

ボルタ電池とダニエル電池って、名前が並ぶと「どっちも同じ電池でしょ?」って思いがちです。
でも実は、ダニエル電池はボルタ電池の“困りポイント”をかなり上手に直してきた改良版なんです。というのも、ボルタ電池は電気を出せても、すぐに元気がなくなりがち。
そこで登場するのが、液を分けたり反応を整理したりして、電気を安定させたダニエル電池なのです。ここでは利点だけじゃなく欠点もちゃんと確認して、どこが進化してどこが課題なのか、スッキリ整理していきましょう。
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ボルタ電池は、亜鉛板と銅板を、うすい酸(例:うすい硫酸や塩酸)などの電解液に入れて電気を取り出す電池です。まず亜鉛が電子を出して溶けやすい金属なので、亜鉛側が負極になりやすい。逆に銅側は電子を受け取る側になり、こちらが正極っぽい役目をします。
そして流れとしてはこんな感じです。
──こんな具合に、金属の性質の違いで電流が流れるわけです。
ただしボルタ電池には、使っているうちに電気が出にくくなる弱点があります。その代表が分極です。これは、反応の途中でできた水素が銅板の表面にくっついてしまい、まるで薄い膜みたいになって邪魔をする現象なんですね。
しかも、水素が表面にたまると、
──という困りごとが一気に出てきます。ようするに「最初は元気なのに、すぐ息切れしやすい電池」になりがちなのです。だからこそ、改良が必要だったということですね。
ボルタ電池は仕組みがシンプルな反面、分極で電気が弱まりやすいのが大きな弱点です!
そこで登場するのがダニエル電池です。ボルタ電池と同じく金属の違いで電気を取り出しますが、決定的にちがうのは「反応の起き方を分けて、整理した」ところ。
ダニエル電池はふつう、
──こんな構成でつくられます。ここがポイントで、液を分けることで、反応がごちゃごちゃしにくくなるんです。
ボルタ電池の弱点だった分極は、「水素が銅板にくっつく」ことが原因でしたよね。ところがダニエル電池では、銅板側に銅イオンがたくさんいます。だから電子を受け取る相手が水素イオンではなく、銅イオンになりやすいんです。
つまり、
──こういう流れになります。
ダニエル電池のいちばんの強みは、分極が起こりにくく、電圧が安定しやすいところです。
そしてもうひとつ。ダニエル電池は反応が比較的きれいに進むので、電池としての性質を学ぶときにも便利です。だからこそ、電池の「改良ってこうやるんだ!」が見えやすい存在なのです。
ダニエル電池は分極が起こりにくく、電圧が安定しやすいのが大きな利点です!
とはいえ、ダニエル電池にも弱点はあります。万能ではない、というところがまた理科っぽいですね。
まず、作りがボルタ電池より複雑です。液を2種類用意して、しかも混ざりすぎないように工夫が必要。ここが手間になります。
──つまり「作りやすさ」ではボルタ電池に負ける面があるわけです。
さらに、硫酸銅水溶液は青色で見た目はきれいですが、薬品なので扱いには注意が必要です。目や口に入るのはもちろんダメですし、こぼしたらすぐに洗い流す。そういう基本の安全ルールが大切です。
実験では手袋や保護メガネを使い、終わった液は勝手に流さず、学校や先生の指示どおりに処理してください。
しかも長く使うと、銅イオンが減ったり、亜鉛側の状態が変わったりして、だんだん性能が落ちることもあります。逆に言えば、電池は「中の材料が変化していく装置」なので、ずっと同じ出力のままではいられない、ということでもあるのです。だからこそ、欠点も含めて理解しておくのが大事だということですね。
ダニエル電池は安定する反面、構造が複雑で薬品の扱いにも注意が必要です!
ここまでで「ダニエル電池はボルタ電池より何が優れているのか」が見えてきました。結局のところ、ポイントは分極を減らして安定させたところで、これが使いやすさに直結していたんです。
まとめると──
──以上3点が、「ダニエル電池がボルタ電池より優れている」と言われる理由です。
そして覚えておきたいのは、電池の改良は「強い金属を使う」だけじゃないということ。反応を整理して、じゃまを減らす工夫こそが、電池を安定させる近道になります。
ボルタ電池が“はじまりの電池”だとしたら、ダニエル電池は“ちゃんと使える電池”へ近づいた大きな一歩。だからこそ、両方を比べると電池の進化がよくわかるのです。
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