雷がギザギザな理由は?

雷がギザギザな理由

雷がギザギザに見えるのは、空気中の不均一な電気的性質によって電流の進む経路が曲がるからである。雷は電気的に最も通りやすい道を探して進むため、複雑で不規則な軌跡を描く。これが視覚的にジグザグに見える原因である。

雷がギザギザな理由は?

雷が空をバリバリッと走るとき、よく見ると、まっすぐじゃなくてギザギザしていますよね。
まるで空を引っかいたみたいな、不規則な形。
あれ、実は偶然でも気まぐれでもありません。


ちゃんとした理由、あります。
しかもかなり理屈っぽい理由です。


結論から言ってしまうと、 雷がギザギザに見えるのは、電気が「ムラだらけの空気」を探りながら進んでいるから
一直線に突っ走れるほど、空気の中は均一じゃないんですね。


空気には、温度差、湿度差、チリや水滴の分布など、目に見えないデコボコがたくさんあります。
雷はその中で、「今いちばん通りやすい道」を選びながら、少しずつ、少しずつ進んでいく。
その結果が、あのギザギザした形なんです。


このページでは、 なぜ雷は一直線に進まないのか空気の性質がどう影響しているのか電気はどんなふうに道を探しているのか
そういったポイントをつなげながら、雷のギザギザ模様の正体を、できるだけ噛み砕いて解説していきます。


「ただ不規則に見えてただけの形」に、ちゃんと意味がある。
そう思って空を見上げると、雷の見え方が、ちょっと変わってきますよ。



雷の道は「最短距離」じゃない

雷の発生過程を示すアニメーション(NOAA提供)

落雷の様子を再現したアニメーション(NOAA提供)
雷は電気の通りやすそうな進路を探りながら進むため、このようなジグザグの軌跡を描く。
枝分かれするのは可能性を同時に複数試すという意味がある。

出典:Photo by NOAA / Public domainより


 


ギザギザの正体に入る前に、まず押さえておきたい大事な前提があります。
ここ、意外と誤解されがちなポイントです。


よく
「雷は高いところに落ちやすい」
って聞きますよね。
あれ、言い換えると、 電気が通りやすい道を選んでいる、という意味なんです。


ただし──
ここが重要。


雷は、「よし、ここだ!」と狙いを定めて、一発でズドーン!と一直線に落ちているわけではありません。


実際には、 雷は空気の中をジグザグに進みながら、「放電できそうな道」を探している、という、かなり慎重な動きをしています。


空気の中って、見た目はスカスカでも、中身はけっこう複雑。
水蒸気、チリ、微粒子、温度差。
そして、 電気を通しやすい場所・通しにくい場所が、モザイク状に入り混じっています。


だから雷は、「こっちは通れそう」
「いや、ここはダメだな」
と、 何度も進路を修正しながら、少しずつ前へ進んでいく。


結果として、最短距離ではなく、 その瞬間いちばん通りやすかった道の連続が選ばれる。
それが、あの独特なギザギザ模様につながっていくんです。


雷は、一直線に突っ込む脳筋タイプではなく、環境を読みながら進む、意外と理性的な存在。
そう考えると、あの形にも、ちゃんと納得がいきますよね。


ギザギザの正体「先行放電」とは何か

ステップドリーダーによる稲妻の進路(ギザギザの形成過程)

先行放電が描く「ギザギザの進路」
雷は一気に一直線で落ちるのではなく、先行放電が段階的に伸びる。
電場と空気の状態で進みやすい方向が毎回ズレるため、進路がギザギザになり枝分かれも起きる。

出典:『Step leader lightning』-Photo by NOAA/Wikimedia Commons Public domain


 


雷のあの独特なギザギザ模様。
その正体が、先行放電(リーダー)と呼ばれる現象です。


雷は、いきなり本気の一発を落とすわけではありません。
まずは── 「ここ、通れそうかな?」と下見をするような放電を行います。
それが、この先行放電なんですね。


この段階で起きていることは、だいたいこんな流れです。


  1. 空気を少しずつイオン化して、電気が通りやすい道を作る
  2. 様子をうかがうように、ジグザグ進む
  3. いくつもの枝分かれを生み出す


先行放電は、一気にズバーッと進むのではなく、 ちょこちょこ、段階的に前進していきます。
しかも、そのたびに方向を変えたり、分岐したり、戻ったり。
かなり試行錯誤しながらの移動です。


その結果、雷の光は、まっすぐではなく、 ギザギザに曲がっているように見える
これが、あの「空を引っかいた」みたいな形の正体。


そして──
ここでようやく、「よし、このルートだ」と決まった瞬間。


通り道が完成したところに、本気の大電流が一気に流れ込む
これが、私たちが目にする本番の雷です。


  1. 下見
  2. 道づくり
  3. 本気の放電


雷は、意外なほど段取りを踏んでから、あの一閃を放っているんですね。


空気のムラ+電気の気まぐれ=ギザギザ

雷がギザギザになる理由、ここまでの話をまとめると、ポイントはこのあたりです。


  • 空気の状態が均一じゃない:ホコリや水分、温度差の影響で、電気の通りやすさがバラバラ
  • 電気は「通りやすい所」を優先する:一直線よりも、ラクに進める方向を選ぶ
  • 先行放電が枝分かれする:下見段階で、いろんな方向に道を探る


雷は、きれいな一本道を進めるほど、空気の中は単純じゃありません。
むしろ、デコボコで、ムラだらけ。


その中で、少しでも通りやすい場所を選び、何度も方向を変え、枝分かれしながら進む。
その結果として、あの独特な形が生まれます。


つまり、 自然界の雷は「まっすぐ進めないからこそ、ギザギザになる」のが当たり前、というわけです。


空を切り裂くような雷の形。
あれは偶然の産物ではなく、空気と電気がせめぎ合った結果の、いわば必然のデザインなんですね。


雷がギザギザしてんのはなァ、空気の中で「どこ行きゃ通りやすいかな~」って電気がウロウロしてっからなんだよ!で、通れそうなとこ見つけたら一気にドカーン!ってな。まっすぐなんて気まぐれな電気には無理な話よ!