静電気でなぜ感電しないの?

静電気で感電しない理由

静電気は高電圧であっても、ごく短時間かつ微小な電流しか流れないため、感電とは異なる。一瞬の放電で痛みやショックを感じるが、人体への影響はほとんどない。感電とは違い、電流の持続性がないのが特徴である。

静電気でなぜ感電しないの?

ドアノブに触れた瞬間、「バチッ!」と走る鋭い刺激。
一瞬だけど、地味に痛いですよね。


でもふと疑問。


「あれって感電じゃないの?」


家電の感電は危険なのに、静電気はなぜ大ごとにならないのでしょうか。


静電気の「バチッ」は感電に似ていて、でも本質的にはかなり性質が違います


ここでは、静電気と感電の違いを整理しながら、「なぜ静電気では大事故にならないのか」を順番に見ていきましょう。



静電気ってどういう電気のこと?

Van de Graaff Generator - Science City - Calcutta 1997 444

ヴァン・デ・グラーフ起電機の実演
少女がヴァン・デ・グラーフ起電機に触れることで体全体が静電気によって帯電。強い電場の影響で同じ静電気を帯びた髪の毛同士が反発し合い、一本一本が逆立っている。

出典:Title『Van de Graaff Generator - Science City - Calcutta』-Photo by Biswarup Ganguly /GNU Free Documentation License, CC BY 3.0より


 


まずは静電気の正体からです。


静電気とは、 電子が一方に偏ったまま、その場にとどまっている電気のこと。


服と服がこすれたり、人が歩いたりすることで電子が移動し、体や物の表面に電気がたまります。


ここで重要なのは、 電気が「流れ続けている」わけではないという点です。


ようは静電気は、たまっているだけ。
出口が見つからず、その場で待機している電気なんです。


静電気は、流れずにその場にたまっている「待機中の電気」です。


感電ってどういう状態のこと?

感電の危険を警告する標識(稲妻アイコン)

感電の危険を警告する標識
高電圧や通電部に触れる危険を示し、機器や設備の注意喚起に使われる。

出典:『IEC 60417 - Ref-No 6042』-Photo by Mrmw/Wikimedia Commons CC0 1.0


 


次に、「感電」そのものを整理しておきましょう。
ここを押さえておくと、静電気との違いがはっきり見えてきます。


感電とは、 電気が人の体の中を通って流れてしまう状態を指します。


電気は本来、できるだけ抵抗の少ない道を選んで進もうとします。
条件がそろうと、人の体そのものが電気の通り道になってしまう。
それが感電です。


感電の本質は「電気が体を通って流れ続けること」にあります


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家庭用電気での感電

家庭のコンセントには、100ボルト前後の電圧がかかっています。


この電気が体を通ると、筋肉が自分の意思と関係なく収縮したり、心臓や呼吸のリズムに影響が出ることがあります。


とくに危険なのは、 電流が流れ続けてしまうケース。
一瞬では済まず、体の機能にダメージを与え続ける点が問題です。


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高圧電線での感電

送電線や変電設備では、数千〜数万ボルトという非常に高い電圧が使われています。


このレベルになると、直接触れていなくても、 空気を突き抜けて電気が飛び込むことがあります。


つまり、「近づいただけ」でも危険。
感電は一瞬で、命に関わる状態へと進みます。


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雷に打たれて感電

雷は、数千万〜数億ボルトという桁違いの電圧を持つ自然現象です。


しかも、流れ込む電流の量も圧倒的。
人間の体が耐えられる範囲を、完全に超えています。


雷による感電が極めて危険なのは、 電圧も電流も、規模が別次元だから。
自然界最大級の電気現象と考えると、イメージしやすいですね。


感電とは、電気が人の体を通って流れ続けることで、深刻な影響を及ぼす危険な状態です。


静電気でバチッは感電とは違うの?

では、あのドアノブでの「バチッ!」は、いったい何者なのでしょうか。


見た目も感覚も、いかにも感電っぽい。
でも実態は、少し違います。


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広い意味では感電に含まれる

実は厳密に言えば、静電気で感じる刺激も
ごく短時間の感電に含まれます。


電気が体に入ってくる。
この一点だけを見れば、たしかに感電と同じです。


ただし決定的に違うのは「電気が流れる量」と「流れている時間」


静電気の場合、たまっていた電気が 一瞬で放電して終わり


体の中を
流れ続けることはありません。
だからこそ、感じるのは一瞬の刺激だけ。


結果として、「イタッ!」で済むわけです。


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実は原理は「雷」と一緒

落雷発生メカニズム図解

落雷発生のメカニズム図解
雲の中で動きやすいマイナス(電子)が下部に集まり、動きにくいプラスが上部や地面側に偏ることで強い電場が生じる。そして静電気と同様に電荷の偏りを解消しようとして大規模な放電=雷が起こる。

出典:『Lightning stages』-Photo by National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA)/Wikimedia Commons Public domain


 


意外に思われるかもしれませんが、静電気の原理そのものは、雷と同じです。


どちらも、 たまった電気が一気に放電する現象


違うのは、ただひとつ。
スケールです。


雷は、桁外れの電圧と電流。
静電気は、その超ミニチュア版。


静電気は電圧こそ高いものの、 電流量が極端に小さく、しかも持続時間は一瞬
そのため、体に深刻なダメージを与える前に終わります。


静電気の「バチッ」は感電に似ていても、電気の量と時間が圧倒的に小さいため、危険性が低い現象です。


静電気で感電しねぇのはよ、電流がめちゃくちゃ弱くて、しかも一瞬で終わっちまうからなんだぜ!電圧が高くても害がねぇって聞けばちょっと安心だろ?あの「パチッ」はただの“ごあいさつ”みてぇなもんだと思っときゃOKだ!