バイオマス発電と脱炭素:二酸化炭素が増えない理由とは?

バイオマス発電と脱炭素

バイオマス燃料は燃焼時に二酸化炭素を排出するが、植物が成長過程で同量を吸収している。大気中の炭素を循環させる形になるため、理論上は排出量が増えにくいとされる。これがカーボンニュートラルと呼ばれる考え方である。

バイオマス発電と脱炭素:二酸化炭素が増えない理由とは?

バイオマス発電は「燃やす」発電なのに、どうして脱炭素と関係があるのだろう──そう思ったことはありませんか。


たしかに、木や生ごみを燃やせば二酸化炭素は出ます。それなのに「地球温暖化対策に役立つ」と言われるのは、そこに“循環”という大事な考え方があるからです。



植物がもともと二酸化炭素を吸収しているから

まず思い出してほしいのは、植物は光合成によって空気中の二酸化炭素を吸収して育つということです。木も、トウモロコシも、牧草も、成長するときに大気中のCO₂を取り込んでいます。


そして、その植物を燃やすと二酸化炭素が出ますが、それは「もともと空気中にあった分」が戻っているだけとも言えます。新しく地下から掘り出した炭素ではない、ここがポイント。


流れを整理すると、こうなります。


  1. 植物が空気中の二酸化炭素を吸収する。
  2. その植物を燃料として使う。
  3. 吸収した分に近い量の二酸化炭素が空気に戻る。


──つまり、大気の中でぐるっと回っている炭素を使っているというわけです。


ただし、森林を減らしてまで燃料を増やせば吸収量が減ってしまうため、資源の管理はとても重要です。


植物がもともと二酸化炭素を吸収しているからこそ、バイオマス発電は脱炭素の議論に登場するのです!


カーボンニュートラルの考え方がカギになる

ここで出てくるのがカーボンニュートラルという考え方です。これは「出す量と吸収する量が差し引きゼロに近い状態」を目指すという意味です。


バイオマス発電では、燃やすと二酸化炭素が出ますが、その燃料が育つ過程で同じくらい吸収していれば、長い目で見ると増えていないと考えます。これが、カーボンニュートラルと呼ばれる理由です。


もちろん、燃料を運ぶトラックや設備の建設でも二酸化炭素は出ます。だからこそ、どこまでを含めて計算するのかという「ライフサイクル」の視点も大切になります。


  • 排出量と吸収量をセットで考える。
  • 長い期間で差し引きを見る。
  • 輸送や加工の排出も含めて評価する。


──逆に言えば、きちんと管理してこそカーボンニュートラルは成り立つのです。


カーボンニュートラルの視点を持つことで、バイオマス発電の役割がより正しく見えてきます!


化石燃料とちがう循環型エネルギーだから

では、石炭や石油と何がちがうのでしょうか。化石燃料は、何百万年も前の生きものが地下に閉じ込められてできたものです。それを掘り出して燃やすと、地中に眠っていた炭素が新しく大気中に加わることになります。


一方、バイオマスは今この時代に育った植物がもとです。燃やしても、炭素は現在の大気の循環の中で回っているだけ。ここが大きな違いです。


  • 化石燃料は地下から新しい炭素を出す。
  • バイオマスは今の大気の中で循環している炭素を使う。
  • 再び植物が吸収すれば循環が続く。


──だからこそ、バイオマス発電は「循環型エネルギー」と呼ばれるのです。


化石燃料とはちがい、炭素をぐるぐる回す仕組みだからこそ、脱炭素の選択肢のひとつになっているのです!


 


バイオマス発電が「二酸化炭素が増えない」と言われるのは、植物の吸収カーボンニュートラルという考え方、そして循環型の炭素の流れが背景にあるからで、重要なのはきちんと管理された循環を続けられるかどうかなのです。