
電気って、いまではスマホやエアコン、電車まで、なくてはならないものですよね。でもそんな電気も、最初は「不思議な自然現象」だったって知ってましたか?電気の歴史は「こすったらモノがくっついた」っていう偶然の発見から始まり、少しずつ仕組みが解明されていって、やがて私たちの生活に欠かせないエネルギーになったんです。このページでは、そんな電気の歩みを、時代ごとの出来事に分けてわかりやすく紹介していきますよ!
「電気の発見」のきっかけとされる琥珀
こすられることで、電子をためこみやすく、静電気を帯びやすい性質がある
出典:Anders L. Damgaard / CC BY-SA 4.0より
実は、電気の最初の発見は紀元前600年ごろの古代ギリシャまでさかのぼります。
琥珀(こはく)という石を布でこすったら、小さなモノがくっついた…そんな現象に気づいたんです。当時はまだ「電気」なんて言葉はなかったけど、「なんか変だぞ?」って注目されていました。
そしてこの琥珀のギリシャ語名「エレクトロン」が、今の「エレクトリック(電気)」の語源になったんです!
琥珀は、もともと絶縁体と呼ばれる「電気を通さない物質」です。絶縁体には電子があまり動かない性質がありますが、逆に言えば、いったん電子をもらうと逃がしにくいんです。
だからこそ、
という理屈で、静電気を帯びやすいんですね。
もうひとつ、昔から人びとをビックリさせてきたのが雷。ゴロゴロ〜ッと音がして、ピカッと光るこの現象も、今では空気中での巨大な放電=つまり自然の電気だとわかっています。
でも当時は「神さまの怒り」と思われていて、まだまだ科学とは結びついていなかったんですね。
1902年、エッフェル塔に落雷する瞬間を捉えた写真。初期都市環境での雷観測の貴重な資料。
出典:Gabriel Loppé / Public Domainより
電気と深い関係にある磁気(じき)の発見も、この時代から始まっていました。
磁石(じしゃく)が鉄を引きつける性質に気づいた古代の人たちは、やがて羅針盤や方位磁針など、航海の道具に発展させていきました。これが後に電磁気学の土台にもなるんです。
時代は進み、17〜18世紀のヨーロッパになると、「電気ってなんだろう?」という研究が本格的に始まります。
たとえばウィリアム・ギルバートは、「こすったらくっつく」だけじゃない、いろんな静電気の性質を発見しました。ここから電気は自然界にある力なんだという考え方が広がっていったんです。
ウィリアム・ギルバート(1544–1603)
エリザベス1世とジェームズ1世の侍医としても知られる。
出典: Wellcome Collection / CC BY 4.0より
アメリカのベンジャミン・フランクリンは、雷が電気であることを証明しようと、なんと雷の日に凧をあげるという大胆な実験をしました!
この実験で、雷=電気という考え方が世界中に広まりました。
1881年に出版された『Natural Philosophy for Common and High Schools』に掲載された、ベンジャミン・フランクリンの雷の実験を描いた銅版画。
出典:Le Roy C. Cooley / Public Domainより
そして1800年、イタリアのアレッサンドロ・ボルタが世界で初めて電池を発明!
これが「ボルタ電池」で、初めて電気を長時間流すことができる装置として、科学の世界に大きなインパクトを与えました。
アレッサンドロ・ボルタが発明したボルタ電池
出典: Photo by GuidoB / CC BY-SA 3.0より
1882年、ニューヨーク・マディソン・スクエアのアーク灯を描いたイラスト。アーク灯は、19世紀後半に街路照明として広く使用され、ガス灯に代わる新しい光源として注目された。
出典: Harper’s Weekly, January 14, 1882 / Public Domainより
19〜20世紀になると、いよいよ電気は「実験」から「実用化」へと動き出します。
マイケル・ファラデーは電磁誘導という現象を発見して、発電機やモーターの原理をつくり出しました。
そしてトーマス・エジソンは白熱電球を発明!「夜でも明るい生活」が可能になり、電気は一気に家庭の中に広がっていきます。
ニコラ・テスラは、今の送電システムの基本である交流(AC)の技術を発明。これにより電気を遠くまで効率よく届けられるようになったんです。
このころ「直流派エジソン」と「交流派テスラ」のバトルもあって、まさに“電流戦争”の時代だったんですよ!
1896年頃、40歳のニコラ・テスラ。交流電力システムの開発で知られる発明家。
出典: Public Domainより
都市には発電所が建てられ、電線が街中に張り巡らされて、電気のある生活がどんどん当たり前になっていきました。
今では、照明だけじゃなくテレビ・エアコン・パソコン・電車など、生活のあらゆるところに電気が使われています。
電線が張り巡らされたニューヨーク市の通り(1888年)
出典: The Museum of the City of New York / Public Domainより
電気の歴史っつーのはよ、「自然のふしぎってヤツに気づいた」ってとこからゴングが鳴ったんだよ!そっから実験だ発明だとガンガン積み上げてきた結果が、今のこの快適ライフにブチ繋がってんだッ!オメーが何気なく使ってる電気もよ、何千年分の発見と根性の結晶なんだぜ、感謝して使いやがれッ!