

バイオマス発電って、「燃やして電気をつくる」だけの話だと思われがちなんですが、実はそこからが本番です。
というのも、燃やしたときに出る熱は、上手に扱えば電気づくりにも、あたためにも使える“ごちそう”みたいな存在だからなんですね。
そして、熱は一度ムラが出ると、発電の安定にも影響しやすい厄介者でもあります。
だからこそ現場では、熱をためたり、ならしたり、より高温で取り出したりと、いろいろな工夫が積み重ねられているのです。
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まず押さえておきたいのは、バイオマスを燃やすと燃焼熱が出て、これが発電のスタート地点になるということです。
しかも、その熱は「その場で全部使い切る」だけじゃなく、いったんためて、必要なときに取り出すような考え方もあります。
というのも、燃料の状態が毎秒まったく同じということは少なく、木くずやチップは水分量や形がバラつきやすいんですね。
だからこそ、熱の出方に波があると、蒸気の量や温度も揺れてしまって、発電が安定しにくくなります。
そこで登場するのが、「熱をならす」「熱をためる」「熱を別の場所へ運ぶ」といった発想です。
ようするに、熱を上手に“貯金”しておくほど、発電や熱利用は安定しやすくなるということなんです。
しかもバイオマスは、電気だけを取り出すのではなく、残った熱をお湯や暖房に回す「熱利用(コージェネ)」と相性がいい場合があります。
たとえば工場の乾燥工程、地域の給湯、温室の加温など、熱が必要な場所が近ければ近いほど、ムダが減りやすいんですね。
逆に言えば、熱は遠くへ運ぶほど冷めてしまうので、配置の設計がすごく大事です。
それでも、熱を“捨てない”方向で考えると、燃料から得られるエネルギーをより丁寧に使えるようになります。
「砂が主役?」って、ちょっと意外に感じますよね。
でも実は、方式によっては砂が熱のクッションみたいな働きをしてくれます。
というのも、砂は細かい粒の集まりなので、たくさん集まると全体として熱を受け止めやすく、温度の上下をなだらかにしやすいんです。
つまり、燃料の燃え方に少し波があっても、砂が間に入ることで「急に熱くなる」「急に冷える」を減らしやすい、というイメージですね。
ここは注意で、すべてのバイオマス発電で砂をこう使うわけではありません。
ただ、方式によっては砂が循環して、熱を運ぶ役目をもつケースがあり、そこで「温度を安定させる」効果が期待されます。
そして大事な結論としては、砂は“燃料そのもの”ではなく、熱を受け止めて整えるための相棒だという点です。
代表例として知られているのが、砂などの粒を空気でふわっと動かしながら燃やす流動床というしくみです。
砂がよく混ざることで、燃料に空気が当たりやすくなり、燃え方が均一になりやすい──そんな狙いがあるんですね。
しかも、砂の層があると熱が広がりやすいので、部分的に熱が集中しすぎるのを防ぎやすい面もあります。
ようするに、砂は「熱のため池」みたいに働いて、運転のなめらかさを支えることがあるわけです。
次はガスタービンの出番です。
タービンというと蒸気のイメージが強いかもしれませんが、ガスタービンは高温のガスで羽根車を回して発電します。
ここでポイントになるのが「高温」だということ。
一般に、熱機関は温度差が大きいほど効率が上がりやすいので、高温のガスを上手に使えると、発電の効率アップがねらえます。
ただし、バイオマスをそのまま燃やした煙を、何の工夫もなくガスタービンに入れるわけにはいきません。
というのも、燃えかすの粒や成分が残っていると、タービンの羽根が傷んだり汚れたりしやすいからです。そこでガスの清浄化を省くのは危険で、きちんと整える工程が重要になります。
そして、うまく設計された方式では、高温ガスをガスタービンで先に使い、残った熱をさらに別の形で活用するような考え方も出てきます。
たとえば、ガスタービンの排気はまだ熱いことが多いので、その熱で蒸気をつくって、蒸気タービン側にも仕事をさせる――そんな組み合わせ(コンバインドサイクル)の考え方があります。
つまり、一回で終わらせず、二回に分けて熱を使う。熱の“取りこぼし”を減らす発想ですね。
もちろん、バイオマス側の燃料特性や設備のコスト、運用の難しさもあるので、どこでも採用できる万能技ではありません。
それでも、ガスタービンが活きる場面では、燃料のエネルギーをより高い温度で取り出し、発電効率を押し上げる手助けになりえます。
ここまでで「バイオマス発電の熱利用術」というテーマで見てきました。
電気だけでなく熱まで使い切る目線を持つと、設備の工夫がぐっと立体的に見えてきます。
まとめると──
──以上3点が、砂やガスタービンの役割を理解するための骨組みになります。
そして大事なのは、どれも「必ずこうなる」ではなく、燃料の性質、設備の方式、熱を使う場所の近さなど、条件がそろったときに強みが出るということ。
熱をどう扱うかは、バイオマス発電の“賢さ”が出るところです。
だからこそ、発電の話を聞くときは「電気だけ?」と一歩立ち止まり、熱の行き先までセットで想像してみると、理解が一段深まっていきますよ。
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