

燃料電池の起電力って、要するに「理論的にどれくらいの電圧が出せるか」という目安です。求め方はいくつかありますが、学校や基礎学習でいちばん扱いやすいのは、反応のエネルギー(ギブズ自由エネルギー)から出す方法。もう少し実務寄りだと、濃度(分圧)まで入れたネルンスト式で計算します。ここでは両方を、できるだけスッと入る形でまとめます。
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燃料電池の起電力は、電池が外部に電流を流す前(またはごく小さい電流のとき)に得られる理論上の電圧です。
実際の電圧は、内部抵抗や反応の遅れ(過電圧)で下がりますが、まずは「理論値」を押さえるのが第一歩です。
代表例の水素燃料電池(PEFCなど)は、全体として次の反応です。
水素燃料電池:
H₂ + 1/2 O₂ → H₂O
この反応がどれだけ“電気の仕事”をできるかで起電力が決まります。
起電力Eは、次の式で求められます。
E = −ΔG / (nF)
──これが「起電力の基本式」です。
水素燃料電池(H₂ + 1/2 O₂ → H₂O)では、電子は2個動きます。
つまり n = 2 です。
そして、標準状態(25℃、1 atm)で水(液体)を生成する場合、ΔG°はおよそ−237 kJ/molがよく使われます。
これを式に入れると…
E° ≈ 237000 / (2 × 96485) ≈ 1.23 V
つまり、標準状態での理論起電力は約1.23Vです。
実際の燃料電池は、温度やガスの濃さ(分圧)で起電力が変わります。そこで使うのがネルンスト式です。
E = E° − (RT / nF) ln Q
──この式で「条件つきの起電力」が計算できます。
反応:H₂ + 1/2 O₂ → H₂O(生成物が液体水なら水は1として扱う)
このとき反応商Qはざっくり、
Q = 1 / (p(H₂) × p(O₂)^(1/2))
となります(pは分圧)。
だから、水素や酸素の分圧が高いほどEは上がりやすい、逆に低いほど下がりやすい、という関係になります。
ここまでで、燃料電池の起電力の求め方を整理しました。
まとめると──
──以上3点が押さえるべきところです。
まずは「ΔGで起電力を出す」→次に「ネルンスト式で条件を入れる」と覚えると、迷わなくなるのです。
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