

電場と磁場。
どちらも目には見えない「力の空間」ですが、中身はけっこう違います。
たとえば──
磁石が鉄をグッと引き寄せる力。
これは磁場(じば)のはたらき。
一方で、冬に静電気が起きて、髪の毛がパチッと逆立つあの感じ。
あれは電場(でんば)のはたらきです。
どちらも「触れていないのに力が働く」という点では似ていますよね。
でも、 磁場と電場は、生まれる理由も、得意な仕事もまったく別物なんです。
名前が似ているせいで、なんとなく同じ仲間っぽく見えがちですが、実際には
「何が原因で生まれるのか」
「何に作用するのか」
そのルールが大きく違います。
磁場は、磁石や電流が作り出す空間の性質。
電場は、電気のプラス・マイナス、つまり電荷が作り出す空間の性質。
このページでは、 磁場と電場の違いを軸にしながら、それぞれの特徴や、「どんな場面で登場するのか」を、かみ砕いて整理していきます。
読み終わるころには、「電場と磁場、名前が似てるだけだったんだな」
そうスッと整理できるはずですよ。
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電場が作る磁場の模式図
導線内の電場によって電流 I が流れると、その周囲に円状の磁場 B が生まれることを示している。電場が電子を動かし、その動き(電流)が結果として磁場を発生させている、という関係。
まずは、それぞれの「場」について、ここでサクッと復習しておきましょう。
電場も磁場も、どちらも目には見えません。
でも、「何があると生まれるのか」を押さえると、ぐっと整理しやすくなります。
ここでのポイントは、「何が原因で生まれるか」が違うという点です。
もう少しかみ砕いて言うと──
電場は「電気そのもの」、磁場は「磁石や動く電気」に反応する場、そんなイメージでつかんでおくと分かりやすいです。
似た言葉でも、生まれるきっかけが違えば、働き方や得意分野も変わってきます。
ここまでが、基本の整理。
次の章では、この違いが実際の現象でどう表れるのかを、もう一段深く掘り下げていきましょう。
それぞれの定義が整理できたところで、ここからは「じゃあ何がどう違うの?」を、あらためて確認していきましょう。
名前は似ていますが、生まれ方も、働き方も、ちゃんと個性があります。
まず注目したいのが、どんな条件で場が生まれるのかという点です。
電場は「あるだけ」で生まれ、磁場は「動いてはじめて」生まれる。
ここが、ふたつの場を分ける最大のポイントです。
言い換えると、磁場は電気の動きがあってこそ存在できる場。
この条件の厳しさが、電場との決定的な違いなんですね。
次に見ておきたいのが、それぞれの場が、物にどう働きかけるかです。
電場は「電気を持つもの」に、磁場は「磁石や金属・電流」に効く。
この得意分野の違いも、しっかり押さえておきたいところです。
さらに磁場には、 電流の向きを変えたり、回転運動を生み出したりと、「動き」に直接関わる役割があります。
モーターが回るのも、磁場が電流に力を及ぼしているから。
この点でも、電場とはひと味違う性格を持っているんですね。
こうして比べてみると、磁場と電場は似ているようで、役割分担がかなりはっきりした存在だと分かってきますね!

電場と磁場が直交して進む電磁波
電気と磁気の変化が連動し、光速で空間へ伝わる波を示す。
電場Eと磁場Bは互いに直角で、進行方向にも直交する。
出典:『Electromagnetic wave EN』-Photo by Piotr Fita/Wikimedia Commons CC0 1.0
電場、 磁場……。
電……磁……。
合わせると── 電磁。
「あれ?」
「もしかして……」
そう思った人、かなり鋭いです。
はい、その直感どおり。電場と磁場の話は、「電磁波」としっかりつながっています。
これまで見てきたように、電場と磁場は別々の存在。
でも同時に、 深く結びついた相棒でもありました。
電気が動くと磁場が生まれ、磁場が変わると電気が生まれる。
この「行ったり来たり」の関係、どこか見覚えありませんか?
実はこのやり取りが、ある条件を満たすと── 空間を伝わって進んでいく現象になります。
それが、 電磁波。
光、電波、X線、Wi-Fi。
全部この仲間です。
つまり電磁波は、まったく別の新キャラではなく、 電場と磁場がタッグを組んで、空間を進んでいく姿だと考えると、一気にイメージしやすくなります。
ここまでの話は、実はすべて、この電磁波につながる前フリでもあったんです!
ここまでの流れを見ると、 「電場と磁場があるなら、それがそのまま電磁波になるのでは?」 ──そんなふうに思えてきますよね。
でも、ここでひとつ大事な注意点があります。
電場と磁場が“存在するだけ”では、電磁波にはなりません。
電磁波が生まれるために必要なのは、 電場と磁場が時間とともに変化すること。
ここが決定的な条件です。
たとえば、コンセントにつながった電線のまわりには、電場も磁場も存在しています。
でもそれだけでは、空間を飛び出していく電磁波にはなりません。
一方で、電流が急に変化したり、電場や磁場が振動したりすると話は別。
変化する電場が磁場を生み、変化する磁場が電場を生む──この連鎖が空間を伝わって進み始めたとき、はじめて電磁波になります。
つまり電磁波とは、「電場と磁場がセットで存在している状態」ではなく、 お互いを生み出し合いながら進んでいく現象。
ここを押さえておくと、電磁波の正体が一気にクリアになります。
では、この電磁波。
実際には、どんな場面で使われているのでしょうか。
ポイントは、 どの例でも「変化する電場」と「それに連動して生まれる磁場」がセットで登場している、という点です。
そこを意識しながら見ていきましょう。
まずはアンテナです。
アンテナの中では、電流が高速で行ったり来たりしています。
電流が変化するということは、まわりの電場が時間とともに変化するということ。
するとその変化した電場が、今度は磁場を生み出し、生まれた磁場の変化が、さらに新しい電場を生みます。
この「電場→磁場→電場→磁場…」という連鎖が、空間を伝わって外へ広がっていく。
それが、アンテナから飛び出す電磁波です。
ラジオ、テレビ、スマートフォン、Wi-Fi。
情報が空中を飛んで届くのは、電場と磁場がペアになって振動しながら進んでいるからなんですね。
次に雷を見てみましょう。
雷は、一瞬のうちにとてつもなく大きな電流が流れる現象です。
電流が急激に流れるということは、電場も磁場も、 一気に、激しく変化するということ。
その結果、非常に強い電磁波が一斉に放出されます。
雷が遠くで落ちただけなのに、ラジオが「ザザッ」と鳴るのは、この電場と磁場の大暴れが原因です。
最後は電子レンジ。
電子レンジの中では、 マイクロ波と呼ばれる電磁波が使われています。
このマイクロ波も、中身は同じ。
変化する電場と磁場がセットになって振動しています。
特に重要なのが電場。
電場が振動すると、食品中の水分子(電気的な偏りを持つ分子)が引っ張られ、向きを変えさせられます。
その動きが何度も繰り返されることで、分子が激しく揺さぶられ、 熱としてエネルギーがたまる。
これが、電子レンジで温まる正体です。
こうして見ると、アンテナも、雷も、電子レンジも、やっていることは共通しています。
変化する電場が磁場を生み、変化する磁場が電場を生む。
その連鎖が空間を進んだもの。
それが電磁波です。
場面は違っても、電場と磁場の関係は、いつも同じルールで動いているんですね。
磁場と電場の違いってのはよ、「電荷があれば生まれるのが電場」、「電気が動いて初めて生まれるのが磁場」ってことなんだぜ!似てるようで全然違う、そいつらの役割や特徴を知れば、普段感じてる不思議な現象もスッと納得できちまうんだ!
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