

ボルタ電池は、金属どうしの反応を利用して電気を取り出す仕組みです。
でも実験をしてみると、最初は元気よく電流が流れていたのに、だんだん弱くなってしまうことがあります。
その原因のひとつが分極(ぶんきょく)という現象です。むずかしそうな名前ですが、仕組みを知るとちゃんと理由があります。さらに、それを防ぐ減極剤という工夫もあるんです。順番に見ていきましょう。
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ボルタ電池では、負極の亜鉛が電子を出し、その電子が外の回路を流れて正極へ向かいます。
正極では、電解液中の水素イオンが電子を受け取り、水素(H₂)になります。
ここまでは順調です。ところが、その水素が問題を起こします。
正極に水素の泡が付着すると、電圧が下がり、電流が弱くなる現象を分極といいます。
水素は気体なので、正極の表面に小さな泡となってくっつきます。
すると金属と電解液が直接ふれ合う面積が減ってしまいます。
その結果、電子の受け渡しがスムーズに進みにくくなります。これが分極の正体なんですね。
──つまり、分極は水素の“たまり”が原因だということなのです。
分極は正極に水素が付着して電圧が下がる現象です!
では、なぜ分極が起こると電池の性能が落ちるのでしょうか。
ポイントは「電子の受け渡し」です。
水素の膜が正極をおおうと、電子のやりとりがしにくくなり、電池の力が弱まるのです。
電池の中には、もともと内部抵抗があります。
そこに水素の膜ができると、さらに電気の流れがじゃまされます。
イメージとしては、スムーズだった道路にぬかるみができるようなものです。車(電子)は進みにくくなりますよね。そのため、同じ電池でも出せる電流が小さくなってしまうのです。
──だから分極が進むと、電池の性能が落ちるというわけですね。
水素の膜が電子の流れをじゃまし、電池の性能を下げてしまいます!
では、この分極をどう防げばよいのでしょうか。
そこで使われるのが減極剤です。減極剤は、水素を減らす働きを持つ物質です。
減極剤は水素を取りのぞき、分極を防ぐ役目を果たします。
たとえば過酸化水素水のような酸化剤は、水素と反応して水に変えたり、電子を受け取ったりします。
その結果、水素の泡がたまりにくくなります。
さらに改良されたダニエル電池では、水素が発生しにくい組み合わせを使い、分極そのものを起こりにくくしました。つまり、減極剤の考え方が発展していったわけです。
──分極への対策は、電池の改良につながる大事なポイントなのです。
減極剤を使うことで分極を防ぎ、電池の働きを安定させることができます!
ここまでで「ボルタ電池の分極」の原因と対策が見えてきました。
水素の付着が性能低下につながり、それを防ぐ工夫があるという流れです。
まとめると──
──以上3点が、分極とその対策のポイントです。
電池はただ反応させるだけではなく、どうやって安定して電気を取り出すかが大切です。分極を理解し、減極剤などの対策を知ることで、電池の仕組みがより深く見えてくるのです。小さな泡が性能を左右する──そこに電池の奥深さがあるということになるのですね。
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