

海の波で電気をつくる波力発電って、名前だけ聞くと「海がそのまま発電所になるの?」なんて想像してしまいますよね。
たしかにロマンがありますし、しかも再生可能エネルギーのひとつとして世界中で研究が進められています。
でも実は、波力発電が進んでいる国にはちゃんと理由があります。
つまり「波が強いからすごい」でも「技術があるから強い」でもなく、自然条件と仕組みづくり、その両方がかみ合っているんです。
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まずスコットランドが強い理由は、とにかく波の条件が良いことです。
というのも、北大西洋から入ってくるうねりが強く、しかも長い周期で続きやすい海域が多いからです。
波のエネルギーは「高さ」だけでなく「周期」にも左右されるので、うねりが安定している海は研究に向いているんですね。
たとえばオークニー諸島には、実際の海で装置を試せるEMEC(欧州海洋エネルギーセンター)の試験海域があります。
沖合には送電用の接続点が整備されていて、海底ケーブルでそのまま陸に電気を送れる仕組みも用意されています。
強い波が来る海と、すぐ試せる設備がそろっていることが大きな強みなのです。
一方のスウェーデンも、西海岸を中心に波力研究が進められてきました。
外海に面した場所で実海域試験ができるため、机上の計算だけでなく「本物の波」で性能を確かめられる環境が整っています。
次に大事なのが、国の支援と研究体制です。
波力発電は、装置が大きく、海の工事も必要になりがちです。
だからこそ、最初から民間企業だけで続けるのはなかなか大変です。
そこでスコットランドでは、政府主導でWave Energy Scotlandが設立され、部品や制御技術ごとにテーマを分けて研究を進めています。
つまり「全部まとめて成功させる」のではなく、「弱いところを一つずつ強くする」戦略なんですね。
スウェーデンでは、ウプサラ大学をはじめとする研究機関が中心となって開発を進めています。
発電性能だけでなく、環境への影響や長期運転のデータまで含めて研究しているのが特徴です。
ただし、支援があってもすぐに大規模発電へ進めるわけではなく、長い年月がかかる分野でもあります。
だからこそ、研究が途中で止まらない仕組みが重要になります。
国が「続ける前提」で支えることが、波力発電の強さにつながるのです。
そして最後は、やはり実証実験の積み重ねです。
スコットランドの試験海域では、実際に海へ装置を出し、壊れたら改良し、また試すというサイクルが何度も行われています。
海は予想外の力が働く場所なので、この「本番環境での経験値」がとても大きいんですね。
スウェーデンでも、リュセキル沖などで実海域試験が行われてきました。
発電効率だけでなく、海洋生物への影響や装置の耐久性までデータを集めています。
うまくいかなかった点を見つけたら、原因を分析し、設計を直し、次の試験へ。
この地道な積み重ねが、技術を少しずつ現実に近づけてきました。
実海域での試験回数が多いほど、装置は強く、賢くなっていくのです。
スコットランドとスウェーデンが波力発電で強いのは、波の条件、国の支援と研究体制、そして実証実験の積み重ねがそろっているからです。
ようするに、海の力だけではなく「改良し続けられる仕組み」まで持っていることが決定的な違い。
だからこそ、波力発電は条件の整った国から一歩ずつ前に進んできたのです。
そして海に囲まれた日本にも、学べるヒントはたくさんあるのです!
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