太陽に磁場が存在するのはなぜ?

太陽に磁場が存在する理由

太陽内部の高温プラズマの運動と回転によって電流が生じ、それが磁場を生み出している。これは「太陽ダイナモ理論」によって説明される。太陽の黒点やフレア活動もこの磁場によって影響を受ける。

太陽に磁場が存在するのはなぜ?

実は太陽には、地球の磁場とは比べものにならないほど、 桁違いに巨大で強力な磁場が存在しています。


その太陽磁場が、黒点を生み出し、巨大なフレア(爆発)を引き起こし、ときには地球の空に美しいオーロラを出現させる。
太陽で起きている派手な現象の多くは、この磁場の暴れっぷりが原因なんです。


でも、ここで一つ、素朴な疑問が湧きますよね。


太陽って、固い岩の天体でもなければ、巨大な鉄の塊でもありません。
正体は、 燃えさかる超高温のガスのかたまり


「え?そんなドロドロしたガスの集まりに、どうして磁場なんて生まれるの?」


……ちょっとピンと来ませんよね。


実はそこにこそ、太陽磁場の面白さがあります。


結論を先に言ってしまえば、太陽の磁場は「電気を帯びたガスが動き回っているから」生まれているんです。


このページでは、そんな太陽磁場について


  1. 太陽磁場が生まれる仕組み
  2. 太陽磁場が異質すぎるワケ
  3. 太陽磁場が地球に与える影響


という3つの視点から、順番に、かみ砕いて解説していきます。


「太陽って明るくて熱いだけじゃなかったんだな」
そう感じてもらえたら、もうこの先はかなり楽しく読めるはずですよ。



そもそも磁場ってどうやって生まれるの?

Electromagnetism.svg

電流が作る磁場の模式図
直線導線に電流が流れると、その周囲に円形の磁場が形成される様子を示す図。右ねじの法則により磁場の方向が決定される。

出典:Title『Electromagnetism』-Image by Stannered / GNU Free Documentation License,Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より


 


太陽磁場の話に入る前に、ここで磁場について軽くおさらいしておきましょう。


磁場というと、「磁石が作る不思議な力」というイメージが強いですよね。


でも実は、 磁場は「電気の流れ(電流)」があると生まれる力なんです。


もう少し正確に言うと、磁場が発生する条件はとてもシンプルで


電気を帯びたものが動くこと


これだけです。


電気がじっと止まっているだけなら、そこにあるのは電場。
でもその電気が動いた瞬間、まわりの空間に磁場が生まれます。


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「電気が動く」ことで生まれる力

「電気が動く」と磁場が生まれる──と聞いただけでは、イメージが湧きにくいと思いますが、身近な例で言うと、こんなものがあります。


  • 電線に電流が流れているとき:電線のまわりに、ぐるっと渦を巻く磁場ができます
  • モーターが回っているとき:中では電流が流れ、磁場が生まれ、その力で回転が起きています
  • スマートフォンや家電が動作しているとき:内部の回路を流れる電流が、常に磁場を作っています


特別な磁石がなくても、 電気が動いていれば、そこには必ず磁場がある
これが、磁場の基本ルールです。


この視点を持っておくと、次に出てくる太陽磁場の話も、「急にスケールが大きくなっただけなんだな」
と、すんなり理解しやすくなりますよ。


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太陽で磁場が生まれる仕組みは?

ここからが本題です。
太陽の磁場は、どこかから「与えられている」わけではありません。
太陽自身の内部で、自然に生み出されています。
そしてそれは「プラズマ」と「自転」という二つの要素の賜物です。


プラズマ

まずポイントになるのは、太陽の中身が超高温のガス──
正確にはプラズマという状態であること。


プラズマとは、「電気を帯びた粒子が自由に動き回れる状態」の物質です。
つまり太陽の内部では、最初から「電気を帯びたもの」が大量に存在している、というわけですね。


そしてそのプラズマ、太陽の中でじっとしていません。
対流によって上下に動き、場所によって速さを変えながら流れ続けています。


自転

さらに重要なのが、 太陽は自転しているという点。
しかも、太陽は固体ではないので、場所ごとに回転の速さが違う「差動回転」をしています。


この条件がそろうと何が起きるか。


電気を帯びたプラズマが、自転と対流の影響で、 ぐるぐると渦を巻くように動き続ける
これはそのまま、 巨大な電流が流れている状態と同じです。


結果として──


  • 太陽内部に、超巨大な電流の渦が生まれる
  • その電流が、桁違いに強い磁場を作り出す


という流れになります。


 


つまり太陽の磁場は、「磁石があるから生まれる」のではありません。 電気を帯びたプラズマが動き続けている──
その必然的な結果として生まれているんです。


身近な電線に電流を流すと磁場ができる。
それを、 太陽サイズ・太陽エネルギーでやっている
そう考えると、太陽磁場のスケールの大きさが、一気に実感できてきますよね。


太陽の磁場が異質なワケ

太陽表面の磁場分布を示すマグネトグラム(Solar Orbiter/PHI)

太陽表面の磁場分布を示すマグネトグラム
白黒の濃淡で、視線方向の磁場の向きと強さを可視化した観測画像。
黒白の斑点は活動領域に対応し、黒点やフレアの源を示す。

出典:『PHI's map of the Sun s magnetic field』-Photo by ESA and NASA/Solar Orbiter/PHI Team/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0 IGO


 


太陽の磁場は、地球の磁場のように「きれいな棒磁石型」とは、かなり違います。


一見すると、どちらも天体が持つ磁場。
でも中身をのぞくと、 太陽の磁場は「動きすぎ・変わりすぎ・広がりすぎ」な、かなりクセの強い存在なんです。


その理由を、3つのポイントに分けて見ていきましょう。


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天体なのに「磁場が激しく変化し続ける」

地球の磁場は、長い時間スケールで見ると、わりと安定しています。


一方で太陽の磁場は、 常にグニャグニャと形を変え続けています


その原因は、太陽が固体ではなく、電気を帯びたプラズマの塊だから。


内部では、対流・自転・差動回転が同時に起き、磁力線が引き伸ばされ、ねじれ、絡み合う。
結果として、磁場の構造は刻一刻と変化していきます。


「天体の磁場は安定しているもの」
という常識が、太陽ではまったく当てはまらないんですね。


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約11年周期で「極性が反転する」

太陽磁場の、とくに異質なポイントがこれ。


約11年ごとに、N極とS極が完全に入れ替わるんです。


地球でも磁極反転は起こりますが、その周期は数十万年〜数百万年スケール。
人類の歴史では、ほぼ体験できない現象です。


ところが太陽では、たった11年。
しかもこれは、黒点の増減と連動した、はっきりした周期現象。


磁場が「ゆっくり変わる」のではなく、 定期的にひっくり返る
これだけでも、太陽磁場がかなり特殊だと分かります。


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宇宙空間まで影響を及ぼす「拡張性」

太陽の磁場は、太陽の表面だけにとどまりません。


太陽風に乗って、磁場は惑星間空間まで引きずり出され、太陽系全体に影響を与えています。


この拡張された磁場は、地球の磁気圏を揺さぶり、オーロラを発生させたり、人工衛星や通信に影響を与えたりもします。


つまり太陽磁場は、 「太陽ローカルな現象」ではなく、宇宙規模の影響力を持つ存在。
スケールの次元が、そもそも違うんですね。


 


こうして整理してみると、太陽の磁場は


  • 常に変化し
  • 周期的に反転し
  • 宇宙空間まで広がる


という、三拍子そろった超・個性派。


地球磁場を基準に考えると、「同じ磁場」という言葉で呼んでいいのか迷うほど。
それくらい、太陽の磁場は異質で、ダイナミックな存在なんです。


太陽磁場が地球に与える影響とは?

赤と緑のオーロラ

アラスカ州フェアバンクスのオーロラ
太陽磁場の影響で放出された荷電粒子が地球の磁場に導かれ、大気中の原子や分子と衝突して発光する現象として観測される。

出典:Photo by NASA /Wikimedia Commons Public Domainより


 


太陽の磁場は、遠い宇宙の出来事……というわけではありません。
実は、地球にも直接・間接に大きな影響を与えています。


見た目には気づきにくいけれど、空の上では、太陽磁場と地球磁場のやり取りが、常に起きているんです。


太陽磁場は「宇宙の背景設定」ではなく、地球環境を動かす現役プレイヤー
代表的な影響を、3つに分けて見ていきましょう。


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オーロラ:磁場どうしの衝突が生む光のカーテン

極地で見られるオーロラは、太陽磁場の影響が、もっとも分かりやすく目に見える例です。


太陽からは、 太陽風と呼ばれる、電気を帯びた粒子の流れが常に吹き出しています。
この粒子は、太陽磁場をまとった状態で地球へやって来ます。


地球には地球磁場があるため、多くの粒子は弾き返されますが、極付近では磁力線に沿って侵入。
大気中の粒子と衝突して、あの美しい光が生まれるわけです。


つまりオーロラは、 太陽磁場と地球磁場が出会った結果なんですね。


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磁気嵐:現代社会への実害

太陽磁場が活発になると、磁気嵐(スペースウェザー)と呼ばれる現象が起こります。


これは、太陽の磁場が乱れ、大量のエネルギーと粒子が一気に放出されることで、地球磁場が大きく揺さぶられる状態。


影響は、決してSFではありません。


  • 人工衛星の誤作動
  • GPSの精度低下
  • 通信障害
  • 送電網へのダメージ


といった、 現代インフラに直結する問題が、実際に起こることがあります。


太陽磁場の変化は、宇宙天気予報として、真剣に監視されている理由がここにあります。


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地球環境の安定:見えない防波堤としての役割

意外と見落とされがちですが、太陽磁場は、地球環境の安定にも深く関わっています。


太陽磁場と太陽風の組み合わせは、地球磁場と相互作用することで、有害な宇宙放射線の流入を抑える働きを持っています。


もしこのバランスが崩れれば、大気が削られたり、生命にとって厳しい環境になったりする可能性も。


つまり太陽磁場は、脅威であると同時に、 地球環境を形作る要素の一つでもあるんです。


 


こうして見ると、太陽磁場は、ただの宇宙の不思議ではありません。


光となって空を彩り、ときに通信を揺さぶり、そして地球を守る。


目には見えないけれど、私たちの暮らしのすぐ上で、太陽磁場は今日も働き続けているんですね。


太陽に磁場が存在する理由ってのはよ、電気を帯びたプラズマが太陽の中でグルグル渦を巻きまわって、デカい電流を生み出してるからなんだぜ!燃えるガスの塊が磁石になってるってのは驚きだよな!そんな太陽の磁場のおかげで、地球にもオーロラみたいな美しい現象が起きてるってのは、まさにロマンの塊だぜ!