木が電気を通さない理由

木のイスや机、柱やドア…とにかくって、あたたかみがあって私たちの暮らしに欠かせない素材ですよね。そしてもうひとつの特徴が、電気を通しにくいということ。でもここで「なんで木は電気を通さないの?」「生きてる木でも通さないの?」なんて疑問が湧いてきませんか?

 

実はこの理由、木の中では電子がほとんど動けないようになっているからなんです。ただし水分があると事情が変わるというのも、大事なポイントなんですよ。

 

このページでは、木が電気を通さない理由と、水分との意外な関係について、わかりやすくかみ砕いて解説していきます。

 

 

乾いた木は電気を通さない

乾燥した木材は、基本的に絶縁体です。理由はカンタンで、中に自由電子がほとんど存在しないから。

 

木はセルロースやリグニンといった有機物からできていて、その分子の中では電子がガッチリ固定されてるんです。金属みたいに電子が自由に動ける空間(電子の通り道)がないため、電流が流れないというわけです。

 

つまり、木の中では電子がじっとして動かないから、電気も止まっちゃうんですね。

 

でも湿ってると電気が流れる!

ここで気をつけたいのが水分湿っていたり、濡れていたりすると、その中に水分中のイオンが存在するようになります。

 

  • 雨に濡れた木:水の中のイオンが電気を通す
  • 生木(切ったばかりの木):中に水分がたっぷりで通電しやすい
  • 湿気の多い環境:乾燥しきっていない木は注意が必要

 

このように、木=絶対に電気を通さないというわけではなくて、乾燥状態かどうかがカギなんです。

 

木は電気を「遮る壁」として活躍中!

乾いた木の絶縁性は、いろんな分野で活かされています。

 

  • 電気設備の絶縁支持材:昔の電柱の土台などに
  • 工具の持ち手:感電防止のために木のグリップを使用
  • 昔のスイッチやヒューズ台:陶器や木が使われていた

 

今ではプラスチックに置き換えられてることも多いですが、自然由来で絶縁性のある素材として木は長く使われてきたんです。

 

木が電気を通さねぇのはよ、電子が動けねぇ分子構造だし、乾燥してりゃイオンもいねぇからなんだぜ。ただし濡れてるときゃ電気を通すこともあるから、そこは気をつけろよ、覚えとけ!