燃料電池から発生する物質とは:電気分解について理解しよう

燃料電池から発生する物質とは

燃料電池の反応では主に水が生成されるため、排出物が少ない発電方式として知られている技術だ。水素と酸素が反応して水ができるシンプルな化学反応が基本となる。電気分解はこの反応の逆過程で水を分解する技術といえる。

燃料電池から発生する物質とは:電気分解について理解しよう

燃料電池は「水素で発電するクリーンな電池」といわれますが、では実際にどんな物質が発生するのか、きちんと説明できますか?


そしてもうひとつ大事なのが、「電気分解」との関係です。名前は聞いたことがあっても、燃料電池とどうつながるのかは、ちょっと混乱しやすいところ。


でも安心してください。仕組みを順番に整理すると、「あ、なるほど」とスッとつながります。


このページでは、燃料電池から発生する物質と、電気分解との関係をわかりやすく見ていきましょう。



燃料電池から何が出てくるの?

まず結論からいきましょう。


代表的な固体高分子形燃料電池(PEFC)では、発電の結果としてできる主な物質は水(H₂O)です。


反応式で見ると、次のようになります。


2H₂ + O₂ → 2H₂O


水素と酸素が反応して、水ができる。とてもシンプルですね。


電気はどこで生まれている?

ここで大事なのは、「ただ水ができる」わけではないという点です。


  • 負極で水素が電子を放出する。
  • 電子が外部回路を流れて電流になる。
  • 正極で酸素が電子を受け取り水になる。


──この流れの途中で、電子が外に取り出されるからこそ電気が生まれます。


つまり、発生する物質は水ですが、その途中で電気エネルギーを取り出しているのです。


また、少量のも同時に発生します。発電は100%効率ではないため、エネルギーの一部は熱になるのですね。


燃料電池から発生する主な物質は水で、同時に電気と熱も生まれるのです!


電気分解とはどう違う?

ここで登場するのが電気分解です。


電気分解は、水に電気を流して水素と酸素に分ける反応です。


2H₂O → 2H₂ + O₂


見てください。燃料電池の反応式と、ちょうど逆になっていますね。


反応の向きが逆!

整理するとこうなります。


  1. 燃料電池:水素と酸素から水をつくり、電気を得る。
  2. 電気分解:水から水素と酸素をつくるために電気を使う。


──つまり、エネルギーの流れが逆なのです。


燃料電池は「化学エネルギー → 電気エネルギー」。
電気分解は「電気エネルギー → 化学エネルギー」。


同じ物質が関わっていても、役割がまったく違うのですね。


燃料電池と電気分解は、反応もエネルギーの向きも逆なのです!


なぜこの関係が重要なの?

この「逆の関係」は、エネルギー社会を考えるうえでとても重要です。


たとえば、太陽光発電や風力発電でつくった電気を使って電気分解を行えば、水素をつくることができます。


そして、その水素を燃料電池で使えば、また電気を取り出せます。


エネルギーの循環イメージ

流れを整理してみましょう。


  1. 再生可能エネルギーで電気をつくる。
  2. その電気で水を電気分解し水素をつくる。
  3. 水素を燃料電池で使い電気を得る。


──このサイクルを「水素エネルギー社会」と呼びます。


もちろん、途中でロスはあります。でも、二酸化炭素を出さずにエネルギーをやり取りできる点が大きな強みです。


水と水素と酸素の行き来が、未来のエネルギーのカギを握っているといえるでしょう。


燃料電池と電気分解は、水を中心にしたエネルギー循環を支える仕組みなのです!


 


ここまでで「燃料電池から発生する物質」と「電気分解」の関係を見てきました。


まとめると──


  1. 燃料電池から発生する主な物質は水。
  2. 電気分解はその逆で、水から水素と酸素をつくる。
  3. 両者はエネルギーの向きが逆の関係にある。


──以上3点が基本です。


そして何より大切なのは、燃料電池と電気分解はセットで考えると、エネルギーの流れが見えてくるということです。片方だけを見るとわかりにくいですが、逆向きの関係だと理解すれば、とても整理しやすくなります。


水という身近な物質が、電気とつながっている──そこに燃料電池の面白さがあるのです。