電磁誘導は日常生活の中にある?身近な例を紹介!

日常生活の「電磁誘導」利用例

IHクッキングヒーターや電動歯ブラシの充電器などが、電磁誘導の仕組みを活用している。電力の非接触伝送や小型モーターの制御にも広く用いられている。目に見えにくいが多くの機器に組み込まれている技術である。

電磁誘導は日常生活の中にある?身近な例を紹介!

「電磁誘導」って聞くと、なんだか理科室の実験とか、発電所の巨大な設備を思い浮かべてしまいますよね。
正直、日常生活とはちょっと距離がありそうな響きです。


でも実はこれ、まったくの別世界の話ではありません。
知らないだけで、あなたの毎日の暮らしの中にも、電磁誘導はしれっと登場しています。


電磁誘導は、「触れていないのに電気が生まれる」という、とても身近で便利な現象です。


たとえば、スマホを置くだけで充電できるあの仕組み。
改札をピッと通れるICカード。
じつはその裏側でも、電磁誘導がちゃんと仕事をしています。


このページでは、 電磁誘導が使われている身近なものや道具をいくつか取り上げながら、「どんな場面で」「どうやって働いているのか」を、できるだけかみ砕いて解説していきます。


専門用語は控えめに、イメージ重視で。
読み終わるころには、「あ、これも電磁誘導だったのか」と、日常の見え方がちょっと変わるはずですよ。



電磁誘導ってどんな現象だった?

ファラデーの電磁誘導実験模式図(鉄環と2つのコイル)

ファラデーの電磁誘導実験模式図
片側コイルの電流を変化させると、鉄環の磁束が変わり反対側に誘導電流が生じる。
「磁場そのもの」ではなく「変化」が起電力を生むことを示す。

出典:『Faraday emf experiment』-Photo by Eviatar Bach / Wikimedia Commons CC0 1.0


 


まずはここで、さくっとおさらいしておきましょう。
電磁誘導とは、磁界が変化したときに、コイルの中に電流が流れ出す現象のことです。


ちょっと難しそうに聞こえますが、考え方は意外とシンプル。
ポイントになるのは、「磁界が変わる」という一点だけです。


電磁誘導は、「磁石の動き」をきっかけに、「電気の流れ」が生まれる現象です。


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動きがきっかけになる現象

電磁誘導のスタート地点は、とてもわかりやすいところにあります。
それが、磁石やコイルが動くこと


磁石が近づいたり離れたりすると、その周囲の磁界も変化します。
この「変化」が起きた瞬間、コイルの中に影響が伝わり、じっとしていた電子たちがざわっと動き始めます。


動きがなければ、何も起きない。
逆に言えば、動きさえあれば電気が生まれる
ここが、電磁誘導のいちばん基本的な考え方です。


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電気が自然に生まれる現象

では、動いた結果、何が起きているのでしょうか。
流れを並べると、こんなイメージになります。


磁石が動く → 磁界が変わる → 電子が引っぱられる → 電流が生まれる


誰かがスイッチを押しているわけでも、電池をつないでいるわけでもありません。
それでも、結果として電気が自然に流れ出す。これが電磁誘導です。


ここが、この現象のいちばん面白いところ。 電気をためておかなくても、つくり出せるという性質があるからこそ、発電所や充電システム、非接触技術など、さまざまな場面で活用されています。


 


次の章では、この電磁誘導が、私たちの身近な道具の中で「どんな形で使われているのか」を見ていきましょう。
知ってしまうと、普段の生活の中にも、電磁誘導の気配が見えてきますよ。


実はこんなところに!身近な電磁誘導の例

教科書の中だけの話、と思いきや。
電磁誘導は、実は私たちの毎日の生活の中でフル稼働しています。意識していないだけで、かなり身近なところに潜んでいるんです。


電磁誘導は、「つながっていないのに電気が生まれる」という性質を、暮らしの中で活かした技術です。


代表的な例を見てみましょう。


  • 自転車のライト
  • IHクッキングヒーター
  • ワイヤレス充電
  • 電動歯ブラシの充電
  • 電車のICカードリーダー


ここからは、それぞれがどんな仕組みで電磁誘導を使っているのか、順番に見ていきます。


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自転車のライト

自転車のダイナモ発電ライト(ボトルダイナモ)

自転車のダイナモ発電ライト(ボトルダイナモ)
タイヤの回転で磁石とコイルが動き、
電磁誘導で電気を作って前照灯を点灯させる。

出典:『Bicycle dynamo and light』-Photo by Santeri Viinamaki / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


自転車のタイヤ横についている、あの小さな発電機。
タイヤが回ると中の磁石とコイルが動き、磁界が変化します。


その結果、コイルの中に電流が発生。 ペダルをこぐ力が、そのまま電気に変わる仕組みです。電池いらずなのは、電磁誘導のおかげなんですね。


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IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーターで鍋の水が沸騰している様子

IHクッキングヒーターで鍋の水が沸騰している様子
コイルの磁場変化で鍋底に渦電流が生まれ、
その電気抵抗が熱になって中身を加熱する。

出典:『Induction Cooktop Rolling Boil』-Photo by Wtshymanski/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


IHは、ちょっと意外かもしれませんが、電磁誘導の代表例。
ヒーター内部で発生した磁界の変化によって、鍋の底に電流が流れ、その抵抗で発熱します。


火を使っていないのに熱くなるのは、 鍋そのものが電気で加熱されているから。これも電磁誘導ならではの使い方です。


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ワイヤレス充電

ワイヤレス充電パッド上で充電されるスマートフォン

ワイヤレス充電パッド上で充電されるスマートフォン
充電パッドのコイルに交流を流して磁場を変化させ、
スマホ側コイルに誘導電流を作ってバッテリーへ充電する。

出典:『Phone wireless charge』-Photo by Seawhelan/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


置くだけで充電できるスマホ。
この裏側でも、しっかり電磁誘導が働いています。


充電台側が磁界を変化させ、スマホ内部のコイルがそれをキャッチ。
その結果、電気が発生してバッテリーに送られる仕組みです。


コードがなくても充電できるのは、この性質のおかげですね。


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電動歯ブラシの充電

電動歯ブラシの誘導充電(洗面所での充電を想定した方式)

電動歯ブラシの誘導充電(洗面所での充電を想定した方式)
充電台と本体のコイル間で磁界をやり取りし、非接触で電力を受け渡す。
端子の露出を減らせるため、水回りの充電設計と相性がいい。


 


洗面所で使う電動歯ブラシも、実は電磁誘導の恩恵を受けています。
本体と充電スタンドは金属端子でつながっていませんが、非接触で電気を受け渡ししています。


水回りでも安全に使えるのは、 直接通電しない設計だから。ここでも電磁誘導が活躍中です。


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電車のICカードリーダー

電車改札のICカードリーダー(タッチ決済の読み取り部)

電車改札のICカードリーダー
読取機の磁界でカードに電力と通信を与え、タッチで認証が完了する。
電磁誘導(近接結合)を使う非接触ICの代表例。

出典:『JRE Mito-STA Oarai-Kashima-Line Gate』-Photo by MaedaAkihiko/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


改札でカードをピッとするだけ。
あの一瞬で、ICカードには電流を流すためのエネルギーが送られています。


カード自体に電池は入っていません。
それでも動くのは、リーダー側が磁界を変化させ、電磁誘導でエネルギーを与えているからです。


 


こうして見ると、 「線でつながなくても、電気はやり取りできる」という電磁誘導の性質が、本当にいろいろな場面で使われているのがわかります。


気づいた瞬間から、普段の道具がちょっと賢く見えてくる。
それが、電磁誘導のおもしろさですね。


電磁誘導=未来の“線なし電気”技術!

最近では、この仕組みがさらに進化して、未来の便利な道具づくりにもどんどん応用されています。
ポイントはやっぱり、「つながっていないのに電気が届く」というところ。これが、使い勝手も安全性も一段引き上げてくれます。


電磁誘導は、コードに縛られない新しい電気の使い方を広げています。


注目されている活用例を見てみましょう。


  • 電気自動車のワイヤレス充電
  • 医療用インプラント
  • スマート家電の電源供給


ここからは、それぞれがどんな未来を描いているのかを、もう少し具体的に見ていきます。


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電気自動車のワイヤレス充電

電気自動車のワイヤレス充電デモ(駐車位置での非接触給電)

電気自動車のワイヤレス充電デモ
地面側コイルの磁界で車両側に誘導電流を発生させ、非接触で充電する。
ケーブル接続なしで給電できる電磁誘導の代表例。

出典:『Electric car wireless parking charge』-Photo by NJo/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


電気自動車の充電といえば、重たいケーブルを差し込むイメージがありますよね。
でもワイヤレス充電なら、駐車場に停めるだけで充電開始


地面側と車両側のコイルの間で電磁誘導が働き、コードなしでエネルギーが送られます。
雨の日でも扱いやすく、将来的には充電の手間そのものが消える可能性もあります。


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医療用インプラント

人工内耳(コクレアインプラント)の外部コイルと体内インプラント

人工内耳の外部コイルと体内インプラント
皮膚を挟んだコイル同士の電磁誘導で電力と信号を受け渡す。
金属端子を露出させず、体内デバイスへ非接触でエネルギーを送る。

出典:『Cochlear Implant, by MedEl』-Photo by Thomas.haslwanter/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


 


人工内耳やペースメーカーなど、体内に入れる医療機器にとって、電源の供給はとても重要です。
ここで電磁誘導が使われると、体の外から非接触で電力を送れるようになります。


電池交換のための手術を減らせる可能性もあり、患者さんの負担を小さくできる点が大きなメリット。
安全性と快適さを両立できる技術として、期待が集まっています。


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スマート家電の電源供給

カウンター埋め込み型のワイヤレス給電スポット(スマート機器のコードレス電源)

コーヒーショップのワイヤレス給電スポット
天板や家具に給電ポイントを埋め込み、置くだけで機器へ電力を渡す。
アクセス管理や稼働状況をクラウドで制御する発想も示している。

出典:『Power 2.0 Ecosystem illustration - Powermat charging spots on counter in a coffee shop』-Photo by Veredai from Powermat Technologies/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


スマート家電が増えるほど、気になるのがコードの多さ。
電磁誘導を使えば、コードいらずで電源供給ができるようになります。


見た目がすっきりするだけでなく、掃除のしやすさや設置の自由度もアップ。
デザイン性と使いやすさを同時に高められるのが魅力です。


 


こうして見ると、電磁誘導は単なる理科の知識ではありません。 生活をもっと快適にしてくれる、見えないチカラ
そんな存在として、これからの暮らしを静かに変えていきそうですね。


電磁誘導っつーのはよ、「動きや磁石の力で電気を生み出す、めっちゃ身近で便利な現象」なんだぜ!ライトも充電も、全部この仕組みのおかげだ。身の回りの“電気の魔法”にちょっと目を向けてみろよ、面白ぇぞ!