

バイオマス発電の話って、「木を燃やして電気をつくるんでしょ?」で止まりがちなんですが、実はその前からもう“エネルギーの旅”は始まっています。
というのも、木や草や作物って、ただそこに生えているだけで、太陽の力をコツコツ貯金している存在なんですね。
そして、その貯金されたエネルギーを、熱やガスを経由して電気に変えていく。
ようするにバイオマス発電は、太陽→植物→燃料→熱やガス→回転→電気という流れをたどる発電方法なんです。
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まず最初のスタート地点は、発電所ではなく“植物”です。
植物は太陽の光を受けると、光合成によって空気中の二酸化炭素と水から、体をつくる材料(デンプンなど)を生み出します。
ここで大事なのが、植物の中にできたその材料が、ただの「食べもの」や「木の成分」ではなく、エネルギーを持った物質だということ。
つまり、太陽の光のエネルギーが、植物の中で“化学エネルギー”としてたくわえられているんですね。
バイオマス燃料は、植物が太陽の力を化学エネルギーとして貯めた“エネルギーのかたまり”です。
しかも木材チップ、ペレット、稲わら、サトウキビの搾りかすみたいに、材料の形は違っても「太陽から来たエネルギー」という芯は同じです。
もちろん、ここで一つ注意もあります。
植物が育つには時間がかかるので、燃料を使うスピードと育つスピードのバランスを考えないと、資源が続かなくなってしまいます。
次の段階では、植物に貯まっていた化学エネルギーを、発電で使いやすい形に変えていきます。
そして、その代表が燃焼と発酵です。
まず燃焼は、木質チップやペレットのような固体燃料を燃やして、熱エネルギーを取り出す方法です。
この熱で水をあたためて蒸気をつくり、次の「回転」へつなげていきます。
一方の発酵は、生ごみや家畜ふん尿みたいに水分が多い材料に向いています。
微生物の力で分解して、主にメタンを含むバイオガスをつくり、そのガスを燃やして熱を得たり、エンジンを回したりします。
ここを整理すると、燃料のタイプで通り道が少し変わります。
どちらも最終的に「熱」へつながりやすい──つまり、バイオマス発電は「化学エネルギー」をいったん熱やガスに変えることで、発電しやすい形に整えているわけです。
ただし、燃料の水分が多すぎると燃焼効率が落ちたり、発酵が不安定になったりするので、前処理や管理がけっこう大事になります。
そして最後は、いよいよ電気をつくるところです。
ここで活躍するのがタービンと発電機で、バイオマス発電も基本は他の火力発電と同じく「回転」を使います。
燃焼でつくった熱で水を沸かし、蒸気の勢いでタービンを回す。
あるいは、発酵でつくったバイオガスを燃やして、ガスエンジンやガスタービンを回す。
そして、その回転が発電機に伝わると、電磁誘導によって電気エネルギーが生まれます。
熱やガスのエネルギーは「回転」に変換され、その回転が発電機で電気になります。
ようするに、電気に変わる直前の“最後の姿”は、いつも回転なんですね。
ここでのコツは、回したあともムダにしないこと。
たとえば蒸気を使い切ったあとの温かさ(排熱)を、お湯や暖房に回せると、同じ燃料でも役に立つ量が増えていきます。
だからこそ、発電だけでなく熱利用もセットで語られることが多いんです。
バイオマス発電のエネルギー変換をまとめると
つまり、バイオマス発電は「太陽の力を、時間をかけて貯めて、工学で電気に戻す」流れの発電なんです。
そして、この流れがスムーズに回るほど、燃料のムダが減り、効率も上がっていきます。
エネルギーの旅路を知ると、バイオマス発電がただ燃やしているだけじゃないって、見え方が変わってきますよ。
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