

木を燃やして火を起こす──これ、人間の歴史の超ベテラン技です。
そして実はこの「木のエネルギー」が、いまのバイオマス発電にもつながっています。
バイオマス発電の歴史は、「昔からある当たり前」から始まって、「技術としての発電」に育って、さらに「地球の未来を考える流れ」で見直されてきた、という流れなんですね。
|
|
|
まず大前提として、人間は昔から木や木炭を燃やして、熱や明かりを手に入れてきました。
というのも、木は身近にあって集めやすく、燃やせばすぐに熱が出るからです。だからこそ、料理、暖房、ものづくり(陶器や金属を作る火)など、生活の中心で活躍してきたんですね。
ここで大事なのは、「燃やして熱をつくる」だけでも、立派なエネルギー利用だという点です。
つまり、バイオマス発電はゼロから生まれた新発明というより、昔からの燃料文化を、現代の技術で電気へつなげ直した発想なんです。バイオマス発電の出発点は、「木を燃やす」という人類の定番を、電気づくりへ橋渡ししたところにあります。
ただし、昔の人がやっていたのは、基本的に熱をそのまま使う方法でした。
でも発電となると話が一段変わって、熱で水を沸かして蒸気をつくり、その蒸気でタービンを回して発電機につなげる──こういう仕組みが必要になります。
ここはちょっと注意ポイントで、木を燃やすと煙や粒(灰)が出るので、設備の中が汚れやすいのも事実です。
なので、運転するときは燃えかすがたまらないように掃除や点検が欠かせません。
次に大きな転換点が来るのが、20世紀後半です。
なぜなら、この時期は「エネルギーをどう確保するか」が国の大問題になりやすく、しかも発電設備の技術もどんどん進んだからです。
特に注目しやすいのが、1970年代の石油危機(オイルショック)です。
これをきっかけに、「燃料を一種類に頼りすぎるのは怖いよね」という意識が広がり、木くずや農業の残り、紙の燃えるごみなど、いろいろな燃料を活用する考え方が強くなっていきました。
しかもこの頃から、ただ燃やすだけじゃなく、「廃棄物を減らしたい」という気持ちも加わってきます。
つまり、バイオマスはごみ処理と発電をセットで考えやすい相手だったんですね。バイオマス発電が広がった背景には、「燃料の分散」と「廃棄物の活用」を同時に進めたい流れがありました。
もちろん簡単な話ばかりではなく、燃料の水分が多いと燃えにくかったり、集める手間や運ぶコストがかかったりもします。
逆に言えば、燃料の乾燥、集荷の仕組み、設備の改良が進むほど、バイオマス発電は現実的になっていった、ということです。
そして国や地域によっては、木材産業が盛んな場所や農業が強い場所で、バイオマスが「地元の資源」として扱われやすくなりました。
だからこそ、バイオマス発電は地域密着の発電として伸びやすかった面もあるのです。
そして今の流れをつくっているのが、いわゆる脱炭素の動きです。
というのも、地球温暖化を抑えるために二酸化炭素の排出を減らそう、という世界の合意が強まり、電気の作り方そのものが見直されているからですね。
ここでバイオマス発電が「もう一回、注目される」理由は、燃料が生き物由来で、育つ過程で二酸化炭素を吸収している点にあります。
つまり、条件が整えば、燃やして出る分と吸収する分のバランスを取りやすいという見方ができるんです。バイオマス発電は、燃料の作られ方まで含めて考えることで、二酸化炭素を減らす選択肢として再評価されやすくなりました。
ただし、ここも大事な注意があります。
どんな木でも、どんな運び方でも同じ評価になるわけではなく、燃料を遠くから運びすぎるとその分の排出が増えたり、森林の扱い方しだいでは環境への負担が大きくなったりします。
なので、世界では「燃料の出どころ」や「管理の仕方」を確かめるルールづくりも進んでいます。
このあたりは、ラベルや認証を見ずに「バイオマスだから大丈夫」と決めつけない姿勢が大切です。
ようするに、いまの再評価は「何でもOK」ではなく、燃料と仕組みをちゃんと整えた上で、役に立てようという方向なんですね。
だからこそ、バイオマス発電は地域資源とルールの両方がそろうほど、強みが出てきます。
ここまでで「バイオマス発電の歴史」というテーマでお話してきました。
昔の火の利用から、発電技術としての広がり、そして今の再評価まで──流れで見るとスッとつながります。
まとめると──
──以上3点が、バイオマス発電の歴史を追うときの大事な見取り図になります。
そして、いちばん覚えておきたいのは「いつから始まったか」だけではなく、「どういう理由で広がったか」まで見ること。
バイオマス発電は、古い燃料文化と新しい社会課題が合流して伸びてきた発電方法です。
だからこそ、これからの動きも「燃料の集め方」「管理の仕方」「地域との相性」をセットで見ていくと、ニュースや政策の話もグッと読みやすくなっていきますよ。
|
|
|