烈な電気ショックが発生!


この仕組み、なんと乾電池を何千本も直列に並べて一気にスイッチを入れるようなものなんです。


どれくらいの電気が出るの?

デンキウナギが放つ電気、実は以下のようにめちゃくちゃ強力かつ実用的なんです。


  • 電圧:最大で600〜860ボルト!家庭用コンセント(100V)の何倍も!
  • 電流:瞬間的に1アンペア以上流れることもあるので、しっかり感電レベル!
  • 用途獲物を気絶させたり、外敵を撃退したり、自分の位置を把握する微弱電気(レーダー)としても活用


ちなみに、強い電気と弱い電気を使い分けているという点でも、かなり頭の良い発電方法なんです。


デンキウナギって、まさに「体全体が電池みたいな生き物」なんです!自然界には、こんなにも巧みに電気を操る存在がいるなんてビックリ。電気のことを学ぶヒント、実は生き物の中にもたくさん隠れてるんですね♪