

塩化ビニル。
床材や電線カバー、透明シートにホースまで。
身の回りで見ない日はない、かなり身近な素材です。
でもこの塩ビ、触るとやたら静電気をまといやすい。
ペタッとゴミがくっついたり、乾燥した日にバチッときたり。
一度は、「あ、またか」と思ったこと、ありますよね。
実はこれ、たまたまでも、運が悪いわけでもありません。
塩化ビニルは、帯電しやすい条件をいくつも持ち合わせた素材です。
なぜ塩化ビニルは、こんなにも帯電しやすいのか。
そこには、素材そのものの性質と、私たちの日常環境が、しっかり関係しています。
難しい話に見えますが、仕組みを分けて考えれば大丈夫。
順番に、ひとつずつ見ていきましょう。
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塩化ビニル(PVC)の化学構造式
炭素鎖に塩素が結合した高分子で、分子内の電子の偏りが生まれやすい。
摩擦で電子の移動が起きると、負に帯電しやすい素材として振る舞う。
出典:『Polyvinylchlorid』-Photo by NEUROtiker / Wikimedia Commons Public domain
塩化ビニルが帯電しやすい理由。
まず最初に押さえておきたいのが、電子を受け取りやすい性質を持っている、という点です。
言い換えると、電子との相性が、そもそも良い素材。
スタート地点から、もう条件がそろっているんですね。
塩化ビニルは、化学的な構造の影響で、電子を引き寄せやすい性質があります。
摩擦や接触が起きると、相手側にあった電子が、塩化ビニル側へ移る方向に動きやすい。
これが、帯電の出発点です。
目には見えませんが、表面では、ちゃんとやり取りが起きています。
手で触る。
服とすれる。
床とこすれる。
こうした日常的な動作の中で、電子は少しずつ、塩化ビニル側に集まっていきます。
一回一回は、本当にわずか。
でもそれが積み重なると、無視できない量になり、はっきりした帯電として現れます。
電子を受け取る、ということは、マイナスに帯電しやすいということ。
塩化ビニルは、摩擦によって電子を受け取り、マイナスに帯電しやすい素材です。
その結果、軽いゴミやホコリを引き寄せやすくなります。
ペタッとくっつく、あの感じ。
まさにこの性質の表れです。
塩化ビニルは電子を受け取りやすい性質を持つため、摩擦によってマイナスに帯電しやすい素材です。
電子を受け取ること自体は、実は塩化ビニルだけの特権ではありません。
多くの素材で起こり得ます。
それでも塩化ビニルが目立って帯電するのは、 ため込んだ電気が逃げにくいから。
ここが、決定的なポイントです。
塩化ビニルは、典型的な絶縁体です。
金属のように、電気が中をスーッと流れることはありません。
つまり、一度かたよった電気を、内部でならしてしまうことができない。
これが、帯電を長引かせる土台になります。
電気が流れないということは、外へ逃げる通り道がほとんどない、ということでもあります。
移動してきた電子は、表面にとどまり、その場に居座り続ける。
結果として、帯電した状態がなかなか解消されません。
電子が集まり、しかも逃げられない。
この条件がそろうと、帯電は長く維持されます。
塩化ビニルは電気を通しにくいため、帯電した状態が長く残ります。
これが、「触るといつまでもパチパチする」
あの感覚の正体です。
塩化ビニルは絶縁体で電気が逃げにくいため、帯電した状態が長く続きます。

塩化ビニル(PVC)ホース類
塩化ビニルは摩擦で電子の偏りが残りやすく、帯電しやすい素材として知られる。
空気ホースや散布ホースなど、日常の道具にも広く使われている。
出典:『Pvc air hose,spray hose,reinforced hose』-Photo by Sunvl / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
もうひとつ、見逃せない理由があります。
それは、 日常生活の中で、とにかくこすられやすいという点です。
性質として帯電しやすいだけでなく、「帯電する機会」そのものが、圧倒的に多い素材なんですね。
塩化ビニル製品は、手で触る場面がとても多い素材です。
例えば
どれも、手や服と頻繁に接触するものばかり。
使うたびに、少しずつ摩擦が積み重なります。
摩擦の回数が多いほど、電子が動くチャンスも増える。
その結果、帯電もしやすくなるわけです。
床材として使われる塩ビ。
カーペットの下に敷かれる塩ビ。
空気中でひらひら揺れるビニールシート。
どれも、 常に何かと触れている状態です。
動いていなくても、接触は続いている。
これもまた、帯電しやすさを
じわじわ後押ししています。
特別なことをする必要はありません。
それだけで、電子は動きます。
だから塩化ビニルは、 日常動作だけで帯電が起きやすい素材なんです。
使っているだけ。
生活しているだけ。
それでも条件がそろってしまう。
ここが、塩化ビニルの帯電しやすさの
決定打と言えるでしょう。
塩化ビニルは日常的な摩擦や接触が非常に多いため、帯電が起きやすい環境に常に置かれています。
塩化ビニルが帯電しやすい理由は、ひとつではありません。
電子を受け取りやすく、電気が逃げにくく、しかも日常的によくこすられる。
この条件が、きれいにそろっている。
だからこそ、塩化ビニルは静電気の常連になるんです。
仕組みを知っておくと、「また静電気か…」も、少しだけ冷静に見られるようになりますよ。
塩化ビニルが帯電する理由ってのはよ、電子をためこみやすくて逃がしにくい「絶縁体」だからなんだぜ!しかもこすれる相手によってプラスにもマイナスにも帯電するって、なかなかのクセ者だな…。冬場にパチッとやられねぇように、静電気対策はバッチリしておきてぇもんだぜ!
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