

いまでは山の上や海の上に大きな風車が立ち並び、当たり前のように電気をつくっています。
でも、風で電気をつくるという発想は、いったいいつ生まれたのでしょうか。
そして、最初にそれを形にしたのは誰だったのでしょう。
風力発電の歴史は、じつは思っているよりも長いのです。
ここでは、風力発電のはじまりから実用化までの流れを、順番に見ていきましょう。
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まず知っておきたいのは、風の力を利用するしくみ自体はとても古いということです。
なんと1000年以上前から、風車は粉ひきや水くみに使われていました。
中東やヨーロッパでは、風で羽根を回して仕事をさせる風車が広く使われていたのです。
しかし、この時点ではまだ「電気」は関係ありませんでした。
風で電気をつくろうとしたのは、電気の仕組みがわかってきた19世紀の後半。
そして1888年、アメリカの発明家チャールズ・F・ブラッシュが、大型の風力発電機をつくり、自宅の電灯をともしました。
風車が「仕事の道具」から「電気を生む装置」へ変わった瞬間だったのです。
つまり、風そのものは昔から使われていましたが、風力“発電”が始まったのは約130年前のことなのです。
風力発電は古い風車の技術から生まれた、新しい電気のしくみなのです!
では、「風力発電を作った人」は一人なのでしょうか。
実は、はっきりとした“ひとりの発明者”がいるわけではありません。
たしかに、最初に大きな風力発電機をつくったのはブラッシュでした。
しかし、その後もデンマークやドイツなどで改良が重ねられ、多くの技術者が形を進化させていきました。
特にデンマークでは、20世紀初めに小型風力発電機の研究が進み、農村で使われるようになりました。
そして石油危機が起きた1970年代になると、再び風力発電が注目され、大型化が進んでいきます。
風力発電は、ひとりの天才ではなく、時代ごとの知恵の積み重ねで育ってきた技術なのです。
つまり、さまざまな国と人びとが少しずつ改良し、いまの姿にたどり着いたということ。
歴史のバトンリレーです。
風力発電は、多くの人の工夫がつながって生まれた技術なのです!
最初の風力発電機ができても、すぐに世界中へ広がったわけではありません。
なぜなら、当時は火力発電のほうが安く、安定していたからです。
しかし1970年代の石油危機で、エネルギーを外国に頼る危うさが明らかになりました。
そこで、風や太陽といった再生可能エネルギーの研究が一気に進みます。
1990年代以降は、環境問題への関心も高まり、ヨーロッパを中心に風力発電が急拡大しました。
さらに2000年代には、中国やアメリカでも大量に導入され、いまでは世界中で重要な発電方法のひとつになっています。
風力発電は、エネルギー危機と環境問題をきっかけに本格的に広がったのです。
そして近年では、海の上に建てる洋上風力発電が主役になりつつあります。
技術の進歩が、実用化を後押ししているのです。
風力発電は、時代の課題にこたえながら少しずつ広がってきたのです!
風力発電の歴史は、古い風車の時代から始まりました。
そして19世紀に電気と出会い、20世紀のエネルギー問題をきっかけに大きく成長しました。
ようするに、風力発電は突然生まれた技術ではありません。
長い年月と多くの人の工夫が積み重なってできあがった発電方法なのです。
風をどう活かすか──その問いは、これからも続いていきます。
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