

風力発電は、風が強いほどたくさん発電できそう──そんなイメージ、ありませんか。
でも台風のときは、風車をわざと止めることがあります。どうして止めるのか。そして倒れてしまう危険はあるのか。ここをわかりやすく整理してみましょう。
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まず台風は、とても強い風と大雨をともなう自然現象です。
風力発電にとって風は大切なエネルギー源ですが、強すぎる風は逆に負担になります。大型の風車は通常、風速25m/s前後を超えると安全のために停止する設計が多いです。これは「カットアウト風速」と呼ばれます。
台風では40m/s以上の暴風になることもあり、そのまま回し続けるとブレードや内部の機械に大きな力がかかってしまいます。
台風の強風は、発電に有利どころか機械に大きな負担をかけるのです
では、なぜわざわざ止めるのでしょうか。
理由はとてもシンプルで、「壊さないため」です。風が強すぎると、回転のスピードが上がりすぎてしまいます。回転が速すぎると、遠心力が増え、ブレードや軸に大きな負荷がかかります。
そこで、風速が一定以上になると、ブレードの角度(ピッチ)を変えて風を受け流し、さらにブレーキをかけて停止します。いわば「台風モード」に入るわけですね。
強風時に止めるのは、機械を守るための安全設計です
では、倒れてしまうことはあるのでしょうか。
風車は、台風を想定した設計基準に基づいて作られています。基礎は地中深くまでコンクリートで固定され、タワーも強風に耐えられる強度があります。
もちろん、まれに事故が報告されることはありますが、多くは設計想定を超える特殊な条件や部品の不具合が重なったケースです。通常は、強風前に停止し、風を受け流す姿勢をとることで安全性を確保します。
──このように、風力発電は台風を前提に考えた安全対策が組み込まれているのです。
それでも定期点検を怠ると、部品の劣化が事故につながる可能性があります
台風対策は「設計+自動停止+点検」の組み合わせで成り立っています
風力発電は、強風だからこそ止める設計になっています。
台風のときは発電より安全を優先し、自動停止や角度調整で機械を守ります。つまり風力発電は、自然の力を利用しながらも、自然の強さをきちんと見越して作られている発電設備なのです。
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