

空がピカッ!
ゴロゴロ……そしてドカーン!と鳴り響く雷。
誰でも一度は「うわ、怖っ!」って体がビクッとなった経験、ありますよね。
でもですね、ここでちょっと立ち止まって考えてみてください。
そもそも、雷ってどうして起こるんでしょうか。
空が一瞬で光るって、あれは何が光っているのか。
ゴロゴロ鳴る音は、ただの大きな音……というわけでもないんです。
じつは雷、「たまたま空で光って鳴っている自然現象」ではありません。
雲の中では、私たちの想像以上に激しいやり取りが起きているんです。
その「激しいやり取り」により、空の中でたまった電気が限界を超えた結果として起こる、大規模な放電現象──それが雷なんですね。
ただ光っているだけ。
ただ音が鳴っているだけ。
そう見えていた雷の正体は、実は空を舞台にした電気の大暴れだったというわけです。
このページでは、その「激しいやり取り」の中身について掘り下げてみていきますよ!
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ワルシャワ上空に広がるかなとこ雲の積乱雲
上昇気流で雲頂が広がり、氷粒の衝突が増える。すると電荷分離が進み、雷が起きやすい構造になる。
出典:『Cumulonimbus incus over Warsaw, Poland』-Photo by Kamil Nowacki/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
雷の舞台になるのは、積乱雲。
夏になるとモクモクっと急に育つ、あのやたらと背の高い雲ですね。
日本では、その形が入道(僧侶)の頭に似ていることから、「入道雲」なんて呼ばれることもあります。
見た目はのどかでも、中身はかなり荒っぽい存在です。
この積乱雲、どうやってできるかというと、ポイントは強烈な上昇気流。
地面付近のあたたかく湿った空気が、一気に空へ引き上げられて、雲が縦にグングン成長していく──そんな仕組みです。

積乱雲の電荷分布と放電を示す模式図
積乱雲の内部では、プラスとマイナスの電荷がはっきり分かれて分布している。
上部には主にプラス、下部にはマイナスがたまり、その差が大きくなりすぎると、均衡を取ろうとして放電が発生する。
出典:『Distribuicao de cargas em cumulonimbus 01』-Photo by WOtP/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0
さて、この積乱雲の中では何が起きているのか。
ここが雷の正体に直結する、大事なポイントです。
雲の内部では
という現象が起きています。
イメージとしては、服をこすったときにバチッとくる静電気。
あれのとんでもなくスケールが大きい版ですね。
その結果
がたまっていきます。
雲の中は、もうビリビリに偏った「電気のかたより」状態。
いつ爆発してもおかしくない、緊張感たっぷりの空間になっているんです。

積乱雲内部の電荷分離(上部プラス・下部マイナス)
積乱雲の上部が正、雲の中〜下部が負に偏ると、その影響で地面側には逆向きの電荷が引き寄せられ、地表の電気状態が変化していく。雲の接近にともなって地上との間に強い電場が生まれ、人や建物、樹木の周囲でも電気的な緊張が高まっていくのである。
出典:『Charged cloud animation 4a』-Photo by U.S. Government (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain
さらに話は、空だけでは終わりません。
雲の下側にマイナスの電気が大量にたまってくると、それに引き寄せられる形で、なんと地面の表面はプラスに帯電しはじめます。
木、建物、鉄塔、そして地面そのもの。
見えないところで、しっかり雷の準備が進んでいるわけです。
ここで、最大の見せ場がやってきます。
マイナスとプラスの電気が限界まで引き合い、「もう我慢できない!」となった瞬間、一気に放電が起こる
このドカーン!という一瞬の放電現象。
これこそが、私たちが目にする雷の正体なんですね。
空と地面。
両方で同時に起きている電気のドラマ。
そう考えると、雷がただの音や光じゃないことが、少し実感できてきますよね。

雷の放電路がプラズマ化して伸びる過程
雷では、本来は電気を通さない空気が、先行放電(ステップドリーダー)によって電離され、絶縁が破れてプラズマ状態へ変化していく。このとき刻まれる細い導電路(プラズマの道)が地上側の上向き放電とつながると、空気の絶縁破壊が完成し、大電流が一気に流れて強い発光として雷が現れる。
出典:『Lightning formation』-Photo by National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain
ふだん私たちが吸っている空気って、じつは電気を通しにくい=絶縁体なんです。
普通は電線みたいに、ビリビリ電気が流れるものじゃありません。
でもですね…
雲と地面のあいだに電気がたまりにたまりすぎると、話は一気に変わります。
もう空気のほうが耐えきれなくなるんですね。
するとどうなるかというと、 空気の「絶縁状態」を力づくで突き破って、電気が一気に走り出す。
バリバリバリ〜ッ!と、目に見えるほど激しい動きです。
これが、私たちが目にする雷の光──稲妻。
空を切り裂くようにピカッと光る、あの正体です。
そして、ここからが音の話。
稲妻が走るとき、電気は周囲の空気を一瞬で超高温に加熱します。
その温度、なんと3万度以上。
太陽の表面よりも高いくらいの、とんでもない熱です。
その結果
これが、 「ゴロゴロ……ドーン!」と鳴り響く雷鳴の正体。
つまり、雷の光は電気そのもの、雷の音は急激にふくらんだ空気の衝撃波というわけです。
光って、鳴って、終わり。
そんな単純な現象に見えて、その裏側では空気と電気の限界バトルが一瞬で起きている。
そう思うと、雷の迫力にも、ちょっと納得がいきますよね。
ここまで見てきた雷のしくみ。
難しそうに見えて、流れを追うと意外とシンプルなんです。
積乱雲が育って、雲の中と地面でプラスとマイナスの電気がたまっていく。
そして、もう我慢できない!という瞬間がやってくる──
そんな一連の出来事でした。
これまでお話してきた雷の発生過程を、あえてざっくり一言で言ってしまうなら。
空の中で電気がケンカして、耐えきれなくなって一気に放電した現象
という表現が、いちばん近いかもしれません。
ピカッと光って
ゴロゴロ鳴って
ドカーンと響く
その一瞬の裏側では、 空全体を巻き込んだとてつもないエネルギーのやり取りが起きているんです。
自然の力って、本当にすごいですよね。
何気なく見上げた空の出来事が、ここまでダイナミックだと思うと、雷を見る目も少し変わってくるはずです。
オレ様がドカンと登場すんのはよォ、空の中でプラスとマイナスがバチバチにケンカ始めるからなんだよ!空気なんて関係ねぇ!ぶち破ってズドーン!…それが雷様の流儀よッ!ナメんなよッ!
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