水力発電の「水路式」の仕組み:どんなデメリットがあるの?

水力発電の「水路式」の仕組み

水路式は川の水を水路で引き込み、落差を利用して発電する方式である。大規模ダムを必要としないため環境負荷が比較的小さいとされる。だが流量が減ると発電量が下がりやすく、安定性に課題がある。

水力発電の「水路式」の仕組み:どんなデメリットがあるの?

水力発電と聞くと、大きなダムを思い浮かべる人が多いかもしれません。
でも実は、ダムをつくらないタイプの水力発電もあります。


それが「水路式」です。
名前は聞いたことがあっても、仕組みやデメリットまで知っている人は意外と少ないかもしれません。


今回は、水路式水力発電のしくみと、その特徴を一緒に見ていきましょう。



水路式水力発電の基本的な仕組みとは?

水路式水力発電は、大きなダムで水をためるのではなく、川の水を一部取り入れて水路に流し、その落差を利用して発電する方式です。


まず川から取水口で水を取り入れます。
そして人工の水路やトンネルを通して、水を少し低い場所へ導きます。


その途中で生まれる高低差を利用して、水車やタービンを回すのです。
つまり、水を「ためる」のではなく、「流れを活かす」のが水路式の特徴なのです。


大規模な貯水池をつくらないため、景観への影響も比較的小さいとされています。
自然の川の流れをうまく使う発電方法──それが水路式です。


水路式は、水をためずに流れの落差を利用する発電方式なのです!


ダム式とのちがいと水路式のメリット

では、よく知られているダム式とは何がちがうのでしょうか。


ダム式は水を大量にためて、一気に落とすことで安定した出力を得ます。
一方、水路式は基本的に川の流量に合わせて発電します。


この違いから、いくつかの特徴が見えてきます。


  • 大規模なダムを建設しなくてよい。
  • 工事規模が比較的小さい。
  • 景観や水没地域への影響が少ない。


──こんな具合に、水路式は環境負荷を抑えやすいというメリットがあります。


大きなダムをつくらないぶん、地域への影響を抑えやすいのが水路式の強みなのです。


ただし、ためた水で出力を調整することはできません。
この点が、次の課題につながっていきます。


ダムをつくらないという選択が、水路式の大きなメリットなのです!


水路式のデメリットと注意点

ここが大事なポイントです。


水路式は川の流れに依存しています。
つまり、雨が少なければ流量が減り、そのぶん発電量も減少します。


水をためられないため、出力を安定させにくいのが水路式の弱点なのです。


さらに、川から水を取り入れることで、下流の水量が一時的に減る場合もあります。
そのため、生態系や漁業への配慮が欠かせません。


また、大規模な発電には向きにくく、出力規模はダム式より小さいことが多いです。
環境への影響が小さい代わりに、発電量も控えめという側面があります。


水路式は環境負荷を抑えやすい一方で、出力の安定性や規模に課題があるのです!


 


水路式水力発電は、水をためずに流れの落差を利用する発電方法です。
ダム式よりも環境への影響を抑えやすいという強みがありますが、出力の安定性や規模の面では制約があります。


どちらが良い悪いではなく、それぞれに役割がある。
水路式は、地域や条件に合わせて選ばれる、水力発電のもうひとつのかたちなのです。