

風力発電が多い県って聞くと、「え、どこが一番なの?」ってちょっとワクワクしませんか。
そして結論から言うと、近年は北海道エリアの導入が大きく伸び、全国でもひときわ目立つ存在になっています。実際、日本風力発電協会(JWPA)のまとめでは、2024年末時点で北海道地区の導入量が前年比およそ455MW増え、全国トップになったと報告されています。
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まず知っておきたいのは、風力発電は「どこでも同じように建てられる」わけではないということです。
というのも、風車はただ風が吹けばいいのではなく、住まいとの距離、工事用の道路、そして送電線への接続──いくつもの条件がそろってはじめて活躍できるからです。だからこそ、自然条件と社会条件の両方が大事になるんですね。
少し前の都道府県別データを見ても、北海道・青森・秋田など北日本の地域が上位に並んでいます。
つまり「風が強い」だけでなく「設置しやすい環境がある」県ほど、風力発電は増えやすいというわけです。
そして逆に言えば、風があっても住宅が密集していたり、山が急すぎたりすると、思うようには増えません。発電は自然だけの話ではなく、土地の使い方とも深くつながっている──そこがポイントです。
では、なぜ北海道がここまで注目されているのでしょうか。
まず大きいのは風況(ふうきょう)です。北海道は三方を海に囲まれ、季節風や低気圧の影響を受けやすい地域が多く、年間を通して安定した風が吹きやすい場所が点在しています。とくに日本海側やオホーツク海側では、強い風が長時間続くことも少なくありません。
しかも近年は、陸上だけでなく洋上風力(海の上の風車)も動き始めました。たとえば石狩湾新港の洋上風力発電所が運転を開始し、導入量の増加に大きく貢献しています。
ようするに、北海道は「陸でも海でも、風を電気に変えられる場所」が広い。しかも大規模な設備をまとめてつくりやすい。だからこそ数字がぐっと伸びたのです。
ここで大事なのが、「広い土地」という条件です。
まず風車はとても大きな設備です。羽の直径が100メートルを超えるものもあり、遠くからでもはっきり見えます。しかも回転すると音も出ますし、影が動く現象(シャドーフリッカー)も起こります。だからこそ、住宅地とある程度の距離を取ることが必要になります。
さらに、風車は適当に並べればいいわけではありません。前の風車が風を受けると、その後ろには風の乱れができます。その影響を避けるため、一定の間隔を空けて配置する必要があります。つまり広い用地があったほうが効率よく発電できるのです。
ここまでを整理すると、北海道が有利になりやすい条件は次の通りです。
──このように自然条件と土地の余裕がそろうと、風力発電はぐっと導入しやすくなります。
ただし、忘れてはいけないのが送電網の問題です。北海道は広いぶん、発電した電気を都市部まで送るインフラの強化が課題になることもあります。発電量が増えるほど、「運ぶ力」も同じように大切になるのです。
全国の分布を見てみると、風力発電が多い県は「風がある」だけではなく、「建てられる環境」が整っている地域だとわかります。
そして北海道が盛んなのは、強い風、広い土地、そして洋上風力の広がりが重なっているからこそ。だからこそ今後は、発電量を増やすだけでなく、送電網の整備や地域との共存まで含めたバランスが大切になっていくでしょう。
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