

ダリウス型って聞くと、「なにそれ、恐竜みたいな名前…?」って思いませんか。
でも実はこれ、風力発電の世界ではきちんと歴史のある“風車の形”のひとつなんです。しかも見た目がちょっと独特で、ブレード(羽)が弓なりに曲がっているのが最大の特徴。遠くから見ると、しなる弓がぐるっと立っているようにも見えます。
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ダリウス型は、風車の回転軸が地面に対して垂直になっている「垂直軸風車(VAWT)」の仲間です。
まず、私たちがよく知っているプロペラ型の風車は、軸が横向きに寝ていますよね。一方ダリウス型は、軸が縦に立っていて、そのまわりを羽が回るタイプ。だからこそ、風向きが変わっても本体の向きをぐるっと合わせる「ヨー制御」を必ずしも必要としない構成にしやすいのです。
そして何よりのポイントが、揚力(ようりょく)で回るという点。サボニウス型のように「風に押されて回る」だけでなく、飛行機の羽と同じように、風の流れの速さの差から生まれる力を利用して回転します。
ダリウス型は、弓なりの翼で揚力を生み出し、風を効率よく回転エネルギーに変える垂直軸風車です
では、あの弓なりの形は何をしているのでしょうか。
ブレードは回転しながら、常に風を斜めに受け続けます。そのとき、ブレードの上下や表裏で空気の流れの速さが変わり、揚力が生まれます。その揚力の一部が回転方向の力(トルク)になり、ぐるぐると回り続けるわけです。
しかもダリウス型では、ブレードが風上側に来るときも風下側に来るときも、条件次第で揚力が発生します。つまり「どの位置でも仕事をしている」状態を作ろうとしている構造なんですね。
ただし、ここに少しクセがあります。回転中はブレードに当たる風の角度が絶えず変化するため、トルクが一定になりにくい。増えたり減ったり、波のように変動しやすいのです。だからこそ設計では、振動や疲労(ひろう)をどう抑えるかが重要になります。
さらに弓なり形状は、回転が速くなると遠心力で外へ引っぱられます。その力をうまく張力として利用できる構造になっているのも特徴。つまり見た目のカーブには、強度面の意味も込められているのです。
弓なりブレードは、揚力を生みつつ、遠心力も計算に入れた合理的な形なのです
ここからは、ダリウス型のメリットと課題を整理してみましょう。
まずメリットは、風向きが変わっても比較的対応しやすいこと。そして回転軸が縦なので、発電機などの重い部品を下部に置ける設計が可能で、点検や整備の発想が広がります。
さらに揚力型なので、うまく設計すれば高い周速比で回転し、条件が整えば効率のよい運転が期待できます。
一方で、よく知られている課題が自力で回り始めにくい(セルフスタート性が弱い)ことです。止まった状態では十分なトルクが得られず、回り出すための工夫が必要になる場合があります。そのため、サボニウス型と組み合わせたハイブリッド構造や、らせん状ブレードでトルク変動をなだらかにする工夫などが研究されています。
整理すると、次のようになります。
──このように、ダリウス型は理論的に優れた面を持ちながら、運用面では細かな工夫が欠かせないタイプなのです。
ダリウス型はトルク変動や振動対策が不十分だと、機械的な負荷が大きくなる可能性があります
ダリウス型の真価は、設計と制御をどこまで最適化できるかにかかっています
ダリウス型は、弓なりブレードで揚力を生み出し、風を回転に変える垂直軸風車です。
起動性やトルク変動といった課題はあるものの、その構造はとても合理的で、改良の余地も大きい。だからこそ今も研究が続けられ、風力発電の選択肢のひとつとして大切に扱われているのです。
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