

スマホを充電したり、ドライヤーを使ったり、テレビのスイッチを入れたり……。
こうして並べてみると、私たちは毎日、当たり前のように電気に囲まれて暮らしています。
あまりに身近すぎて
「電気って、どんな性質があるの?」
と聞かれると、意外と答えに詰まってしまう。
そんな人、けっこう多いと思います。
でも実は電気には、私たちの生活を静かに、でも確実に支えている はっきりした性質があります。
それが、次の4つです。
どれも難しそうな言葉ではありませんが、この4つを押さえるだけで、電気の正体がぐっと見えやすくなります。
電気は「ためられて、流れて、何かを動かし、別の形へ変わる」性質を持っています。
どれも、特別な話ではありません。
あなたの身の回りで、毎日のように起きている現象ばかりです。
このページでは、この4つの性質について、できるだけ身近な例を使いながら、順番にかみ砕いて見ていきます。
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静電気によって逆立つ髪の毛
トランポリンで髪が逆立つのは、摩擦による帯電とゴムによる絶縁が重なり、電荷が逃げずに蓄積するため。さらにジャンプ動作が放電の機会を減らし、効果を強めている。
出典:Ben KerckxによるPixabayからの画像より
電気というと、「流れて使うもの」というイメージが強いかもしれません。
ですが実は、電気にはその場にとどまり、ためておける性質もあります。
この「ためる」という性質があるからこそ、バッテリーも、静電気も、そして次の動きも生まれます。
電気が「たまっている」状態とは、どこかに電気がギュッと詰まっている、という意味ではありません。
正体は、電荷の偏り。
プラスとマイナスのバランスが、片側にズレている状態です。
電気がたまるとは、電荷が移動できず、偏ったままその場に存在している状態のことです。
電子が集まりすぎたり、逆に電子が抜けてしまったり。
その「ズレ」が解消されない限り、電気はその場にとどまり続けます。
これが、電気が「ためられている」状態です。
スマホのバッテリーは、まさに電気をためる仕組みの代表例です。
内部では、 電気がすぐには流れ出せない形で蓄えられ、必要なときにだけ、回路へ送り出されます。
もうひとつ、もっと身近なのが静電気。
ドアノブでバチッとなるあの現象も、電気が体や物の表面に偏ったままたまっていた結果です。
この関係が、とても大切です。
電気は流れるだけでなく、電荷の偏りとして「ためておける」性質を持っているのです!

日本の標準的なAC電源コンセント(100V)
日本の家庭用AC電源は、電圧によって電子を動かす力が生まれ、回路がつながったときにだけ電気が流れるという性質を利用している。差し込み口が二極に分かれているのは、行きと戻りの経路を確保して電子の流れを循環させるため。
出典:Photo by Batholith /Wikimedia Commons Public Domainより
電気が「ためられる」だけなら、私たちの生活はほとんど変わりません。
電気が本領を発揮するのは、 流れ始めた瞬間です。
この「流れる」という性質があるからこそ、家電が動き、明かりが灯り、情報が届きます。
電気が流れている状態。
それを、電流と呼びます。
正体はとてもシンプルで、 電子が一定の方向へ動いている状態です。
電気は、流れ出した瞬間に「電流」という姿になり、エネルギーを運び始めます。
ためられていた電気は、道がつながった途端、一気にバランスを取り戻そうとします。
その結果、電子がぞろぞろと移動する。
これが、電流の正体です。
コンセントにプラグを差し込む。
スイッチを入れる。
この瞬間、回路がつながり、 電気の通り道が完成します。
すると、電気は「ためられた状態」から「流れる状態」へ──ドライヤーなら風が出て、テレビなら映像が映る。
すべて、電流が流れた結果です。
ここが、電気のいちばん実感しやすい性質かもしれません。
電気は回路がつながることで電流となり、流れることで初めて私たちの生活を動かします!

卓上扇風機が電気で羽根を回し、風を生む様子
電気エネルギーがモーターを動かし、回転運動として外に現れる。電気により風という「動き」を生む家電の代表例。
出典:『Small Desk Fan 1』-Photo by Couch-scratching-cats/Wikimedia Commons Public domain
電気は、ためられて、流れるだけでは終わりません。
流れた電気は、その先で必ず何かを起こします。
ここで登場するのが、電気の「働く」という性質です。
電気が働く、というのは、力や動きを生み出すということ。
電流が流れると、磁力が発生したり、物体が引っ張られたり、回転したりします。
電気は、流れることで「見えないエネルギー」を力や運動へと変えます。
止まっていたものが動く。
動き続ける。
向きが変わる。
これらはすべて、電気が仕事をしている証拠です。
扇風機が回る。
洗濯機のドラムが回転する。
エアコンの中でファンが動く。
これらの内部には、必ずモーターがあります。
モーターの中では、電気が磁力を生み、その磁力が回転という運動に変わっています。
電気 → 磁力 → 動き
この流れが、私たちの暮らしの中で毎日くり返されています。
スイッチひとつで動き出すのは、電気がちゃんと働いているから。
ただ流れるだけでは、ここまでのことは起きません。
電気は流れるだけでなく、力や運動を生み出すことで、機械や道具を実際に動かしているのです!

トースターオーブンの赤熱ヒーター
ヒーター内部の電熱線に電流を流すことで電力量に比例したジュール熱が発生し、その熱によって赤熱しながらパンや食品を加熱している。電気の「変わる」性質を活かした代表例。
出典:『Breadstick - Toaster oven with elements on』-Photo by lokate366/Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0
電気のすごさは、ためられて、流れて、働くだけでは終わりません。
最後の大きな特徴が、 姿を変えられるという性質です。
電気は、自分のまま主張しません。
必要に応じて、別の形へとスッと変身します。
電気が変わる先は、とても身近なものばかりです。
電気は、使われる場面に応じて、光や熱、さらには情報として姿を変えます。
電流が流れるとき、そのエネルギーはそのままではなく、回路や装置の中で「別の役割」を与えられます。
電気は、自分が前に出るよりも、別の形として働くのが得意なのです。
電気が光に変わる代表例が、照明。
スイッチを入れた瞬間、電気は目に見える存在になります。
熱に変わるのは、ドライヤーや電気ストーブ。
電流が流れることで、部品が熱を持ち、空気や物を温めます。
そして情報。
スマホやテレビでは、電気はONとOFFの組み合わせとして扱われ、映像や音、文字へと姿を変えています。
同じ電気でも、使い方が違えば、まったく別の顔を見せる。
これが「変わる性質」です。
電気は光や熱、情報へと姿を変えることで、私たちの生活のあらゆる場面を支えています!
ここまで見てきたように、電気はただ「流れるもの」ではありません。
電気は、ためられ、流れ、働き、そして姿を変えることで、私たちの暮らしを成り立たせています。
この4つの性質は、それぞれが独立しているのではなく、順番につながりながら、日常の電気を支えています。
電気を「ひとつの正体」として見るのではなく、こうした性質の集まりとして捉えると、家電も、スマホも、インフラも、ぐっと理解しやすくなります。
電気にはよ、プラスとマイナスがあること、流れてエネルギーを運ぶこと、磁力を生むこと、そして他のエネルギーに変えられることっていう4つの性質があるんだぜ!この“性格”を知っときゃ、電気がもっと身近で面白く感じられるようになるかもしれねぇな!
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