

水素と酸素が反応して電気を生み出す燃料電池。そのときにできるのが「水」です。しかも理論上は、とても純度の高い水。では、この水はそのまま飲めるのでしょうか?実は、答えは「条件による」です。仕組みだけを見るときれいな水に思えますが、実際の装置では注意すべき点もあります。ここでは、原理上の水の性質と、実際に飲めるかどうかの問題点を整理していきます。
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まず基本から見てみましょう。燃料電池では、水素(H₂)と酸素(O₂)が反応して水(H₂O)になります。化学式どおりに考えると、不純物のない水ができるはずです。
実際、1960年代の宇宙開発では、宇宙船に搭載された燃料電池でできた水を飲料水として利用していました。宇宙では水が貴重だからです。
ただし、これは厳密に管理された環境での話です。高純度の水素と酸素を使い、装置内部も清潔に保たれていました。
つまり、理論上は飲めるレベルの水が生成されるということなのです。
では、家庭用や車用の燃料電池でできた水はどうでしょうか。ここが重要なポイントです。
装置内部には金属部品や配管、触媒などが使われています。これらから微量の成分が溶け出す可能性があります。また、空気中の不純物が混ざることも考えられます。
生成された水は、必ずしも飲料用として管理されているわけではありません。飲み水として利用するには、ろ過や殺菌などの処理が必要です。
つまり、生成水は必ずしも飲料基準を満たしていない可能性があるのです。
もうひとつの問題は保存です。純水はミネラルをほとんど含まないため、配管から金属イオンを溶かしやすい性質があります。長期保存にも向きません。
さらに、実際の燃料電池では排水として処理される設計が多く、飲料として回収する仕組みになっていません。
技術的に高純度の水をつくることは可能です。しかし、日常利用でそのまま飲む設計にはなっていないのが現状です。
つまり、飲める可能性はあるが、通常は飲用を想定していないということなのです。
ここまで、燃料電池で生成した水が飲めるかどうかを整理しました。
まとめると──
──以上がポイントです。
燃料電池の水は理論上きれいでも、そのまま飲む前提ではないのです。
安全に利用するには、用途に合わせた管理が必要だということですね。
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