雷を例にプラスとマイナスの性質の違いを理解しよう

雷にみるプラスとマイナスの違い

雷にはマイナス極から地面へ放電されるものと、地面から空へ向かうプラス極の放電がある。一般にはマイナスの雷が多いが、プラスの雷はより強力で広範囲に影響を与える。放電の向きによって電流や被害の性質が変わる。

雷を例にプラスとマイナスの性質の違いを理解しよう

雷って、ただ空でバリバリ光っているだけの現象……
そう思われがちですが、実は中身はかなりドラマチックです。


正体は、 プラスとマイナスの電気が、限界まで引き合った末にガチで衝突した結果
その瞬間が、あの強烈な光と音として私たちの目や耳に届いているんですね。


「電気がぶつかるってどういうこと?」


そんな疑問が浮かんだ方、かなり良いところに気づいています。


実は雷は、 プラスとマイナス、それぞれの性質の違いなぜお互いに引き合うのかを理解するのに、これ以上ない教材なんです。


教科書に出てくるプラス極・マイナス極の説明も、雷をイメージすると、急に生きた話として見えてきます。


このページでは、 雷という超スケールの自然現象を例にしながら、「プラスの電気とマイナスの電気は何が違うのか」
「どうして勝手に引き寄せ合ってしまうのか」


その仕組みを、順を追ってかみ砕いて解説していきます。



電気には「プラス」と「マイナス」がある!

落雷発生メカニズム図解

落雷発生のメカニズム図解
雷では、雲の中で動きやすいマイナス(電子)が下部へ集まり、動けないプラスは上部や地面側に偏って分布する。このプラスとマイナスの性質の違いによって電場が強まり、均衡を取り戻そうとして放電が起こる仕組みを示している。

出典:『Lightning stages』-Photo by National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain


 


まず前提として押さえておきたいのが、 電気には最初から2つの種類があるという点です。
ここを理解しておくと、雷の話も一気にスムーズになります。


電気は、大きく分けて次の2種類。


  • プラスの電気:陽子などがもつ性質
  • マイナスの電気:電子がもつ性質


学校の理科で聞いたことがある内容ですが、雷の話では、この区別がかなり重要になってきます。


そしてこの2つ、ただ名前が違うだけではありません。 性格が真逆なんです。


  • プラスとマイナスは、お互いに引き合う
  • 同じ種類同士は、近づくと反発する


磁石とちょっと似た関係ですね。
違うもの同士はくっつきたがって、同じもの同士は距離を取りたがる。


このシンプルな性質が、静電気を起こし、雷を生み、あらゆる電気現象の土台になっています。


つまり、電気の世界は「違う者同士が引き合い、同じ者同士は離れようとする」というルールで動いている、というわけです。


雷も静電気も、結局はこの基本ルールが、ものすごく大きなスケールで表に出てきただけ。
そう考えると、電気の動きが少し身近に感じられてきますよね。


雷の中では、プラスとマイナスが大戦争してる!

積乱雲の電荷分布と放電を示す模式図

積乱雲の電荷分布と放電を示す模式図
積乱雲の内部では、プラスとマイナスの電荷がはっきり分かれて分布している。
上部には主にプラス、下部にはマイナスがたまり
その差が大きくなりすぎると、均衡を取ろうとして放電が発生する。

出典:『Distribuicao de cargas em cumulonimbus 01』-Photo by WOtP/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


プラスとマイナスの意味をざっくりおさらいしたところで、ここからは雷を例にして、両者の性質をもう一段深く見ていきましょう。


雷は、いきなり空からドーンと落ちてくるわけではありません。
その前段階として、雲の中で地道な準備が進んでいます。


積乱雲の中では、氷の粒や水滴が激しくぶつかり合い、こすれ合います。
その結果、電気が分かれていき、

  • 雲の上のほう:プラスに帯電
  • 雲の下のほう:マイナスに帯電


という状態ができあがります。
雲の中で、すでにプラスとマイナスがはっきり分離しているわけですね。


ここで重要なのが、地面側の動きです。
実は地面は、雷雲が近づくと、自然と「プラス」に帯電しやすくなる


という性質があります。


理由はシンプル。
雲の下にたまったマイナスの電気に引っぱられて、地面の中のプラス成分が表面に集まってくるからです。


そうして完成するのが、この構図。


  • 雲の下のマイナス地面のプラス = 強烈に引き合う


あとはもう、我慢比べ。
引き合う力が限界を超えた瞬間、空気を突き破って電気が一気に流れ込み、 バリバリッ!という雷になります。


つまり雷は、ただの偶然の放電ではなく、 プラスとマイナスが「引き合う性質」を最大限に発揮した結果なんですね。


異なる電気が,
異なる場所で,
限界まで引き寄せ合う,
その力で自然が動く。


そう考えると、雷ってちょっと理科の教科書を飛び出した、壮大な実験みたいに見えてきませんか。


マイナスは動けて、プラスは動けない

雷雲内部の電荷分離(上部プラス・下部マイナス)

雷雲内部の電荷分離(上部プラス・下部マイナス)
雷雲の中では、動けるマイナス(電子)が下へ集まり
動けないプラスは雲の中に残ることで電荷の偏りが生じる。
この偏りが限界に達したとき、雷として一気に放電が起こる。

出典:『Charged cloud animation 4a』-Photo by U.S. Government (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain


 


ここは、電気の話でいちばん大事と言ってもいいポイントです。
ちょっと意外に感じるかもしれませんが、実は電気には「動ける側」と「動けない側」があります。


  • マイナス(電子)は動ける!
  • プラス(陽子)は基本的に動けない!


この違い、かなり重要。
なぜなら、私たちが普段言っている「電気が流れる」という現象、その正体は── マイナスの電気、つまり電子が移動している状態だからです。


プラスの電気はどうかというと、原子の中心にがっちり固定されていて、基本的にその場から動きません。
だから電線の中でも、空気の中でも、実際に動き回っているのは電子のほうなんです。


つまり、「電流」とはプラスが進軍している現象ではなく、マイナス(電子)が一斉に移動している様子を表した言葉なんですね。


雷にも適用されるルール

このルールは、雷でもまったく同じ。
雷の場合も起きているのは── マイナスの電気(電子)が、雲から地面へ一気に流れ落ちるという現象です。


プラスの電気は地面側で待ち構えているだけ。
そこに向かって、 マイナスがバリバリッ!と突っ込んでいく
その結果として、あの強烈な光と衝撃が生まれます。


雷は、プラスとマイナスが両方動いてぶつかっているわけではありません。 動けるマイナスが、動けないプラスに向かって一方的に流れ込む
この構図こそが、雷の正体なんです。


そう考えると、「マイナスは動けて、プラスは動けない」
この一文が、雷の仕組みをぐっとシンプルにしてくれますよね。


プラスとマイナスの違い?そりゃあよォ、動くか動かねぇかの差だ!雷がドカーンと落ちるとき、動いてんのはマイナス=電子のほう!プラスは引っ張るだけ!だから雷様の一撃も、マイナス電気が暴れてんだよ!カッコよすぎんだろ、オレ様!