静電気

静電気とは

静電気とは、物質に電荷が偏って蓄積された状態で、電流としては流れていない電気である。摩擦などによって電荷が移動し、物体表面にとどまることで発生する。自然界では身近な電気現象の一つである。

静電気を知る、それは「止まった電気のふるまい」を知ること

冬になるとドアノブに触った瞬間、バチッ!ってきたことありませんか?あのイヤ~なやつ、正体は静電気と呼ばれるもの。これは簡単にいえば「たまった電気が一気に流れる現象」です。このページでは、そんな静電気について、「なぜ起きるの?」「どこでたまりやすいの?」「どうやって防げるの?」といった観点から、わかりやすく解説していきます。



静電気ってどうして起こるの?

まずは仕組みからいきましょう。静電気は、モノとモノがこすれあったときに電気が片方にたまることで起こります。


たとえば、セーターを脱いだときにパチパチ鳴るのは、服と服がこすれて電子が移動したから。こうやって「電気が一方にかたよってしまった状態」を「帯電(たいでん)」といいます。


この帯電した電気が、ドアノブや人の体といった電気が流れやすいモノに触れたとき、一気に流れて放電される。それが「バチッ!」の正体なんです!


トランポリンと静電気

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静電気によって逆立つ髪の毛
トランポリンで遊んだ後、静電気の影響で髪の毛が逆立っている子供の様子

出典:Ben KerckxによるPixabayからの画像より


ジャンプして体がトランポリンの表面とこすれると、「摩擦(まさつ)」によって電子が移動し、体や髪に電気がたまります。これを帯電(たいでん)といいます。そして――髪の毛1本1本に同じ電気(たとえばマイナスの電気)がたまると、電気同士が反発し合うので、髪の毛がピンピン立って離れようとする(=逆立つ)…というわけです!


トランポリンの素材も絶縁体(でんきを通さない)なので、静電気が逃げにくいのも逆立ちやすさの理由のひとつです。


どんなときに起きやすいの?

静電気って、じつは気温や湿度ともとっても深い関係があるんですよ。だから「なんでこの時期だけパチッとくるの?」なんて疑問も、ちゃんと理由があるんです。


空気が乾燥しているとき

空気が乾燥しているとき(湿度が40%以下)は静電気が起きやすくなります。水分が少ないと電気が空気中に逃げづらくなるんですね。


化学繊維の服を着ているとき

化学繊維・・・例えばナイロンやポリエステルは、静電気をためこみやすい素材なんです。なのでこういった素材の服を着ていて、なおかつ乾燥していれば、いっそう静電気発生確率は上がります。


カーペットやソファでゴロゴロしたあと

カーペットやソファでゴロゴロするのも大きな要因です。体と素材がこすれあって、どんどん電気がたまっていくのです。


 


こういう場面では電子が体の中や服にたまりやすくなって、なかなか逃げていってくれない。そのせいで、ちょっと金属に触れたときなんかに「パチッ!」ってきちゃうんですね。


特に空気が乾いている冬の寒い時期は、静電気が起きやすいコンディションがそろっているので要注意です。


ちなみに人の体でも1万ボルト以上の電圧が発生することがあるんです!でもいくら電圧が大きくても、流れる電流はごくわずかなので、ショックはあっても感電するほどではないというワケなのです。


静電気を防ぐには?

ESD Protected Symbol

ESD(静電気放電)保護シンボル
静電気に敏感なデバイスを扱う際の注意喚起として使用される国際的なシンボル

出典:Image by ANSI/ESD (Inductiveload) / Public domainより


あのイヤ~な「バチッ」を防ぐには、実はちょっとした工夫でじゅうぶん対策ができるんです。意外とカンタンな方法ばかりなので、知っておくだけでも毎日のストレスがぐっと減りますよ!対策を知っていれば、静電気とも上手につきあっていけるようになります。


加湿する

部屋の湿度が上がると、空気がほどよく水分を含んで、電気がスーッと空気中に逃げていきやすくなります。特に冬場は加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりすると効果的ですよ。


天然素材の服を選ぶ

綿(コットン)麻(リネン)などの自然素材は、化学繊維に比べて静電気が起きにくいんです。インナーだけでも天然素材にするだけで、ずいぶん違いますよ。


金属に触れる前に手で壁をタッチ

ドアノブや車のドアなど、バチッときそうな場面では、あらかじめ壁や木などを手でそっと触っておくと安心。電気をゆっくり逃がすことで、あのショックをやわらげることができるんです。


静電気防止スプレー

服や髪にシュッとひと吹きするだけで、静電気の発生をぐっと抑えられます。持ち運べるサイズのものもあるので、外出時にも便利なアイテムですよ♪


静電気対策用リストストラップ

静電気対策用リストストラップは、電子機器の組み立てや修理作業時に、作業者の体に蓄積された静電気を安全に放電するための装置。静電気放電(ESD)による電子部品の損傷を防ぐことができます。リストストラップは、導電性のバンド接地用のコードから構成されており、作業者の手首に装着し、コードを接地ポイントに接続することで機能するんです。


AntiStatic-Wrist-Guard

静電気対策用リストストラップ

出典:Photo by Evan-Amos / Public domainより


 


こうしたちょっとした対策を毎日の中に取り入れるだけで、あの「パチッ!」という静電気のイヤな体験とも、うまくサヨナラできるかもしれませんね。知っているだけで違う、静電気との快適なつきあい方、ぜひ試してみてくださいね。


静電気ってのはよ、「たまった電気が一気に流れる」っていう、身近だけどちゃんとした電気の現象なんだぜ!冬の敵みてぇに思われがちだけど、仕組みをちゃんと知れば怖くなんてねぇ!ちょっとした工夫と知識で、静電気ともバッチリ仲良くやっていけるんだ!