

バイオマス発電って、木や草だけじゃなくて「藻(も)」みたいな小さな生き物も材料にできるって知っていましたか?
とくに最近は、ミドリムシ(ユーグレナ)や微細藻類(びさいそうるい)を使って燃料をつくる研究が進んでいて、なんだか理科の未来図みたいな話になってきています。
しかも藻類は、太陽の光を浴びながら育ち、体の中にエネルギーをせっせとためこむ名人。
だからこそ、うまく育てて、うまく取り出せれば、再生可能エネルギーの新しい選択肢として期待されているんです。
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まず押さえておきたいのは、藻類が光合成をするという基本です。
太陽の光と水、そして空気中の二酸化炭素(CO2)を材料にして、体の中にエネルギーをつくり出します。
しかもそのエネルギーは、ただの「元気のもと」ではありません。
種類によっては、油(脂質)やデンプンのような成分を多くためこむことができ、それが燃料づくりの材料になる可能性があるんですね。
藻と聞くとワカメやノリを思い浮かべがちですが、研究で注目されているのは微細藻類という、とても小さな藻です。
顕微鏡でやっと見えるくらいのサイズですが、水の中でどんどん増え、成長スピードも速いものが多いのが特徴です。
そして大事なのは、藻類がためる成分は、育てる環境によって変わるという点。
光の強さ、栄養の量、水温などが少し変わるだけで、増え方や油の量が変わるので、育て方の工夫がとても重要になります。
ポイントを整理すると、こうなります。
──このように、藻類は「光をエネルギーに変えて、体にためる」しくみを持っています。
つまり、藻類は“光で満たされる小さなエネルギータンク”のような存在なんです。
では、「ミドリムシで発電?」という話を見てみましょう。
ミドリムシ(ユーグレナ)は、光合成もできるし、自分で泳ぐこともできるという、ちょっとユニークな生き物です。
研究では、このミドリムシや微細藻類の中にある脂質などを取り出し、燃料へと変える方法が探られています。
たとえば、取り出した油を加工して、軽油の代わりに使える「バイオ燃料」に近づける、といった方向です。
ただし、藻類は水の中にうすく広がっているので、まずは集めて濃くする必要があります。
そのあとで油を抽出し、さらに燃料として使える形に加工する工程が必要です。
つまり、育てるだけでは完成しないというのが現実。
しかし逆に言えば、集め方や抽出方法、加工技術を改良していけば、効率を上げる余地があるということでもあります。
現在の研究では、油だけでなく、残った成分も別の用途に使う「総合利用」の考え方が進んでいます。
効率化とコスト削減が同時に進めば、実用化への道がぐっと近づきます。
流れをまとめると、次のようになります。
──この一連の工程をうまく回せるかどうかがカギになります。
だからこそ、藻類燃料は“生物の力”と“技術の工夫”が組み合わさって初めて成り立つのです。
最後に、なぜ藻類が「次世代資源」と呼ばれるのかを見ていきましょう。
その理由のひとつは、トウモロコシやサトウキビのような食料作物と競合しにくい可能性があることです。
というのも、藻類は必ずしも広い農地を必要としません。
水槽や池、場合によっては工場の敷地内などでも育てられる可能性があり、「土地の取り合い」をやわらげられるかもしれません。
とはいえ、育てるのに大量の電気や栄養を使えば、その分エネルギー消費も増えます。
ですから、育て方をどう設計するかがとても重要になります。
うまくいけば、排出されたCO2を活用して育てる仕組みも考えられており、環境への負担を減らせる可能性もあります。
つまり、設計と運用の工夫しだいで、メリットは大きくも小さくもなるということです。
整理すると、こうなります。
──こうして見ると、藻類は「ポテンシャルが大きい素材」だと言えます。
逆に言えば、育て方と使い方を最適化できたときに、本当の価値が発揮される資源なのです。
ここまでで「バイオマス発電の生物資源:ミドリムシで発電!?藻類利用の最新技術」というテーマを見てきました。
小さな藻類ですが、その可能性は決して小さくありません。
まとめると──
──以上3点が、藻類バイオマスを理解するための基礎になります。
単に「未来的だからすごい」という話ではなく、育て方や加工方法まで含めて考えることが大切です。
藻類は、小さな体に大きな可能性を秘めた次世代エネルギー資源として、これからも研究が続いていくでしょう。
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