

リチウムイオン電池の中で、イオンの通り道になっているのが電解液です。
正極と負極のあいだを、リチウムイオンがスムーズに移動できるのは、この電解液があるから。しかも、ただの液体ではありません。
実は、いくつかの有機溶媒とリチウム塩を組み合わせた“設計された混合液”なのです。ここを理解すると、なぜ高電圧が出せるのか、なぜ可燃性に注意が必要なのかも見えてきます。
順番に整理していきましょう。
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リチウムイオン電池の電解液は、大きく分けて次の2つで構成されています。
──この組み合わせが基本形です。
有機溶媒は、リチウムイオンが動ける“液体の場”。そこにリチウム塩を溶かすことで、イオンが電解液中を移動できるようになります。
水は分解電圧が約1.23Vと低く、3~4Vの高電圧では分解してしまいます。
そこで、水の代わりに有機溶媒を使うことで、高電圧でも安定して使えるようにしているのです。
電解液は「有機溶媒+リチウム塩」の組み合わせで成り立っているのです。
水ではなく有機溶媒を使うのが大きなポイントなのです!
電解液に使われる溶媒は、主に炭酸エステル系です。代表的なものは次の通りです。
──これらを単独ではなく、混合して使うのが一般的です。
ECは誘電率が高く、リチウム塩をよく溶かせます。ただし粘度が高い。
DMCやEMCは粘度が低く、イオンの動きを助けます。
つまり、それぞれの長所を組み合わせて、バランスを取っているのです。
炭酸エステル系溶媒は可燃性があります。
そのため、高温や内部ショート時に燃焼リスクが生じます。これがリチウムイオン電池の安全設計が重要な理由の一つです。
溶媒は性能を支える一方で、可燃性という性質も持っているのです。
溶媒選びは性能と安全のバランスなのです!
溶媒に溶けているリチウム塩が、実際にイオンを供給します。
もっとも一般的なのは、
です。
LiPF₆は溶媒中で
「Li⁺(リチウムイオン)」+「PF₆⁻」
に分かれます。このLi⁺が電池内を移動する主役です。
導電性が高く、比較的安定しているためです。ただし、水分と反応しやすいという弱点もあります。
そのため製造時は、非常に乾燥した環境で扱われます。
リチウム塩は、電池内を移動するイオンの供給源なのです。
LiPF₆が現在の主流電解質なのです!
リチウムイオン電池の電解液の種類と成分を整理しました。
まとめると──
──以上3点が基本です。
電解液は見えないけれど、イオンの動きを支える中心的な存在だということですね。
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