

潮の満ち引きの力を使って電気をつくる潮力発電。
海のリズムをそのままエネルギーに変えるしくみであり、二酸化炭素をほとんど出さない再生可能エネルギーのひとつとして注目されています。
けれども、海に設備をつくる以上、まわりの環境にまったく影響がないとは言い切れません。
だからこそ、発電のしくみと同時に生態系への影響もきちんと知っておくことが大切なのです。
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まず考えたいのは、海の流れそのものへの影響です。
潮力発電は潮の流れでタービンを回すしくみですが、海底に装置を設置することで、水の流れ方が少し変わることがあります。
たとえば、流れがゆるやかになったり、逆に一部で速くなったりすること。
その結果、砂や泥のたまり方が変わる可能性もあります。
潮の流れが変われば、そこに住む生きものの環境も少しずつ変わるのです。
しかも、発電所の建設工事では一時的に海底を掘ったり、重機を使ったりします。
このときに濁りが広がることもあり、注意が必要です。
潮力発電はクリーンな発電方法ですが、海の流れや海底環境に変化をもたらす可能性があることを忘れてはいけません!
次に気になるのが、魚や小さな生きものへの影響です。
潮力発電のタービンはゆっくり回る設計が多く、魚が避けられるよう工夫されています。
しかし、回転する装置がある以上、まったく影響がゼロとは言い切れません。
特に小さな魚やプランクトンは流れに乗って移動するため、進路が変わることも考えられます。
生きものへの影響は「あるかないか」ではなく「どれくらいか」を調べ続けることが大切なのです。
そして、音の問題もあります。
水中では音が遠くまで伝わるため、発電設備の低い振動音が魚の行動に影響を与える可能性も研究されています。
魚やプランクトンへの影響は小さいと考えられていますが、継続的な観察と研究が欠かせません!
では、どうすれば負担を減らせるのでしょうか。
まず行われているのが事前の環境調査です。
生きものの分布や回遊ルートを調べ、影響が少ない場所を選びます。
さらに、タービンの回転速度を抑えたり、魚が入りにくい構造にしたりする工夫も進められています。
発電と自然保護を両立させる設計こそが、これからの潮力発電のカギなのです。
そして、運転を始めたあともデータを取り続け、問題があれば改善する。
この「つくって終わりではない姿勢」がとても重要です。
環境への負担を減らすためには、調査・設計・改善を続ける取り組みが何より大切なのです!
潮力発電は、海の力を活かす未来志向の発電方法です。
しかし同時に、海という大切な生態系の中で行われる技術でもあります。
だからこそ、発電量だけでなく環境とのバランスを考えることが欠かせません。
エネルギーと自然の共存──それを実現していくことが、これからの大きな課題なのです。
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