

リチウムイオン電池って、「メモリー効果がない」とよく言われますよね。でも、そもそもメモリー効果って何なのか、そしてなぜリチウムイオン電池には起こりにくいのか──ここをちゃんと説明できる人は意外と少ないものです。
結論から言うと、電池の中で起きている化学反応の仕組みが違うからです。とくに昔よく使われていたニカド電池とは、内部の材料も反応のしかたも大きく異なります。順番に見ていきましょう。
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まずは基本からです。
メモリー効果とは、「途中までしか使わずに充電を繰り返すと、そこまでしか使えないように見えてしまう現象」のことです。電池が“使った範囲を覚えてしまう”ように見えるため、この名前がついています。
代表的なのはニカド電池です。
──こうした変化がメモリー効果の正体です。
電極の結晶変化がメモリー効果の原因なのです。
つまり、特定の化学反応をする電池で起こる現象だということですね。
では本題です。なぜリチウムイオン電池では起こりにくいのでしょうか。
理由は、リチウムイオン電池ではリチウムイオンが出入りするだけで、大きな結晶成長が起きにくい構造になっているからです。
リチウムイオン電池では、黒鉛などの材料の層のあいだにリチウムイオンが出入りします。これは「インターカレーション」と呼ばれる仕組みです。
──この安定した往復運動があるため、ニカド電池のような結晶の成長が起こりにくいのです。
材料構造が安定しているため、メモリー効果が起きにくいのです。
そのため、「使い切ってから充電しなければならない」という心配は基本的に不要です。
ここまで聞くと、「じゃあいつ充電してもいいの?」と思いますよね。
結論から言うと、リチウムイオン電池は途中充電しても問題ありません。むしろ、完全に0%まで使い切るより、20〜80%くらいの範囲で使うほうが寿命にはやさしいとされています。
──これらのほうが、メモリー効果よりずっと重要です。
リチウムイオン電池にとって本当に大事なのは温度と電圧管理なのです。
つまり、「使い切らなきゃ」と心配するより、過酷な使い方を避けるほうが長持ちにつながるということですね。
リチウムイオン電池にメモリー効果がない理由を整理してきました。
まとめると──
──以上3点がポイントです。
そして覚えておきたいのは、電池ごとに内部の仕組みが違うということです。昔の常識がそのまま当てはまるとは限りません。
リチウムイオン電池は構造そのものがメモリー効果を起こしにくい設計なのです。
だからこそ、安心してこまめに充電できる電池として、今のモバイル社会を支えているということですね。
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