

バイオマス発電は、木や食べものの残りなどをエネルギーに変えられるので、うまく回ればとても頼もしい発電です。
しかも、再生可能エネルギーとして地域に役立つ可能性も大きい。だからこそ期待も集まりますし、各地で導入が進んできました。
でもその一方で、「燃料が生ものに近い」「ガスが出る」「粉が舞う」といった性質も持っています。つまり、便利さの裏側に、取り扱いのむずかしさもあるということです。
そこでこの記事では、バイオマス発電で起こりがちなトラブルを実際の事故事例の傾向をふまえながら整理し、どう防ぐかをわかりやすく見ていきます。
|
|
|
まず知っておきたいのは、バイオマス発電では「発酵」が大活躍する反面、その発酵で燃えやすいガスが生まれることがある点です。
たとえば、家畜ふん尿や生ごみを発酵させると、主成分がメタンのバイオガスが出ます。メタンは空気と一定の割合で混ざると、火花や高温部分をきっかけに燃えたり、場合によっては爆発的に燃焼したりする性質があります。
しかもガスは目に見えませんし、においが弱い場合もある。だからこそ「気づいたときにはたまっていた」という事態が起こり得るのです。
事故の流れを整理すると、こうなります。
──つまり、「ガスがたまる条件」と「火がつく条件」が重なったときに事故は起きるというわけです。
ガス設備では「見えない・におわない」ことを前提に、常時の計測や十分な換気を行うことが不可欠です。
発酵ガスはエネルギーの源ですが、ためない・検知する・火種を遠ざけるという三つの対策が事故防止の基本です!
次に多いのが、燃料の保管や搬入まわりのトラブルです。木質ペレットやPKS(アブラヤシの殻)などは、一見すると乾いた安全な固形燃料に見えます。
しかし実際には、湿気や圧力、時間の経過によって内部温度が上がったり、可燃性ガスが発生したり、細かい粉じんが発生したりすることがあります。そして粉じんが空気中に舞い、それが着火源と出会うと「粉じん爆発」につながるケースも報告されています。
ここで注意したいのは、事故は突然ではなく、段階を踏んで進むことが多いという点です。
──だからこそ、燃料の保管と搬送は「燃やす前」の重要な安全管理ゾーンなのです。
粉じんは目に見えにくい場合もあり、清掃や集じん設備を軽視すると危険が高まります。
燃料は置いてあるだけでも状態が変わるので、保管・搬送の管理こそ事故予防の要になります!
そして最後に、いちばん地味だけれど効果が大きいのが設備点検と安全管理です。
事故が起きたあとに原因を調べると、「温度上昇の兆候があった」「異常音が出ていた」「警報が軽視されていた」といった例が見つかることがあります。つまり、サインは出ていた可能性があるということです。
守り方を流れで整理すると、こうなります。
──結局のところ、「異常を早く見つけて広がる前に止める」ことが最強の対策なのです。
点検が形だけになってしまうと意味がないので、数値データと現場の感覚の両方で確認する姿勢が重要です。
設備点検と安全管理を徹底することが、事故を未然に防ぐもっとも確実な方法です!
バイオマス発電のトラブルは、ガスと粉じんと燃料の状態変化が重なって起こりやすいのが特徴です。だからこそ、受入・保管・搬送という「燃やす前」の段階を丁寧に管理し、異常を早期に発見して止める仕組みを整えることが、安全に続けていくための現実的な対策なのです。
|
|
|