光電効果与え続けたら電子がなくなるの?

光電効果と電子の消失

光電効果では電子が物質表面から放出されるが、電子自体が消失するわけではない。放出された電子は別の場所で電流として使われるなど、エネルギーの形を変えて存在し続ける。つまり、質量保存の法則には反していない。

光電効果を与え続けたら電子がなくなるの?

光が当たると、電子が飛び出す。
それが光電効果です。


ここまで聞くと
「じゃあ光を当て続けたら、電子って全部なくなるの?」


そんな疑問が浮かびますよね。


結論から言うと


電子が空っぽになる前に、別の変化が先に起こります


その変化と結果について、順番に見ていきましょう。



電子は金属の中にたくさんある

金(Au)の電子殻構造(電子配置)を示す模式図

金(Au)の電子殻構造(電子配置)
金原子の外側には多くの自由に動きやすい電子が分布しており、原子同士が集まった状態でも電子が共有されやすい。そのため、内部には電子が大量に存在する構造となっている。

出典:『Electron shell 079 Gold』-Photo by Pumbaa (original work by Greg Robson)/Wikimedia Commons CC BY-SA 2.0 UK


 


まず押さえておきたいのは、金属の中には、もともと電子が大量に存在しているという点です。


金属原子は、外側の電子を比較的ゆるく手放しています。
そのため金属の内部には、原子に強く縛られていない電子が、びっしり詰まっています。


イメージとしては、原子の骨組みの間を、電子が自由に動き回っている状態。
この「動ける電子」があるからこそ、金属は電気を通します。


つまり、光電効果で飛び出す電子は、金属の電子全体から見れば、ほんの一部。
底が見えないくらいの量が、最初からあるんですね。


まとめると── 金属は「電子の倉庫」のようなもので、簡単になくなるほど少なくはありません


金属の中には大量の電子があるため、光を当てたくらいで枯渇することはありません!


光で飛び出すのはごく一部だけ

光電効果の模式図
紫外線が金属表面に当たると電子が放出される現象を示す

出典:Photo by Ponor / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より


 


次に大事なのが、どんな電子でも飛び出せるわけではないという点です。


光電効果が起きるには、条件があります。
それは、 光のエネルギーが一定以上であること


弱い光をいくら当てても、電子は飛び出しません。
飛び出せるのは、表面近くにいて、しかも条件を満たした電子だけです。


さらに、一つの光子につき、飛び出せる電子は基本的に一つ。
まとめて大量に吹き飛ぶ、ということもありません。


つまり光電効果で外に出る電子は、選ばれたごく一部だけ
金属全体から見れば、微々たる量です。


光電効果で飛び出す電子は限られているため、急激に減ることはありません!


電子がなくなる前に別の変化が起きる

では、仮に光を当て続けたらどうなるのか。
実は、電子が尽きるより先に、光電効果そのものが起きにくくなります


電子が飛び出すと、金属はプラスに帯電します。
するとどうなるか。


プラスに帯電した金属は、外へ出ようとする電子を、強く引き戻そうとします。
つまり、電子が逃げにくくなるんですね。


この引き戻す力が強くなると、同じ光を当てても、電子は外に出られなくなります。


さらに、現実の装置では、飛び出した電子は回路を通って戻されます。
外へ出っぱなし、という状況自体が作られていません。


ようするに電子がなくなる前に、帯電や回路の影響で光電効果は頭打ちになります
「電子切れ」という心配は不要なんです。


電子が減る前に別の制限がかかるため、光電効果で電子が消えることはありません!


 


突き詰めると、光電効果は「電子を消費する現象」ではありません。


電子は大量に存在し、飛び出すのは一部だけ。
しかも、条件がそろわなければ続かない。


つまり 光電効果を与え続けても、電子がなくなることはない


そう理解しておけば大丈夫です。