

潮の満ち引きって、毎日当たり前に起きているのに、実はとても大きなエネルギーを秘めています。
月や太陽の引力によって動かされる海水の力──それが、地球規模のスケールでゆっくりと動き続けているわけです。
そして潮力発電は、そのエネルギーをタービンの回転に変え、さらに電気エネルギーとして取り出す方法になります。
燃料を燃やすわけではありませんから、二酸化炭素の排出がほとんどないという点でも注目されている発電方法です。
ただし、ここで一つだけ大事なポイントがあります。
「潮の力=ぜんぶ電気にできる」という単純な話ではなく、どうしても取りこぼしが出ますし、設備の中でも摩擦や発熱などによるロスが生じます。
潮力発電の課題は、潮のエネルギーをどれだけムダなく電気へ変えられるかにあります。
だからこそ、エネルギー変換効率という考え方がとても重要になってくるのです。
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まず、潮力発電が「何をどこまで変えているのか」を整理してみましょう。
潮力発電には大きく分けて、潮の流れを直接使う潮流発電と、潮位の差を利用する潮汐(ちょうせき)発電がありますが、どちらも最終的にはタービンを回すことで発電します。
エネルギーの流れをたどると、
潮のエネルギー → タービンの回転(機械のエネルギー) → 発電機による電気(電気エネルギー)という順番です。
しかし、この変換のどこかで必ずロスが生じます。
まず、海の流れや水の動きから、タービンがどれだけうまくエネルギーを取り出せるかという段階。
次に、その回転を発電機がどれだけ効率よく電気に変えられるか。
さらに、送電や変換装置の中でも少しずつエネルギーが失われます。
つまり、「潮が強い場所なら効率も高い」と単純には言えません。
取り出し方と電気への変え方の両方がそろって、はじめて高い効率になるのです。
ようするに、効率は“海の力”と“機械の工夫”の合わせ技というわけですね。
ただし、効率だけを追い求めすぎると、設備が巨大化したり、環境への影響が大きくなったりする可能性もあるため、バランスが大切です。
潮の力は大きいですが、どこまで電気に変えられるかは取り出し方と設備の性能で決まります!
では、なぜ潮力発電は「効率を上げるのが簡単ではない」と言われるのでしょう。
まず大きいのは、潮の流れが常に一定ではないという点です。
潮は1日の中で速さが変わりますし、潮止まりと呼ばれるほとんど流れがない時間帯もあります。
つまり、タービンがいつも理想的な条件で回れるわけではないのです。
しかも、海の中という環境はとても過酷です。
海水は空気より重いためエネルギーは取り出しやすいのですが、そのぶん装置への負担も大きくなります。
貝や海藻が付着する付着生物、サビ、砂や漂流物など、効率を下げる要因がたくさんあります。
そして、見落とされがちなのが「効率には種類がある」ということ。
タービンの取り出し効率。
発電機の変換効率。
さらに、設備が止まらずに動き続ける稼働率。
逆に言えば、タービンの性能が良くても、頻繁に止まれば発電所全体の成績は伸びません。
だからこそ潮力発電は、自然条件と機械の強さと運用の工夫を一体で考える必要があるのです。
潮力発電は「潮の変化」と「海の厳しさ」という二つの壁があるため、効率を伸ばすのが難しいのです。
効率が伸びにくい理由は、潮が変動し、海の環境が装置にとって厳しいからです!
では、効率を上げるためにはどうすればよいのでしょう。
ポイントは、「取り出す力を高める」「ロスを減らす」「止まらない仕組みをつくる」ことです。
代表的な工夫を整理すると、次のようになります。
──このように、効率アップは一つの工夫で決まるわけではなく、さまざまな改善の積み重ねで実現していきます。
さらに、運転方法の工夫も重要です。
潮位差を使うタイプでは、発電できる時間帯を広げるために両方向で発電する仕組みを取り入れるなど、運用面での改善も進められています。
そして何より大切なのは、データを取り続けること。
計測し、制御し、改善する──このサイクルを回し続けることで、少しずつ効率は向上していきます。
潮力発電の効率向上は、設計・制御・メンテナンスの三つをそろえることがカギなのです。
効率を上げるには、機械の改良と運用の工夫を続けることが欠かせません!
潮力発電のエネルギー変換効率は、単なる数字ではありません。
どれだけ安定して、どれだけムダなく、どれだけ長く電気を生み出せるかを示す大切な指標です。
潮の動きは予測しやすいという強みがありますが、海の環境は決してやさしくはありません。
だからこそ、効率を上げる取り組みはこれからも続いていきますし、その積み重ねが潮力発電の未来を支えていくのです。
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