リチウムイオン電池の電解液の種類と成分:どんな組成なの?

リチウムイオン電池の電解液の種類と成分

リチウムイオン電池の電解液は一般に有機溶媒にリチウム塩を溶かした組成が使われる電池だ。溶媒や添加剤の選定で低温特性や安全性、寿命特性が変わるため、電解液は性能設計の中核要素になる。電解液の改良は次世代化の重要テーマである。

リチウムイオン電池の電解液の種類と成分:どんな組成なの?

リチウムイオン電池の中で、イオンの通り道になっているのが電解液です。
正極と負極のあいだを、リチウムイオンがスムーズに移動できるのは、この電解液があるから。しかも、ただの液体ではありません。


実は、いくつかの有機溶媒リチウム塩を組み合わせた“設計された混合液”なのです。ここを理解すると、なぜ高電圧が出せるのか、なぜ可燃性に注意が必要なのかも見えてきます。


順番に整理していきましょう。



電解液の基本構成:溶媒+リチウム塩

リチウムイオン電池の電解液は、大きく分けて次の2つで構成されています。


  • 有機溶媒(炭酸エステル系)
  • リチウム塩(電解質)


──この組み合わせが基本形です。


有機溶媒は、リチウムイオンが動ける“液体の場”。そこにリチウム塩を溶かすことで、イオンが電解液中を移動できるようになります。


なぜ水ではないの?

水は分解電圧が約1.23Vと低く、3~4Vの高電圧では分解してしまいます。
そこで、水の代わりに有機溶媒を使うことで、高電圧でも安定して使えるようにしているのです。


電解液は「有機溶媒+リチウム塩」の組み合わせで成り立っているのです。


水ではなく有機溶媒を使うのが大きなポイントなのです!


有機溶媒の種類:炭酸エステル系が主流

電解液に使われる溶媒は、主に炭酸エステル系です。代表的なものは次の通りです。


  • エチレンカーボネート(EC)
  • ジメチルカーボネート(DMC)
  • エチルメチルカーボネート(EMC)
  • ジエチルカーボネート(DEC)


──これらを単独ではなく、混合して使うのが一般的です。


ECは誘電率が高く、リチウム塩をよく溶かせます。ただし粘度が高い。
DMCやEMCは粘度が低く、イオンの動きを助けます。


つまり、それぞれの長所を組み合わせて、バランスを取っているのです。


可燃性の理由

炭酸エステル系溶媒は可燃性があります。
そのため、高温や内部ショート時に燃焼リスクが生じます。これがリチウムイオン電池の安全設計が重要な理由の一つです。


溶媒は性能を支える一方で、可燃性という性質も持っているのです。


溶媒選びは性能と安全のバランスなのです!


リチウム塩の成分:イオンの供給源

溶媒に溶けているリチウム塩が、実際にイオンを供給します。


もっとも一般的なのは、


  • LiPF₆(六フッ化リン酸リチウム)


です。


LiPF₆は溶媒中で


「Li⁺(リチウムイオン)」+「PF₆⁻」


に分かれます。このLi⁺が電池内を移動する主役です。


なぜLiPF₆が多いの?

導電性が高く、比較的安定しているためです。ただし、水分と反応しやすいという弱点もあります。


そのため製造時は、非常に乾燥した環境で扱われます。


リチウム塩は、電池内を移動するイオンの供給源なのです。


LiPF₆が現在の主流電解質なのです!


 


リチウムイオン電池の電解液の種類と成分を整理しました。


まとめると──


  1. 電解液は「有機溶媒+リチウム塩」で構成される。
  2. 溶媒は炭酸エステル系を混合し、性能を最適化している。
  3. リチウム塩(主にLiPF₆)がイオンの供給源となる。


──以上3点が基本です。


電解液は見えないけれど、イオンの動きを支える中心的な存在だということですね。