

「あれ? さっきまで電池切れだったのに、少し置いたらまた電圧が戻ってる?」
二次電池では、こんな“電圧回復”と呼ばれる現象が起きることがあります。
まるで電気が自然に増えたように見えますが、実はそうではありません。内部で起きているのは、濃度の再分布と内部抵抗の一時的な変化です。順番に整理していきましょう。
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電圧回復とは、放電を止めてしばらく休ませたときに、端子電圧が少し上昇する現象のことです。
電池には、
という2つの考え方があります。
放電中は内部抵抗の影響で端子電圧が低下しています。電流を止めると、その電圧降下が消えるため、電圧が“戻った”ように見えるのです。
電圧回復は、内部抵抗による電圧降下が解消されることで起こります!
では、もう少し踏み込んでみましょう。
放電中は、電極近くのイオン濃度が偏ります。これを濃度分極といいます。
──こうした状態になります。
放電を止めると、時間とともにイオンが拡散し、濃度の偏りが緩和されます。その結果、電極反応がしやすい状態に近づき、電圧が少し回復します。
休ませると、イオン濃度の偏りが解消されます!
電池の内部抵抗は、単なるオーム抵抗だけではありません。
内部抵抗には、
──があります。
放電を止めると、拡散抵抗や分極成分が一時的に小さくなります。そのため、端子電圧が起電力に近づきます。
ただし、これは“見かけ上の回復”であって、容量が増えたわけではありません。
電圧回復は、分極や拡散抵抗の緩和による現象です!
電圧回復は、SOC(充電状態)が低いほど目立ちやすくなります。
SOCが低いと、
──この状態で大電流を流すと、電圧は急低下します。
しかし電流を止めれば、濃度が再び均一になり、電圧が少し持ち直します。これが「まだ使えそう」と感じる理由です。
低SOCほど、電圧回復ははっきり現れます!
ここが重要です。電圧が戻っても、失われた容量が復活したわけではありません。
電圧回復は、
──という現象です。
再び負荷をかければ、電圧はまた下がります。
電圧回復は“エネルギー復活”ではありません!
ここまで、二次電池の電圧回復の原理を整理してきました。
まとめると──
──以上3点がポイントです。
そして大切なのは、「端子電圧」と「本当のエネルギー量」は同じではないということです。 電圧回復は、内部状態が一時的に整うことで起こる見かけの現象です。
電池のふるまいを理解するには、内部の化学と回路の両方を見る視点が大事なのですね。
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