リチウムポリマー電池の歴史:発明者は誰?

リチウムポリマー電池の歴史

リチウムポリマー電池はリチウムイオン電池の発展形として、薄型化や形状自由度を高める目的で実用化が進んだ電池だ。電解質をポリマー系にする研究の流れと、パウチ包装の普及が重なって携帯機器向けに広まっていった。特定の個人発明というより技術改良の積み重ねで普及したといえる。

リチウムポリマー電池の歴史:発明者は誰?

スマートフォンやドローンなど、今では当たり前のように使われているリチウムポリマー電池。でも、この電池はある日いきなり完成したわけではありません。長い研究の積み重ねの中で、少しずつ改良されて生まれてきました。


「発明者は誰?」と聞かれると、ひとりの名前だけを挙げるのは少し難しいのが実情です。というのも、リチウムポリマー電池はリチウムイオン電池の進化形だからです。


ここでは、リチウム電池のはじまりから、リチウムポリマー電池が登場するまでの流れを見ていきましょう。



はじまりはリチウムイオン電池

リチウムポリマー電池の歴史を語るには、まずリチウムイオン電池の誕生を知る必要があります。


1980年代、イギリス出身の科学者ジョン・グッドイナフが、高電圧を出せる正極材料(コバルト酸リチウム)を発見しました。この発見が、現在のリチウムイオン電池の基礎となります。


その後、日本の吉野彰氏が安全性を高めた構造を開発し、1991年に商用化へとつながりました。彼はこの功績により、2019年にノーベル化学賞を受賞しています。


なぜこの発明が重要?

それまでの電池よりも軽く、高容量で、くり返し充電できる電池が実用化されたことで、ノートパソコンや携帯電話が一気に広まりました。


つまり──リチウムポリマー電池の土台は、リチウムイオン電池の発明にあるのです。


まずはリチウムイオン電池の発明が大きな出発点なのです!


ポリマー化への挑戦

リチウムイオン電池は優秀でしたが、内部に液体電解質を使うため、形状に制限がありました。


そこで1990年代に研究が進んだのが、電解質をポリマー(高分子材料)に置き換えるというアイデアです。これによって、電池をより薄く、自由な形に設計できる可能性が広がりました。


完全固体ではなかった?

当初は「完全な固体電解質」を目指しましたが、イオンの動きが十分でないという課題がありました。そのため、実際の製品ではゲル状ポリマーを用いる形に落ち着きました。


こうして、リチウムポリマー電池が実用化へと進んでいきます。特定の一人というより、多くの研究者による改良の積み重ねが生み出した技術です。


ポリマー化は研究の積み重ねから生まれた進化形なのです!


スマートフォン時代とともに普及

2000年代に入り、携帯電話やスマートフォンが急速に普及しました。ここで求められたのが、薄型・軽量の電池です。


リチウムポリマー電池は、アルミラミネートパック構造により、板状に設計できるという強みを持っていました。この特徴が、スマートフォンやタブレットの薄型化を支えました。


今では主力技術に

現在では、モバイル機器だけでなく、ドローンやウェアラブル機器にも広く使われています。


つまり、リチウムポリマー電池は「誰か一人の発明」ではなく、リチウムイオン電池の発展形として時代のニーズに応えてきた技術なのです。


進化の流れの中で生まれた電池といえるでしょう!


 


ここまで、リチウムポリマー電池の歴史を見てきました。


まとめると──


  1. 基礎はリチウムイオン電池の発明にある
  2. ポリマー化は多くの研究者の改良による進化
  3. スマートフォン時代の需要とともに普及した


──以上3点が歴史の流れです。


リチウムポリマー電池は、単独の発明というよりも、リチウムイオン電池の発明を土台にした発展形です。ジョン・グッドイナフ氏や吉野彰氏らの研究成果がなければ、現在の形はなかったでしょう。


科学技術は一人のひらめきだけでなく、多くの研究者の積み重ねで進化していきます。リチウムポリマー電池も、その流れの中で生まれた技術だといえるでしょう。