

「全固体電池って、最近の発明なんでしょ?」と思われがちですが、実はそのアイデア自体はかなり前から存在しています。
もちろん、いまニュースで話題になっているのは“実用化が見えてきた”からですが、研究の歴史は数十年単位。では、いったい誰が最初に考えたのでしょうか。今回は、全固体電池の歴史と発明の流れをわかりやすく整理していきます。
|
|
|
全固体電池の歴史は、「固体電解質」の研究から始まります。
実は、固体の中をイオンが動くという現象は、19世紀末から知られていました。たとえば、銀イオンが固体中を移動する性質などが発見されていました。
全固体電池は、特定のひとりが「発明した」というよりも、多くの研究者によって少しずつ積み上げられてきた技術です。
その中でも大きな転機となったのが、20世紀後半の固体イオン伝導体の研究でした。これにより、「液体を使わない電池」という考えが具体化していきます。
つまり、全固体電池は段階的に進化してきた技術なのです。
大きな転機は、1990年代にリチウムイオン電池が実用化されたことです。
リチウムイオン電池は液体電解質を使う方式ですが、その高性能ぶりは電池の世界を一変させました。
「もしこの電解質を固体にできたら、安全性はもっと高まるのでは?」という発想が広がります。
とくに1980年代から2000年代にかけて、日本やアメリカ、ヨーロッパで固体電解質の研究が活発になりました。硫化物系や酸化物系の材料が開発され、全固体電池の原型が形づくられていきます。
つまり、リチウムイオン電池の成功が全固体電池研究を後押ししたのです。
2010年代以降、電気自動車の普及が進むにつれ、安全性と高エネルギー密度を両立できる電池への期待が高まりました。
日本の自動車メーカーや電池メーカー、海外の研究機関などが大規模な研究開発を開始します。
とくに硫化物系固体電解質の改良や、リチウム金属負極との組み合わせが進展し、「量産を見据えた開発」へと段階が移ってきました。
つまり、全固体電池は「発明」というよりも、長年の基礎研究が実用段階に近づいてきた技術といえるのです。
ここで改めて整理しましょう。
全固体電池には、エジソンのような「ひとりの発明者」はいません。固体電解質の発見、リチウム電池の発展、材料科学の進歩──それらが積み重なって生まれた技術です。
科学技術は、多くの研究者のバトンリレーによって進化します。全固体電池もその典型例です。
だからこそ、「誰が発明したか」よりも、「どうやって進化してきたか」を知ることが大切なのです。
ここまでで、全固体電池の歴史を整理してきました。
まとめると──
全固体電池は、突然生まれた発明ではありません。長い基礎研究と材料開発の積み重ねによって形づくられてきた技術なのです。その歴史を知ると、いま注目されている理由もより深く理解できますね。
|
|
|